保険の基礎知識
2022.03.23
保険の見直しのポイントは?見直しの手順や注意点を解説
もしもの時に備えて入る保険。保険は加入したあとも見直しが必要と言われますが、どうすれば良いのか迷っている人は少なくないでしょう。
この記事では、
- 死亡保険・医療保険・がん保険の種類別見直しのポイント
- 見直しに適したタイミング
- 保険見直しでの注意点
を解説します。これから保険を見直す人はぜひ参考にしてください。
保険の種類別見直しのポイント
保険の見直しとは、現在入っている保険の保障が十分かどうかを確認し、足りていない保障を追加したり、反対に余分な保障を減らしたりすることです。もちろん、現在の保険の保障に過不足がなければ、保険を解約したり、新しい保険に入ったりする必要はありません。
見直しの際には、以下の手順で進めるのがおすすめです。
- 入っている保険の契約内容を確認する
- 現在の収入や家族の状況などから、今後起こり得るリスクを考える
- 無理なく払い続けられる範囲で保険料の予算を決める
- 現在の保険を継続するか、保障内容を変更するか、新しい保険に入るかなどを決める
さらに、代表的な保険の種類である死亡保険・医療保険・がん保険について、見直しのポイントを解説しますので参考にしてくださいね。
死亡保険
死亡保険を見直すポイントは以下の3点です。
- 保障内容は合っているか
- 保障額は十分か、多すぎないか
- 保障が必要な期間
保障内容が手厚く、保障額が大きいほど安心できますが、保険料は高くなります。保障に過不足がないように見直しましょう。また、保障が必要な期間が一生涯であれば終身保険、特定の期間だけであれば定期保険を検討しましょう。
医療保険
医療保険の見直しのポイントを3つ紹介します。
- 入院給付金はいつから受け取れるか
- 通院保障をつけるかどうか
- 先進医療を保障に含めるかどうか
医療保険の保障の中心は入院給付金です。入院給付金は入院1日目から支払われるものや4日以上の入院が対象になるものなど、保険によって給付金を受け取れる条件が異なります。
また、最近は入院期間が短期化し、通院で治療するケースも多いため、通院でも保障が受けられるかどうかを確認しておきましょう。さらに、特約などで医療費が高額になりがちな先進医療に備えることもできます。
がん保険
がん保険を見直すポイントも3点紹介します。
- がん診断一時金が支払われる条件
- 通院保障はあるか
- 治療給付金は治療のたびに受け取れるかどうか
がん保険では多くの場合、がんと診断された時にまとまった金額が一時金として支払われます。しかし商品によって、一時金を受け取れる回数に制限があったり、再発の場合でも受け取れたりなどの違いがあるため、見直しの時にはあらためて条件を確認しましょう。
また、医療保険の項目でも解説した通り、通院でがんの治療ができることも増えてきました。がんの治療は長期に及ぶこともあるため、通院保障や治療のたびに受け取れる給付金の有無を確認することをおすすめします。
保険見直しのタイミング
保険の見直しが重要だとよく耳にするけれど、いつ見直しをすれば良いのかと疑問に思っている人もいるかもしれません。保険見直しにおすすめのタイミングは
- ライフステージが変わった時
- 保険の更新時期(定期保険の場合)
です。
その理由を解説します。
保険の更新時期(定期保険の場合)
定期保険では、定期的に保険の更新時期がやってきます。なんとなく更新し続けている人もいるかもしれませんが、実は更新のお知らせが届いた時が保険見直しの良いタイミングです。
特に定期保険では更新のたびに保険料が上がるのが一般的ですので、年齢を重ねるほど、保険料負担が大きくなります。長い目で見ると、他の保険に加入した方が支払う保険料の総額が少なくなることもありますので、保険の切り替えも視野に入れて見直しをしてみましょう。
ライフステージが変わった時
結婚や定年退職など、ライフステージが変わる時は保険で備えるべきリスクが大きく変わる可能性があるタイミングです。以下にライフステージが変化するタイミングの例を挙げました。
- 就職
- 結婚
- 子どもが生まれた
- 家を買った
- 子どもが独立した
- (定年)退職
いずれも収入や家族構成が変化する時です。子どもの教育費やリタイア後の生活費など、その時によって必要な保障は異なります。入っている保険の保障内容が、収入や家族の状況に合ったものになっているか確認してみましょう。
保険見直しで注意したいこと
保険の見直しに慣れている人は少なく、特に初めての見直しの時には戸惑うこともあるでしょう。ここでは保険を見直す時に注意したいことを4つ紹介します。
公的保険で受けられる保障を確認する
国民皆保険制度が採用されている日本では、原則としてすべての人が何らかの健康保険に加入しています。会社を通じて加入する健康保険や自営業などの人のための国民健康保険には、高額療養費制度などのように病気やケガなどの際に、経済的な負担を減らせる仕組みがあります。健康保険で医療費の一部がカバーできることを考慮すると、自分で加入する医療保険の保障内容は今よりも減らせるかもしれません。
また、厚生年金や国民年金には遺族年金の制度があるため、家族がいる人は自分が亡くなった時に配偶者や子どもは年金を受け取れる可能性があります。遺族年金には受給条件がありますが、もし条件を満たしているなら死亡保険の保障額を少なくして保険料を抑えられる可能性があるでしょう。
将来の返戻金の額も含めて比べる
終身保険などのような貯蓄性の高い保険では、保険を解約すると解約返戻金が受け取れます。近年は低金利政策が続いている日本ですが、かつては比較的高い予定利率で保険を契約できた時期もありました。そうした古い保険契約がある場合、古い保険を解約して新しく保険に入るよりも、保険を継続する方が多くの解約返戻金が受け取れて結果的に得をする可能性があります。
また、保険を解約するタイミングによっては解約返戻金が少なくなったり、まったく受け取れなかったりすることもあります。保険を見直す時は、保険料や保障内容に加えて将来の返戻金の大きさも含めて比べましょう。
見直しの結果、保険の変更が不要なこともある
保険を見直すことと、新しい保険に入り直すことはイコールではありません。収入や家族構成などを考慮しても、いま加入している保険が自分に合っていればあえて保険を変える必要はないのです。
また、保険によっては途中で解約すると不利になることもあります。その場合は、特約の追加や削除、保障額の増減などの形で保障を変更できないか検討してみましょう。
保障が受けられない期間(無保険期間)を避ける
見直しの結果、いまの保険を解約し、新しい保険に加入しようと決めた際に気をつけたいのは、保障が受けられない期間(無保険期間)が発生することです。保険の加入を申し込んでから契約に至るのには時間がかかることがあります。
また、保険を申し込んでもさまざまな事情で加入を断られることや、保険契約ができても保障開始まで数カ月程度の待機期間があることも考えられます。無保険期間にもしものことがあっても保障は受けられませんので、無保険期間が発生しないよう保険解約のタイミングには注意しましょう。
まとめ
上手に保険を見直しするために知っておきたいことをまとめて解説しました。
保険の更新やライフステージが変化する時など、保険を見直しする機会は今後も何度か訪れるでしょう。
この記事を参考に、自分に合った保険でもしもの時に備えましょう。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。