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2022.04.11

住宅購入、保険の見直しって必要?【住宅FP関根が答える!Vol.2】

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。前回のコラムでは「万一のために収入保障保険は必要なのか、また必要保障額はいくらになるのか。」というテーマで万一のことがあった際の生活を収入、支出と見直して具体的に考えていきましょうとお話ししました。今回は前回のコラムの最後に伝えました「住宅購入をし、住宅ローンを組むことによって必要になる生命保険の見直し」について解説していきたいと思います。

団体信用生命保険って?

結婚、出産と独り身ではなくなり新しい家族ができると住宅の購入を考える方は多くいらっしゃると思います。
マンションの購入、一軒家の購入。いずれの場合にも大変大きな買い物であり、住宅ローンを組む方が多いと思います。住宅ローンを組むことによって保険見直しが必要になる大きな要因は団体信用生命保険(以下「団信」という)にあります。
団信とは金融機関により保障内容や条件が異なりますが基本の条件として、万一の際に住宅ローンが生命保険により消失します。このこと自体は多くの方がご存知ではないでしょうか。しかしご夫婦で借りていた住宅ローンの全額が団信により消失するとは限りません。

住宅ローンを借り入れる際に多くのご夫婦が、夫婦ペアローンで借り入れます。夫のみの借り入れよりも妻も借り入れることにより、より多くの金額を借りることができるからです。
多くの場合、夫の方が妻よりも収入が多いことが多いため住宅ローンの借入額も夫の持ち分が多くなります。
夫婦ペアローンとは使用する物件が同じであっても借りている名義人が異なるため全く別の住宅ローンの扱いとなります。万一のことがあった場合にも団信が適応されるのは万一のことがあった名義のみとなり、残された妻もしくは夫の住宅ローンは消失しません。

万一のことがあったときは?

また住宅を購入している場合、気軽に手放すことはできません。賃貸であった場合には、子どもがいなければ独身に戻り、二人で住んでいたときよりやや小さめの一人暮らしのための物件に引っ越し、子どもがいたとしてもやはり少し小さめの物件に引っ越しをするか、もしくは実家に帰るという方も多いのではないでしょうか。
物件の売却も、ローン残高より高い金額で売ることができなければ、持出し金額が出てしまいます。現在は自己所有の物件を賃貸に出してもローンを返せるほどの収入にはならず必然的に住み続けることになると思います。
子どもがいる場合には一人で子どもを育てるだけで大変ですが、さらに住宅ローンを支払っていかなくてはいけないため、住宅を購入してからの死別というものは金銭的にも厳しく、その後の選択肢が減ってしまいます。

そこで住宅ローン返済中の病気罹患後、少しでも生活を楽にしてくれるのが団信です。
一昔前までは死亡時に住宅ローンが消失する死亡団信のみでしたが、現在では各金融機関によってさまざまな団信を提供しております。がん団信3大疾病団信11疾病団信などに加入する方が大変多くいらっしゃいます。表示金利に死亡団信は含まれていますが、がん団信などは多くの場合0.1%~0.3%程度の金利上乗せでの提供となります。

団信に加入すると差額はいくら?

では金利0.1%~0.3%の上乗せというのは金利上乗せなしに対してどれくらい総返済総額に差が出るのでしょうか。実際に計算してみました。
ここでは仮に

  • 借入金額5000万円
  • 借入金利0.4%の変動金利
  • 返済期間35年
  • 10年おきに0.5%の金利上昇

とします。そうしてでてきた総返済総額の結果は10年おきに0.5%の金利上昇5701万円。それでは次に金利0.3%上乗せの総返済総額を計算します。先ほどと条件は同じです。その結果が5994万円差額293万円となります。この総額から考えてみましょう。

住宅ローンというものはもちろん借り入れ時期などにより異なりますが多くの場合65歳程度で完済します。では病気の罹患リスクはいつくらいから高まるのでしょうか。答えは住宅ローンを完済した後の老後になります。団信で0.3%の金利上乗せをして団信を手厚くするということは今回の場合、差額の293万円を支払い、病気リスクの低い65歳程度までの定期保険に入るのと同じです。

団信の定期保険と民間の終身保障保険

現在は医療保険やがん保険など65歳払い込み、保障は一生涯の商品がたくさんあり、月3000円程度で加入することができます。そう考えると65歳前後で終わってしまう定期保険は金利上乗せをしてまでするものでしょうか。同じ保険料を同じ期間支払うのであれば病気罹患リスクの高まる老後まで保障される民間の終身保障タイプをつける方が良いと感じる方も多いのではないでしょうか。しかし住宅ローン返済中に病気に罹患し民間の保険で保障を受けることができても住宅ローン残高が0円になることはありません。

現在、住宅ローンの借り入れは超低金利に手厚い団信が売りのネットバンクが強いです。代表的な金融機関としてはauじぶん銀行、PayPay銀行、ソニー銀行などは借入金利0.4%前後と非常に借りやすい金利となっております。さらに金利上乗せなしで死亡団信に加え、初めからがん50%団信がついてきます。これは非常に素晴らしいです。現在ではがんというのは罹患後も治療し、それまでと同じように生活を送ることができるようになってきました。そこで診断確定し、住宅ローン残高が50%消失というのは非常に手厚い団信と言えます。

まとめ

結論です。住宅ローンを組み保険を見直す重要な視点としては、一つ目にシングルマザーもしくはシングルファザーになった際にも残りの住宅ローンや子どもの教育費を支払っていけるように収入保障保険を見直す。二つ目に加入する団信で保障されない内容について医療保険やがん保険など民間の保険を見直す。住宅購入というのは今までにない人生最大の買い物です。万一のことは誰にも予測することはできません。これまで以上にリスクについてしっかりと考え見直し、少しでも不安の少ない生活を送れるようにしましょう。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

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