生命保険の選び方
2022.11.01
20代におすすめの生命保険の種類|メリット・選ぶときのポイントを詳しく解説!
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。日本FP協会AFP認定者。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。
20代は、多くの人が就職や結婚など、人生の中でも特に多くの転換点がある時期です。そんなタイミングで、健康や病気に関しての様々なリスクについて考えたことはないでしょうか。
「病気やけがで働けなくなったらどうしよう」
「今の状態で高い医療費が払えるか心配」
「資産形成に関しても今後がとても不安」
など、成人して独立するようになってから湧いてくる不安もあるでしょう。
また、親や知人に生命保険加入を勧められた方もいるでしょう。しかし、突然のことでは、どこに加入すればいいか、どう選べばいいか分からないものです。
今回は、20代におすすめの生命保険とその選び方について解説しています。本記事を確認すれば、万が一の際に保険がどんな役割を果たしてくれるかを理解し、自分のライフスタイルに合ったものを選ぶことができるでしょう。
20代で生命保険への加入を悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。
20代で生命保険に入っておくメリット
そもそも、統計的に病気のリスクが上昇する40代以降ならまだしも、若く健康な方の多い20代で生命保険に加入するメリットはあるのでしょうか。
高齢になるにつれ、もちろん生命保険が必要になるタイミングも多くなるでしょう。しかし、保険のなかには貯蓄性があるものもあり、ずっと健康だから保険料を払うだけ無駄、ということはありません。
また、それ以外にも若いうちから生命保険に加入するメリットは多くあります。ここからは、そんなメリットについての解説です。
選べる保険の種類が多い
生命保険に加入するためには、まず自分の病歴や現在の健康状態などを申告しなくてはなりません。申告の内容によっては保険の加入を断られてしまうケースもあります。加入できても、制限された保障内容になってしまうことも考えられるでしょう。
逆を返せば、若く既往歴がないうちならば保険の審査に通りやすいということです。そのため、生命保険への加入を考えるのが早ければ早いほど、その分選択肢が広がります。
選べる保険の種類が多いというのは、20代で保険に加入する大きなメリットです。
保険料を抑えることができる
一般的に、保険料は加入時の年齢によって決まります。これは、年齢が高くなるにつれ疾病や死亡のリスクが高くなるためです。リスクが目に見えるようになってからでは、その分保険料も高くなってしまいます。
しかし、20代は病気や死亡のリスクが低いため、他の世代より保険料が安い傾向にあります。
また、更新型の定期保険では、更新時の年齢によって保険料は上がっていきますが、終身型の生命保険の場合は保険料が一定のものも多いようです。そのため、若いうちから加入することで保険料が抑えられる可能性があります。
資産形成ができる
生命保険には様々な種類が存在していますが、その中のひとつに「貯蓄型」と呼ばれるものがあり、このタイプの保険を選ぶことによって、将来の生活資金などの資産形成が可能となります。
貯蓄型の生命保険は、解約時や満期を迎えたときに解約払戻金や満期保険金として戻ってくる場合があります。もちろん万が一のときには保険金を受け取ることができる点は、他の生命保険と変わりありません。
1点だけ注意する必要があるのは、契約状態や経過年数によっては十分な払戻金が受け取れない場合があるということです。払戻金や満期保険金が保険料を下回ることがないように、解約返戻率を慎重に選ぶ必要があります。
20代独身の人におすすめの生命保険
20代独身だから、男性だから、女性だから、といって「おすすめの保険」がたった1つだけ、はじめから決まっているわけではありません。
あなたの生活に万が一とされるどのような事態が潜んでいるかを考え、その場合に必要な保障が得られるよう、保険を選ぶことがおすすめです。
必要な保険の種類は、年齢、家族構成、健康状態などによって異なります。また、結婚、出産、住宅購入、定年退職など現在のライフステージによっても変わります。
20代独身の人は、現時点で生命保険による死亡後の保障を既婚者ほど手厚くする必要はないでしょう。それよりも「病気やケガで働けなくなったとき、どのような保障が必要か」「火災や盗難にあったとき、どのような備えが必要か」を考えることが急務です。
また、20代であれば、今後のライフステージの変化が大きいと予想されるため、その都度保険を見直すという心構えも大切です。
医療保険
医療保険は、被保険者が入院や手術を余儀なくされた場合に、保障を受けられる保険です。
保障範囲は保険によって様々であるので、自分の職業やライフスタイル、または可能な支出範囲内で収まる額のものを選ぶ必要があります。
また、同じ医療保険でも「特約」という形で新たなプランを付与することも可能です。特約は基本的にガンなどの長期的な通院や治療が必要な疾病を対象としています。
ガンの場合、ガン保険に入るよりも医療特約を付与した方が保険料を抑えられる傾向にあるため、積極的に活用しましょう(なお、保障内容が異なる場合も多いです)。
個人年金保険
