介護にかかる費用の平均と払えないときにできること

高齢の親を持つ人は、将来、親の介護が必要になるかもしれないと考えたことはありますか。その際、気になることの一つが介護費用ですね。

介護にかかる費用はどのような方法で介護をするか(在宅か施設に入所するか)、介護期間はどのくらいかによってさまざまであるため、一概には言えませんが、ある程度大きなお金が必要になります。

この記事では介護費用のデータを紹介し、費用をまかなうためにできることを紹介します。必要になるときに備えて覚えておくと便利なことばかりですので、ぜひ最後までご覧ください。

介護にかかる費用の平均

生命保険文化センターの「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によると

  • 介護期間の平均は4.7年
  • 介護にかかる一時費用は約69万円
  • 月々に必要な費用は7.8万円

以上の合計から、介護にかかる費用の平均は500万円程度と言うことができます。しかし、在宅介護なのか、施設に入所するのか、また入所するならどのような施設を選ぶのかなどによってもかかる費用は変わるでしょう。

次の項目から、在宅と施設での介護でかかる費用を解説します。

在宅介護の場合

在宅で介護する場合、車椅子や介護用ベッドなどの介護用品が必要です。また、時には訪問介護やデイサービス・デイケアなどの通所型介護サービスを利用することもあるでしょう。

たとえば介護用品の購入や自宅をバリアフリーリフォームする際の費用は、介護保険から一定の給付を受けることができます。また介護サービスの利用料の自己負担額は原則1割です。

在宅介護は施設に入所するのと比べて住居費などがかからないため、費用は安く済むことが一般的です。しかし、介護される人の状態や介護できる家族の人数などによっては介護サービスを利用する機会が多くなり、想定よりもお金がかかる可能性もあります。

介護施設に入所する場合

住居タイプの介護施設には以下の6種類があり、特別養護老人ホームとケアハウスは公的施設ですが、それ以外は民間施設です。

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • グループホーム
  • 特別養護老人ホーム
  • ケアハウス(軽費老人ホームC型)

このなかで、介護保険が適用される特別養護老人ホームは比較的費用が安く済みます。介護施設に入所する場合、必要な費用は前払い家賃に相当する入居一時金と、光熱費や介護サービスの利用料などにあたる月額利用料の2つあります。『LIFULL介護』の調べでは、特別養護老人ホームの場合、一時金はなく、月額利用料は6~15万円程度のところが多いです。しかし、それ以外の施設の料金の相場は入居一時金が数十万円以上、月額利用料が15万円〜35万円程度が相場です。

介護施設別費用目安
施設 入居一時金 月額利用料目安
介護付き有料老人ホーム 0~数億円 15~35万円
住宅型有料老人ホーム 0~数千万円 15~35万円
サービス付き高齢者向け住宅 0~数十万円 10~30万円
グループホーム 0~数百万円 15~30万円
特別養護老人ホーム 0円 6~15万円
ケアハウス(軽費老人ホームC型) 数十万~数百万円 15~30万円
参考:老人ホームはいくらかかる?料金を種類ごとに比較|LIFULL介護

特に民間施設では入居一時金・月額利用料ともに施設によって価格はさまざまです。なかには一時金として数千万円以上かかり、月額利用料は100万円を超えるようなところもあります。

介護費用はどうやってまかなう?

介護にかかる費用はどのように捻出すれば良いのでしょうか。介護費用はまず本人である親の年金や資産から支払いますが、それだけでは不足することも考えられます。

その場合に介護費用を用意する方法として

  • 世帯分離
  • 生活保護
  • リバースモーゲージ

といった方法がありますので、詳しく解説します。

基本は親の年金や資産から

基本的に、介護費用は介護を受ける本人である親の年金や資産から支払います。そのためには、親が元気なうちにおおよその年金額や資産などについて話し合っておくと、いざというときに慌てなくて済むでしょう。

なお、厚生労働省が発表している厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和元年度)によれば、年金受給者の平均年金月額は国民年金で5万6千円、厚生年金で14万6千円です。長年、会社員や公務員として働き、厚生年金に加入していた人は平均して1か月あたり21万円の年金を受け取っていることになります。

世帯分離

介護サービスの自己負担額を決める要素の一つに世帯の合計所得があります。そのため、所得が少ない親と同居している場合は世帯分離によって親と自分の世帯を分けると、自己負担を減らせる可能性があります。

