著名人・専門家コラム

2023.10.31

保険を売らないFPは信用できる?【住宅FP関根が答える!Vol.75】

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
みなさんはファイナンシャルプランナーの主な収入源が何かご存知ですか。お客様への相談業務、セミナー講師、書籍の執筆からの印税収入、証券外務員といわれる投資信託などの販売手数料、不動産業者との提携における紹介料など多方面に渡りますが、その中でも収益の中心となるのは、生命保険契約における手数料収入になります。

最近では生命保険に加入する必要はないと言われることも多くなってきましたが、依然として生命保険の手数料収入はファイナンシャルプランナーにおける収益の柱になっているのも事実です。ただ最近、気になる動きがあり「私は生命保険を売らないFPです」と名乗り、ファイナンシャルプランナー業をやっている人が目立つようになりました。

ちなみに、私はX(旧Twitter)のプロフィール欄に「保険を売らないFP」ではなく逆の「自信を持って保険を売るFP」と名乗っています。今回のコラムではこの「保険を売らないFP」に関して、私の見解を話したいと思います。

保険を売らないFPの種類

そもそもこの保険を売らないFPというのは大きく分けて2種類のタイプがあります。1つ目は保険を売らずに、個人の相談業務だけで収益を上げようという考え方です。

保険に限らず商品提案が入ると、そこに手数料が発生するため、少なからず手数料目当てに商品提案するFPは存在しています。これは生命保険業界に限らず、どこにでもあると思います。本来Aという商品がお客様にとって適切だと考えても、手数料が高いBという商品を売ってしまう。こういった選択をする人がいるのも事実ですので、こういった提案を嫌い、保険に限らず商品提案を一切せずに相談業務だけに専念するFPがおります。これは私と考え方の根本は違いますが、一つの考え方として正しいと思います。

ただ問題は2つ目のパターンです。ファイナンシャルプランナーの世界には「保険を売らないFP」ではなく、「保険を売りたくても売ることができないFP」がたくさん存在しています。以前の生命保険代理店は、個人事業主として保険代理店に籍だけ置かせてもらえれば、雇用関係になく、出社を一切していなくても、その代理店を通して生命保険を売ることができました。これを業界では「委託型募集人」といいます。

ただこの雇用体系が厳しくなったのは2014年です。金融庁から行われた委託型募集人の適正化によって委託型募集人という雇用体系が廃止されることとなりました。この金融庁から委託型募集人の適正化が発表されて以降は直接雇用といって、従業員と雇用契約書を交わし、正式に雇用される必要が出てしまいました。雇用契約書の内容は一般的な企業と変わらず、毎月の労働時間や休日、残業に関する項目や有給休暇などの記載もあります。現在はコロナの影響もあり、リモートワークも許されていますが、当時は出社義務もありました。この規定の強化により個人で自営業として保険募集を行っていた募集人が、保険募集を行うために雇用体系を築くことができず、多くの募集人が保険の契約を取ることができなくなっていきました。

そして、この規定の強化はそれまで保険募集を行っていた募集人だけではなく、これから自営業でファイナンシャルプランナーとして開業し、保険募集を行いたいと考えている人も大きく影響を受け、保険募集への大きなハードルとなってしまいました。

そのため2014年以降にファイナンシャルプランナーになった人は、しっかりとした雇用体系を結ぶことができる保険代理店がない場合、生命保険の契約を取ることができなくなってしまいました。保険契約を取ることができないファイナンシャルプランナーも、しばらくの間は個人の相談業務のみをおこなっていました。ある時期、その中から「保険を売ることができない」ということを逆手にとって、自分自身をブランディングしようという者が現れてきました。それが「保険を売らないFP」というブランディングです。「保険を売らない」=「商品提案をしない、よりお客さんのニーズに合った提案ができる」とブランディングすることにより「手数料目当ての相談をされるのが心配」という一部の層から一定の支持を得ることになりました。

ただ実際のところは「保険を売らないFP」ではなく「保険を売ることができないFP」なのですが、商品を売る際のブランディングというものは、うまくやった人が勝てる世界です。この当時斬新だった「保険を売らないFP」というブランディングはその後ヒットし、真似する人たちが続出することとなりました。本来は保険を売るFPでも、保険を売らないFPでも、手数料狙いではなく、お客様に寄り添った提案をしていれば何の問題もありません。

ただファイナンシャルプランナーというと生命保険の手数料収入で生計を立てている人が多いのも事実です。またよくある噂として、手数料の高い商品を販売する、本当はいらない商品まで提案するなど、手数料狙いで商品提案をしているファイナンシャルプランナーがいることも事実です。こういった部分に心配をし、悪い印象をもつ人も多かったため、これら保険を売れないFPが、保険を売らないFPと名乗ることにより一定の支持を得ることとなり、それ以降はみんなが真似するようになっていきました。
ちなみに私はお客様にとって必要のない商品を提案することはありませんし、また手数料狙いの商品提案をすることもありません。そのため自信をもって申し上げますが「私は保険を売るFPです」。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

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