個人年金保険は、主に老後に向けての準備を目的とした保険です。契約時に設定された保険料を支払い、ある一定の年齢を超えたら貯蓄金が受け取れるシステムとなっています。
保険によって貯蓄の年数が違っていたり、受け取れる年齢も異なったりするため、個人のライフスタイルに合ったものを選ぶことができます。
20代では老後への意識が低い、または収入に余裕がないなどの理由から加入率は低い傾向にあります。しかし、近年では低金利であることから外貨積み立ての個人年金保険に注目が集まっているようです。
就業不能保険
就業不能保険は、その名の通り被保険者が働けなくなった際に保障が受けられる保険です。疾病による医療費の保障が目的となっている医療保険に対し、就業不能保険は本来労働していれば得られるはずであった収入を保障することが目的となっています。
医療保険だけでは補填しきれない生活費をカバーするための保険です。自営業の場合、公的保障の範囲から外れた部分も補ってくれるため、加入をおすすめします。
低解約返戻戻金型終身保険
低解約返戻金型終身保険とは、保険料払い込み期間の解約返金率が低めに設定された終身保険のことです。途中解約での返金額が少ない代わりに、月ごとに支払う保険料が他の終身保険より安く設定されています。
さらに、保険料の払い込み期間を満了すれば、返金率は他の終身保険と同水準まで上がります。収入や貯蓄に自信のない20代独身が加入しやすい終身保険と言えるでしょう。
20代既婚の人におすすめの生命保険
結婚は人生の中でも大きなイベントといえるでしょう。ライフスタイルの変化や出産、育児について考えなければならないため、独身時代からの大きな変化を必要とします。
これは加入する保険でも同じで、独身と既婚では適した保険が大きく異なります。前述の通り、生活の変化に合わせて保険を変える心構えが必要です。さらに、将来のことを深く考え、子供のためになるような保険を選ばなくてはなりません。
収入保障保険
収入保障保険は、被保険者が死亡または就業不能になるまでの障害を負ってしまった場合に備えるための保険です。対象の状態になったときから満期まで、毎月保険料が支払われることになります。
既婚で子供がいる場合、生活費や教育費を一人で賄うことはきわめて困難です。この保険に加入することによって、万が一の際に片方の配偶者への負担を大きく減らすことが可能です。
この保険も、被保険者の健康状態によって加入時の保険料が決まります。子供を考えている場合は特に加入を強くおすすめします。
生命保険
既婚の場合、もしもの場合に負担が2倍になってしまうことも考えられます。健康的な20代のうちに生命保険に加入することで、保険金が安くなることは前述の通りです。
しかし、結婚というライフステージの変化によって、収入や可能な支出範囲が変化しているはずです。それを念頭に置き、保険の加入を検討しましょう。
学資保険
学資保険は、子供がいる場合には特に重宝する保険となっています。将来の教育資金に備えることを目的とした保険で、一定額を支払い続ける代わりに、満期に保険金を受け取ることができます。
確実に教育資金を準備することで、家計の負担を大きく和らげることができるという大きなメリットがあります。子供がいる場合には、ぜひ加入を検討してみてください。
生命保険を選ぶときのポイント
生命保険は各保険会社や保険内容によって、その料金や保障は多種多様です。様々なプランに惑わされて、不必要な保険に加入してしまっては保険の意味が薄くなってしまいます。そのため、必要な保障内容やライフステージによって必要な保険を見極める必要があるでしょう。
ここからは、生命保険を選ぶ際のポイントについて紹介します。以下で解説する内容を踏まえ、ライフステージの変化に合わせて保険の見直しや加入を進めましょう。
- 保険期間を確認する
- 自分に合った保険料の保険を選ぶ
保険期間を確認する
保険の期間には大きく分けて、10年間などの一定期間のタイプと一生涯続くタイプの2種類があります。
一定期間のタイプは、保険期間の満了に伴って自動更新されるため、更新時の年齢や病歴によって保険料が再計算される仕組みです。したがって、年齢を重ねるごとに保険料が上昇します。
一生涯の場合は、一定額を払い続けるものと、ある金額が上限として設定されているものに分けられます。
保険期間の違いは、保険による負担の差です。保険の負担が大きいタイミングを先に持ってくるか、人生の後半に払うかを慎重に決めましょう。
自分に合った保険料の保険を選ぶ
毎月の出費になる保険料は、それだけで大きな出費になってしまいます。万が一に備えるための保険とはいえ、それ自体が家計を圧迫してしまっては元も子もありません。
20代はまだ健康なことが多いため、全体的に保険料の支払い金額は安い傾向にあります。しかし、その分まだ大きな収入を得られていない時期であることも考えると、やはり無理のない保険の加入が大前提です。
自分の収入やライフスタイルに合わせ、さらに自分に合った保険料の保険を選びましょう。そうすることで、保険の真の価値を発揮できるようになります。
将来的自分に合った生命保険を選ぼう
この記事では、20代の人にとって、どのような保障が必要かを解説してきました。この年代にはこの保険がおすすめ、というものはなく、それぞれの収入や状況に合わせた保険を選び取ることが重要です。
不測の事態を想像し、それを乗り越えて次に進むための保険です。自分の未来に関して、じっくり考えてみてはいかがでしょうか。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。