契約前に知っておきたい
2022.03.10
レーシックの手術で保険金は受け取れる?
視力矯正手術のレーシックに興味があるけれど、手術費が高額で迷っている人もいるでしょう。
保険には手術を受けた際に手術給付金という名目で保険金が支払われるものがありますが、レーシックは対象なのでしょうか。また、保険金が受け取れるならレーシックを受ける前に保険に加入しておこうと考える人もいるかもしれません。
この記事では生命保険や医療保険に加入していればレーシックで保険金を受け取れるのかどうか、またできるだけお得にレーシックを受けるにはどうしたら良いのかを詳しく説明します。
レーシックとは
レーシックとは、屈折矯正手術の一種です。目の表面の角膜にレーザーをあてて形を変え、屈折率を調整することで、近視や遠視、乱視を矯正する手術です。
30年ほど前から広まり、全世界では毎年数百万人がレーシックを受けていると言われています。日本では2000年に厚生労働省から認可されて広まりました。
手術後の視力回復が早く、比較的安価に手術が受けられることがレーシックの人気の理由です。両目の手術時間は約10分、痛みは少なく、手術の翌日には1.0以上の視力に回復する人がほとんどだと言われています。
レーシックで保険金は受け取れる?
レーシックが保険金支払いの対象になるかどうかは、保険の加入日や契約の内容によります。
レーシックを受けるか検討している方は、ご自身が加入している保険の内容を確認して保険金を受け取れるかどうかを確認しましょう。
2007年4月1日以前に加入した保険なら保険金を受け取れる可能性がある
すでに保険に加入している人で、入ったのが2007年4月1日以前であれば、レーシックを受けることで手術給付金を受け取れる可能性があります。
受け取れる手術給付金の金額は保険契約によりますが、5万〜10万円程度のことが多いです。保険に加入した日と契約内容を確認し、もしレーシックが対象なら忘れずに保険請求をしましょう。
2007年4月2日以降に加入した保険では保険金を受け取れない
保険に加入したのが2007年4月以降なら、レーシックは保険金支払いの対象になる手術ではないため、手術給付金を受け取ることはできません。
2007年4月1日以降、保険会社各社が改定を行い、レーシックは保険金支払いの対象外となったためです。
これから加入する保険ではレーシックで保険金は受け取れないので注意しましょう。
レーシックは健康保険の適用外だが、医療費控除を利用できる
レーシックで手術給付金を受け取れる保険がないわけではありませんが、最近加入した保険ではレーシックが保険金支払いの対象外とされていることを紹介しました。
それでは少しでもお得にレーシックを受ける方法はないのでしょうか。自己負担額を抑えながらレーシックを受けたいと考えている人に、知っておいていただきたいことがあります。
それは
レーシックは自由診療なので手術費は全額自己負担だが、医療費控除は利用できる
ということです。
自由診療とはどういう意味か、また医療費控除の方法などを解説しますので、参考にしてください。
自由診療のレーシックは健康保険の適用外
通常、病気やケガで診療を受けたり、薬の処方を受けたりすると、その医療費の7割が健康保険から支払われ、患者の自己負担額は3割で済みます。高齢の方の場合は2割や1割など、さらに自己負担額が少ない場合もありますね。
しかし、視力回復手術であるレーシックは自由診療のため、手術にかかる費用は全額自己負担です。自由診療とは公的な保険の対象外となる手術や投薬などの治療全般を指します。
レーシックの費用は医療機関によって異なりますが、数十万円かかることが多いです。もし他の病気による手術と同じように、健康保険が適用されるから自己負担は一部の金額だけで良いと考えていたら、請求額に驚くことになるでしょう。
医療費控除とは
医療費控除とは、確定申告をすることで支払った医療費を所得から控除し、その結果、所得税を減らせる制度です。会社員の場合は、会社が行った年末調整で確定した所得税から、医療費控除の分が戻ってきます。1月から12月までの間に10万円を超える医療費を支払った人が医療費控除の対象です。支払った医療費は以下の計算式で算出します。
医療費控除の対象となる金額=医療費の合計額ー保険金などで補填される金額ー10万円
なお、生計を一にしている家族がいる方は、家族の医療費も医療費控除の対象金額に含められます。
医療費控除の対象となるものには、病院での診療費や入院費、処方箋にしたがって購入した医薬品代、通院のための交通費などがあり、自由診療で支払った医療費も対象です。
レーシックには10万円以上の手術費用がかかることがほとんどなので、レーシックを受けた翌年は忘れずに確定申告をして医療費控除を受けたいですね。
医療費控除を受けるための注意点
医療費控除を受けるには確定申告が必要です。確定申告書と医療費控除の明細書を作成し、レーシックを受けた翌年の2月中旬から3月中旬の確定申告期間に、ご自身の住所を管轄している税務署に提出しなければいけません。
特に会社員は普段、確定申告をしたことがない人も多いかもしれませんね。初めての場合はやや難しく感じるかもしれませんが、医療費控除を受けるために挑戦してみる価値はあります。
確定申告書と医療費控除の明細書は税務署の窓口や国税庁のホームページからテンプレートを入手できます。提出は税務署に直接持参する他に、郵送する方法があり、マイナンバーカードを持っていればインターネットで提出することも可能です。
医療費控除による還付金は確定申告から約1カ月半程度でご自身で指定した銀行口座に振り込まれるか、もしくはゆうちょ銀行や郵便局の窓口で受け取れます。
まとめ
レーシックは、2007年4月1日までに保険に加入した人なら手術給付金が受け取れる可能性がありますが、それ以降に加入した保険では保険金支払いの対象ではないため、保険金は受け取れません。そのため、レーシックを受ける予定がある人は加入している保険をよく確認しましょう。
また、レーシックは自由診療のため健康保険が適用されず、数十万円の手術費は全額自己負担です。そのため、レーシックを受けるのを躊躇する人もいるかもしれませんね。
少しでもレーシックにかかる費用を減らすには、医療費控除が有効です。レーシックを受けたら、翌年は忘れずに確定申告をして医療費控除を受けましょう。
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リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。