手続きQ&A
2021.07.29
生命保険は誰でも加入できる?早めに知っておきたい審査とは
生命保険は誰でもいつでも入れるから今は必要ない
今は独身だし結婚してから生命保険に入ればいいや!
と思っている方が多いのではないでしょうか?
生命保険は必ず誰でも入れるものではないことに注意が必要です。
ここでは、生命保険で必ず必要な保険会社による審査について解説していきます。
■生命保険加入時に行われる「審査」とは?
結論から言うと、「審査」の結果、保険会社が承認をしないと生命保険に加入できません。
保険会社の「審査」とは、被保険者(保険の対象者)の万が一のリスクを判別するために行います。
なぜ、リスクを判別するかというと、生命保険は「相互扶助(お互いに助けあう)」という考えのもと成り立っているからです。
「相互扶助」の仕組みとは、保険に加入した人たちがお互いに少しずつお金(保険料)を出し合い、1人では負担しきれない大きなお金を集めておき、そのお金から万が一のことが起きてしまった人へ保険金を支払う仕組みです。
保険料を支払った人の誰かが事故にあったり、大きな病気になったとき、集まったお金から保険金を支払います。
自分や家族の「万一の備えに」と加入する保険ですが、全体として見ると一人ひとりがお互いに支え合う仕組みになっているのです。
そのため、保険会社の審査は契約者のあいだの公平性を保つために行われます。
たとえば、病気やケガをする確率が著しく高い人や死亡する確率が高い人、つまりリスクの高い人が同じ保険料で保険に加入すると、不公平が起きてしまいます。また、全体として保険金を支払う可能性が急に高まると、保険金を支払う財源が不足してしまうため、全員の保険料をもっと高くしないと保険の仕組みが成り立たなくなってしまいます。
このように、保険という加入者がお互いに助け合う仕組みを公平、健全に運営していくため、保険会社が一定の基準を作り、それ以上にリスクが高い人は加入できないようにしています。
■そもそも審査って何をするの?
審査は大きく3つの観点から判定されます。
1.健康状態
身体上のリスクを正確に把握するため、告知や健康診断書の提出などが必要です。
必要な項目は、申込みする保険の種類や保険の大きさ、年齢などによって異なります。
・告知(現在および過去の傷病歴や身長・体重)
・健康診断や人間ドックの結果を提出 または保険会社が指定する医師による診査
また、女性の場合、過去に異常妊娠があったか、現在妊娠しているかどうかも審査の対象項目です。
2.職業
仕事内容によって、環境上のリスク変わるため、勤務先名や職務内容も告知する必要があります。
たとえば、次のようなリスクの高いと判断される職業の人は、加入できないことや、加入できても保険金額が制限される場合があります。
危険な職業の例
・レーサー
・登山家
・アイスホッケー選手
・ラグビー選手
・プロボクサー
・スタントマン
3.道徳的な危険(モラルリスク)
生命保険の不正利用や犯罪を防ぐため、道徳的な観点からも審査が行われます。生命保険協会には、「契約内容登録制度」や「契約内容照会制度」というものがあり、過去の犯罪歴や給付金の不正請求歴などを把握することができます。
・審査結果によっては保険料が上がることも
審査の結果、申込みした保障内容のとおりに契約を引き受けする「無条件」か、リスクが高く契約を引き受けしない「謝絶」かのどちらかだけではありません。
「特別条件」を付けて契約を引き受けするケースもあります。「特別条件」には、通常の保険料より割増保険料となる条件や契約から一定期間は保険金を削減して支払う条件などがあります。「特別条件」が付くことを契約者が承諾すれば加入できます。
「特別条件」は、被保険者のリスクの種類や程度に応じて契約者間の公平性を確保するための仕組みです。
■まとめ
生命保険は誰でも加入できるものではなく、加入するためには保険会社が審査の結果、承諾する必要があります。
一般的に年齢を重ねるほどリスクが高くなるため、保険に加入する意思があるなら、必要な保障額と期間を早めに見極めて、健康状態が良いときに加入したほうがいいでしょう。
昨今では、告知項目などの加入条件が緩和されている保険も数多くありますので、一度審査で加入を断られても他の引受基準を緩和した保険であれば加入できる可能性があります。ただし、加入条件が緩和されているといっても、持病が悪化した場合は加入できない場合があります。
生命保険は誰でもいつでも加入できるものではないことを踏まえて、できるだけ早めに検討することをおすすめします。
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リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。