保険の基礎知識
2021.09.11
生存給付金とは?
掛け捨ての定期保険に加入しているけれど、「保険料が無駄になる点が気になる」、「少しだけ貯蓄もしたい」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そのような方で、とはいっても「貯蓄型の保険は、保険料の負担が大きい」と感じる方には、生存給付金が受け取れる保険が掛け捨ての保険と貯蓄型の保険の中間の選択肢としておすすめです。
本記事では、生存給付金がどのような給付金か、メリット・注意点などを解説しています。
■生存給付金とは?
生存給付金とは、被保険者が契約から3年後や5年後などあらかじめ定められたタイミングで生きていることを条件として受け取れる給付金です。
3年や5年ごとに被保険者が生きていると生存給付金を受け取れるタイプと一定期間手術や入院をしていない場合に受け取れるタイプがあります。
保険商品によっては、健康祝金やお祝い金、ボーナスなどの名前がついている場合もあります。
生存給付金のついた保険に加入するには、通常の定期保険や医療保険に生存給付金を受け取れる特約をオプションでつけるか、生存給付金付定期保険のような生存給付金が初めからセットになっている保険に加入する方法があります。
また、生存給付金を受け取れるタイミングで、あえて受け取らずに据え置きすると、後に生存給付金を受け取った際に、保険会社が定める利息がつきます。
据え置きした生存給付金と利息はいつでも引き出せるため、銀行預金のような側面もあります。据え置きの条件については、保険会社によって異なりますので前もって確認しておくことをおすすめします。
■生存給付金のメリット
たとえば、掛け捨ての定期保険では保険期間中に万が一のことがなかった場合、保険料は戻ってきませんが、生存給付金を特約でつけると一定期間ごとに給付金を受け取れます。
掛け捨ての定期保険や医療保険にも、ちょっとした貯蓄性を備えられる点が生存給付金のメリットです。
「掛け捨ての保険はもったいなく感じるけれど、貯蓄性の高い保険に加入すると、保険料の負担が大きく支払い続けられるかどうか不安な方」にとって中間の選択肢のようなイメージです。
生存給付金付きの定期保険は、終身保険や養老保険のような貯蓄型の保険と比較して、保険料の負担を抑えることができます。
ただし、保険料を抑えた反面、生存時に受け取れる金額も少ないです。
■生存給付金の注意点
・保険料負担が増える
通常の掛け捨て型の保険の保険料と比較して、生存給付金が受け取れることにより保険料の負担が増えます。
・貯蓄性があまりよくない
一般的に、支払った保険料の総額以上の生存給付金は受け取れません。
そのため、生存給付金付の保険で貯蓄をする際には、貯蓄性があまり良くないことが注意点です。
検討のポイントは、生存給付金をつけた場合に増える保険料の差額と、受け取れる生存給付金の金額を比較することが大切です。
・更新で保険料が上がる
また、一定期間ごとに更新がある定期保険に生存給付金をつける場合、更新時には年齢が上がっていることから、同じ保障内容でも保険料の負担が増えます。
生存給付金の金額が保険金の金額に依存する場合(生存給付金は基本保険金額の◯%など)、生存給付金を意識して保険金を高めに設定していると、更新によって家計への負担が大きくなる可能性がある点にも注意が必要です。
■生存給付金を受け取った際の税金について
生存給付金も課税対象になることがあります。
ただし、生存給付金として受け取った全額が課税対象になるわけではありません。
一般的には、生存給付金の受取人は契約者(保険料負担者)となるため、生存給付金ー支払った保険料の総額の差額が所得税の課税対象です。
基本的には、生存給付金として受け取る金額は支払った保険料の総額を上回ることはないため、税金がかかるケースは少ないです。
まれですが、夫が保険料を支払い、妻が生存給付金を受け取るような、保険料を支払った人と生存給付金を受け取る人が異なる場合、贈与税が発生する可能性があります。
贈与税は基礎控除かあり、年間110万円までが非課税です。したがって1年間に贈与した財産の合計額が110万円以下であれば非課税ですが、生存給付金以外の贈与も含めて年間110万円まで、という点に注意が必要です。
生存給付金を据え置きした場合は、いったんは受け取ったという扱いで課税対象となるものの、支払った保険料の方が多い場合は課税されません。前述の生存給付金を受け取る場合と同様に税金がかかるケースは少ないです。
ただし、据え置きした際の利息に関しては所得税の雑所得として課税対象になる点に注意が必要です。
■まとめ
生存給付金とは、保険契約から一定期間が経過したタイミングで被保険者が生存していると受け取れる給付金です。
掛け捨ての定期保険や医療保険にちょっとした貯蓄機能を付けたイメージの保険です。
掛け捨ての定期保険の保険料が無駄になりがちな点が気になる方で、貯蓄型の保険の保険料の負担が大きく加入が難しい方などに中間の選択肢となる保険です。
終身保険や養老保険のような貯蓄型の保険と比較すると、生存給付金付の保険の貯蓄性は一般的に低い点には注意して検討しましょう。
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リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。