保険の基礎知識
2021.12.27
トラブルを避けるために把握しておきたい保険証券のチェックポイント
ご自身やご家族が契約している生命保険の内容を覚えていますか?
保険に加入した当初は覚えていても、時間が経つと保険の内容は忘れてしまいがちです。
本記事では、加入している保険の内容を把握していないことで起こり得るトラブルと、把握しておくべきポイントを解説します。保険の内容を把握していないと、万が一のときに取り返しのつかないトラブルが起きる可能性もあります。本記事をきっかけに契約している保険の内容を把握しておきましょう。
起こりうるトラブル
ご自身やご家族が加入している生命保険の内容を把握していない場合に起こりうるトラブルを簡単にまとめます。
もしもの際に必要なお金が不足するかもしれない
保険に加入する目的としては、亡くなった際にご家族がお金に困らないよう備える、病気やケガなどの医療費や働けない期間に必要なお金に備える、などが挙げられます。
必要な保障はその時の生活環境や家族状況などによって変わるため、数年前に契約した生命保険ではもしもの際の備えとして不足しているケースが考えられます。
たとえば、独身のときと結婚して家族ができた際では必要な保障が違う、ということは簡単にイメージがつくかと思います。結婚すると、自分のための保険だけではなく、配偶者、子どものことも考えて経済的に準備をしておく必要性がでてきます。
もしも、保険に入っているから大丈夫と勘違いをして、ほんとうに自身や家族に万一があった際、必要な保障を満たせる内容の保険ではなかった場合、十分な保険金が受け取れずそれ以降の生活ではお金の面で苦労することが予想されます。
そのため、ご自身やご家族が契約している生命保険の内容はしっかり確認しておきましょう。結婚したり、子どもが生まれたり、転職したり、退職したりで自身を取り巻く環境が変わったその時々で、必要な保障を満たしているかチェック、不足していれば保険の見直しをすることをおススメします。
保険金や給付金を受け取れない
生命保険の保険金や給付金を受け取るためには、保険会社に請求する必要があります。
契約している生命保険の内容を把握していないと、本来であれば保険金や給付金を請求できる場面で、その事実を知らないことが原因で請求しないまま時間が経過してしまいます。
多くの保険会社で、保険金や給付金は請求できるようになった日、もしくはその翌日から3年以内に請求しない場合、以後請求できなくなるケースがあります。(保険会社によって異なる場合があります。)
保険料を支払っているのにもかかわらず、本来であれば受け取れるはずの保険金や給付金を受け取れない、という事態になる可能性があるため、ご自身やご家族が契約している生命保険の内容は把握しておきましょう。
保険種類別 把握しておくべき内容
保険の種類によって保障内容や特徴が異なるため、代表的な保険について簡単に解説するとともに、それぞれ把握しておくべき内容を解説します。
死亡保険の場合
死亡保険は、亡くなったときや高度障害になったときに、保険金を受け取れる保険です。
死亡保険という名称の保険はなく、定期保険や収入保障保険、終身保険などが該当します。
死亡保険で把握すべきポイントは、主に以下の4点です。
・保険金の金額
・保険金を受け取れる条件、免責事項
・保険金受取人
・保険期間
保険期間って?定期保険と終身保険の違い
死亡保険は、保険期間(保障が続く期間)によって定期保険と終身保険に大別されます。
保障される期間や保険料の負担などが異なるため、ご自身やご家族がどちらの保険に加入しているか、必ず把握しておきましょう。
定期保険
定期保険は契約時に定めた期間だけ保障される保険です。10年や20年、60歳まで、65歳までなど、年または年齢で満期が定められています。年で満期が決まっている場合は、一般的に満期を迎えても更新ができますが保険料が再計算され上がります。年齢で満期が決まっている場合は一般的に更新はできません。(保険会社によっては、別の保険に変更できる場合もあります。)
定期保険の特徴は、少ない保険料で大きな保障を用意できる、掛け捨てで解約返戻金や満期保険金がない点です。
定期保険の把握すべきポイントをまとめると以下の3点です。
・保険期間はいつまでか
・更新の有無、更新の可否
・更新時の保険料
終身保険
終身保険は、一生涯、保障が続く保険です。終身保険の特徴は、一生涯のこせる保険で貯蓄性がある点です。定期保険と比較すると保険料は割高です。貯蓄性があるため途中で解約すると、解約返戻金が戻ってきます。解約返戻金は一般的に契約している期間が長いほど増えていき、タイミングによっては払込保険料の総額よりも多くなる場合もあります。ただし、契約してから早期で解約してしまうと払込保険料の総額よりも少なくなるのが一般的です。
また、保障は一生涯続きますが、保険料の支払いは60歳や65歳までなど、途中で支払いを終えられる設計になっていることが多いです。支払期間が短いほど払込保険料の総額は少ないですが、月々の負担は大きくなります。
終身保険の把握すべきポイントをまとめると以下の3点です。
・保険料の払込期間(いつまで支払うのか)
・保険料の負担は適切か、支払い続けられるか
・解約返戻金の推移
医療保険の場合
医療保険は、病気やケガなどで入院した際や手術を受けた際などに給付金を受け取れる保険です。医療保険も死亡保険と同じように定期タイプと終身タイプがあり、定期の場合は一定期間だけの保障、終身の場合は一生涯、保障が続きます。
入院給付金は、入院1日あたり〇〇〇〇円の給付金が受け取れる設定の商品が多いですが、一時金としてまとまった一時金が受け取れるタイプの商品もあります。
手術給付金は、所定の病気やケガで手術した際に契約で定められた給付金が受け取れる保障です。
医療保険には、通院特約、がん特約や三大疾病特約など、保障を手厚くするための特約を付けている方も多いでしょう。受け取れる金額や給付金を受け取れないケースを示した免責事項などを把握しておきましょう。
また、万が一、自分で請求できない事情があるとき、代理人が本人(被保険者)に代わって保険金や給付金を請求できる指定代理請求人が誰になっているかも確認しておきましょう。
医療保険で把握すべきポイントをまとめると主に以下の4点です。
・給付金の金額
・給付金を受け取れる条件、免責事項
・指定代理請求人
・保険期間
保険の内容を確認するためには
契約したときや内容変更手続きが完了したときに、保険会社から送付された保険証券を確認しましょう。
契約者、被保険者、保険金や給付金の受取人、指定代理請求人、保険金額、保険期間などの契約内容を確認できます。保険金や給付金を受け取れる条件、免責事項については、保険契約のときにもらった契約概要、注意喚起情報、ご契約のしおり・約款で確認しておきましょう。
保険証券や書類を見ても保障内容がよくわからない方は、遠慮なく保険会社に問い合わせをして理解しておくと安心です。
まとめ
ご自身やご家族の生命保険の内容を把握していない場合、もしものときに必要な保障が不足することや本来であれば受け取れるはずの保険金や給付金を受け取れない、といった事態が想定されます。
そのため、ご自身やご家族が契約している生命保険の内容はきちんと把握しておきましょう。
また、保険はライフステージの変化に合わせて見直しが必要です。結婚や出産、転職などライフステージの変化があったときには、保険の内容だけでなく、その時々の自分と家族にとって最適かどうかも点検することが大切です。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。