保険の基礎知識

2023.05.16

解約返戻金の仕組みや保険の種類とは?メリット・デメリットも解説【FP監修】

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。

保険の一部には、解約することで解約返戻金と呼ばれるお金が戻ってくるものがあります。しかし、解約返戻金は保険特有の用語のため、保険契約ではじめて知った方や、言葉は知っていても内容はよくわからないという方もいるでしょう。

この記事では解約返戻金について、仕組みやメリット・デメリットなどを解説します。解約返戻金がある保険に加入した方や、これから加入しようと検討している方は、ぜひ参考にしてください。

解約返戻金とは

解約返戻金(かいやくへんれいきん)とは、生命保険などを解約する際に返ってくるお金のことです。しかし、なかには解約してもお金が返ってこない掛け捨て型の保険もあります。ここでは、解約返戻金の仕組みや保険の種類の例などを解説します。

解約返戻金の仕組み

保険を解約した時に、受け取れる解約返戻金の原資となっているのは、加入者自身が払い込んだ保険料です。解約までに積み立てられてきた保険料の一部から保険会社の事務費用などの経費を差し引き、のこった金額が解約返戻金として戻ってくる仕組みです。そのため、加入期間が短く、積み立てた保険料が少ない場合は、解約返戻金が著しく低くなることも考えられます。

解約返戻金がある保険の種類

解約返戻金がある保険は、貯蓄型と呼ばれる保険の一種です。保険を解約する際に、解約返戻金が受け取れる可能性があるかどうかは、保険加入時の商品説明パンフレットなどを通してあらかじめわかるようになっています。もし、自分の加入している保険に解約返戻金があるかわからない場合は、保険証券などを確認しましょう。一般的に、解約返戻金があることが多い保険の種類としては、以下が挙げられます。

  • 終身保険
  • 養老保険
  • 学資保険
  • 医療保険・がん保険などの一部

ただし上記の保険の種類でも、すべてが解約返戻金が受け取れる仕組みを持っているわけではありません。解約返戻金が受け取れる保険の特徴は、もしもの時に備えること(保障)よりも、将来のための貯蓄を重視していることです。特に医療保険やがん保険のようにもしもの時の備えとして使われることが多い保険では、掛け捨て型が主流です。反対に、上記以外の保険の種類でも、解約返戻金が受け取れる場合もあります。

低解約返戻金型とは

解約返戻金がある保険のなかで特徴的なのが、低解約返戻金型の保険です。低解約返戻金型では、解約返戻金はあるものの、その金額が通常の解約返戻金付きの保険よりも低くなるように設計されています。その代わり保険料は安く抑えられているため、解約返戻金がある保険に入りたいけれど、保険料が安い掛け捨て型も気になるという人に向いています。

解約返戻金がある保険に入るメリット

解約返戻金がある保険・ない保険があるなかで、解約返戻金が受け取れる保険に入るメリットは何でしょうか。ここでは、解約返戻金ありの保険に入るメリットを3つ紹介します。

保険料が無駄にならない

掛け捨て型と比較した場合、解約返戻金がある保険の最大のメリットのひとつといえるのが、保険料が無駄にならないことです。掛け捨て型では解約しても何も受け取れないのに対し、解約返戻金ありの保険では、払い込んだ保険料の一部が、解約返戻金として戻ってきます。

もしもの時に備えつつ資産形成もできる

解約返戻金がある保険のひとつである、終身保険を例に考えてみましょう。終身保険では、万が一の死亡に備えるための保険ですが、保険金を受け取ることがなかった場合は、解約すると解約返戻金としてまとまった金額を受け取れる可能性があります。受け取った解約返戻金の使い道は自由のため、老後資金や住宅購入費用などに充てる方も多いでしょう。

このように解約返戻金がある保険では、もしもの時に備えつつ、同時に資産形成を進められます。特に、保険は銀行預金などよりも解約したり、お金を引き出したりするのに手間がかかるため、貯蓄が苦手な人にもおすすめです。

いざという時には契約者貸付や自動振替貸付が利用できる

契約者貸付や自動振替貸付とは、保険会社のサービスのひとつです。保険契約者にお金が必要になったり、加入している保険の保険料を支払うのが難しくなったりした場合に使えます。

契約者貸付や自動振替貸付を利用すると保険会社からお金を借りられますが、その原資は毎月の保険料から積み立てられているお金です。もし、一時的に保険料を払い続けるのが難しい状況になったとしても、契約者貸付などを利用すれば保険を解約する必要がないのがメリットといえます。

解約返戻金がある保険の注意点

解約返戻金についての注意点を3つ解説します。

加入期間が短いと解約返戻金が元本割れすることもある

解約返戻金がある保険でも、解約すればかならず解約返戻金が受け取れるわけではありません。保険料の一部を積み立てたものから、保険会社に払う事務手数料などを差し引いた残高が解約返戻金となるため、加入期間が短い場合は手数料が積立額を上回り、解約返戻金がないこともあります。

また、解約返戻金が受け取れる場合でも、加入期間によっては、保険に加入してから解約するまでに払った保険料の総額を解約返戻金が下回る可能性もあります。これがいわゆる元本割れと呼ばれる、保険料だけを見ると損をしている状態です。もし途中で保険を解約する可能性があるのであれば、はじめから掛け捨て型の保険に入っていたほうが、保険料を抑えられるかもしれません。

保険料が割高な場合もある

解約返戻金がある保険では、支払った保険料の一部が保障のために、一部が将来の解約返戻金などとして積み立てられます。つまり、保険料に保障と将来のための貯蓄の両方が含まれているのです。そのため、保障だけが受けられ、貯蓄の機能がない掛け捨て型の保険よりも保険料が割高な場合があることに注意しましょう。

資産運用の方法には、投資信託や株式などさまざまなものがあります。掛け捨て型の保険に入りつつ、保険以外の方法で資産運用をするのも選択肢として考えてみましょう。

解約返戻金には税金がかかることがある

保険を解約して受け取った解約返戻金には、税金がかかることがあります。解約返戻金に課税されるのは以下のケースです。

  • 支払った保険料の総額より、解約返戻金の額が50万円よりも大きい場合、50万円を超える額に所得税(一時所得)がかかる(ほかに一時所得がない場合)

解約返戻金と払い込んだ保険料の総額の差が50万円以下の場合は非課税です。解約返戻金で利益が出た場合には、注意しましょう。

まとめ

終身保険や学資保険のような、いわゆる貯蓄型の保険では、保険を途中で解約した際に解約返戻金が受け取れるものがあります。解約返戻金がある保険は、払った保険料が無駄にならないなどのメリットがありますが、保険を解約するタイミングによっては元本割れすることなどもあるため、注意が必要です。

解約返戻金の特徴を理解し、自分に合う保険を選ぶ参考にしてください。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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