世帯分離とは、同じ住所に住んでいながら住民票上の世帯を分けることです。世帯分離の詳しい手続き方法はお住まいの自治体の窓口で確認してください。

生活保護

親に資産がなく、年金などの収入も少ない場合は生活保護を受給できる場合があります。生活保護は生活に困窮している国民を守るため、国から保護費を受け取れる制度で、医療や介護の自己負担分も保護費に含まれています。そのため、生活保護を受けている人は実際にかかった費用にかかわらず、医療や介護の自己負担分を支払う必要がありません。

リバースモーゲージ

親に持ち家があるなら利用を検討したいのがリバースモーゲージです。リバースモーゲージとは高齢者向けの貸付制度で、自宅を担保にして資金を借り入れし、死後に自宅を売却したお金で借金を返済するしくみです。

高齢でも自宅を担保にすることで資金を借りられ、しかも亡くなるまで返済の必要がないのが特徴ですが、親が亡くなったあとに物件は売却されてしまうため、相続財産として残らないことには注意が必要です。金融機関のほかに都道府県の社会福祉協議会等でも取り扱っていますので、自宅が対象物件になるかどうか、またどの程度の資金を借りられるか、興味がある人は確認してみましょう。

介護費用負担を減らすために使える制度

介護費用を捻出するためにできることを紹介しましたが、それ以外、介護費用を減らすための制度がいくつか用意されています。いずれも申請が必要ですので、この記事を参考に利用できそうなものがあれば申請してみましょう。

また、ここで紹介しているもののほかにも、自治体や利用している施設ごとに利用料を減免する制度を設けている場合がありますので、確認することをおすすめします。

高額医療・高額介護合算制度

高額医療・高額介護合算制度は、8月1日から翌7月31日までの一年間に一定額を超える医療や介護の自己負担額を払った際に、超えた額が払い戻される制度です。

制度の対象となる医療・介護費用の自己負担額の上限は、サービスを受ける本人の所得と年齢によって異なります。

年収1160万円以上の場合、自己負担限度額は212万円です。年収770万円~1160万円の場合、自己負担限度額は141万円です。年収370万円~770万円の場合、自己負担限度額は67万円です。年収156万円~370万円の場合、自己負担限度額は56万円です。住民税非課税世帯の場合、自己負担限度額は19万円~34万円です。

介護を受けている人なら利用できる可能性が高い制度です。

高額介護サービス費支給制度

高額介護サービス費は、高額療養費制度と良く似たしくみの制度です。1カ月(1日から末日まで)に支払った介護サービスの自己負担額が一定額を超えた場合に、超過した分が払い戻されます。

1カ月あたりの負担上限額は、以下の表のように利用者負担段階区分によって異なります。

介護サービス自己負担限度額
対象者 上限額(月額)
現役並み所得者に
相当する人がいる
44,000円~140,100円(世帯)
世帯のうち
市区町村民税課税者がいる
44,000円(世帯)
世帯全員が
市区町村民税非課税
24,600円
前年の合計所得金額と
公的年金収入額の合計が年間で
80万円以下の個人の場合は15,000円
生活保護受給者 15,000円(個人)
参考:介護保険法施行令等の一部を改正する政令等の交付について|厚生労働省

ただし、介護施設での食費などのように介護保険の対象ではない費用については制度を利用できませんので、注意しましょう。

特定入所者介護サービス費

介護老人福祉施設など一部の介護施設では「介護保険負担限度額認定証」を交付された人は、通常なら全額自己負担となる食費や居住費の一部が介護保険から給付されます。

「介護保険負担限度額認定証」の交付を受けるには、所得などに応じた負担額の減額認定が必要です。

特定入所者介護サービス費の対象となる介護サービスは以下の通りです。

  • 介護老人福祉施設
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
  • 介護療養型医療施設
  • 地域密着型介護老人福祉施設
  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護

デイサービスやデイケアなどは対象ではありません。

まとめ

ここまで、

  • 介護費用の平均は500万円で、基本的には親の年金や資産から払う
  • もし足りない場合は世帯分離などの方法がある
  • 介護の費用負担を減らすために、高額医療・高額介護合算制度などの公的制度なども利用できる

ことを解説しました。

この記事が介護費用について考えるきっかけになれば幸いです。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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