著名人・専門家コラム

2022.08.16

親より先に伝えたい人とは?同棲開始と火災保険【FPコラム】

新年度を迎え、私生活にもいろいろ変化の訪れる頃合いとなりました。独り暮らしをやめ、結婚を前提に恋人と同棲生活をスタートさせる人もいるでしょう。また恋人ではなくとも、友人などとルームシェアをする、という生活スタイルも一般化してきました。一方で共同生活にはリスクがあります。もしもの時の火事の話を考えましょう。

親より先に同棲を伝えたいのは「管理会社」

賃貸物件への入居時(賃貸借契約の締結時)に、多くの人は火災保険の保険料を契約・入金します。居住期間が長くなると契約の更新が行われますが、その時に再び火災保険料を契約します。料理の際やタバコ、漏電などで万が一火事が起きた場合も、実損は保険の補償によって賄われ、金銭負担にて生活が苦しくなることはありません(新しい物件探しなどは必要ですが)。

ところで料理中に火災を起こしてしまったのが借主である自分の場合と、親に同居を隠している恋人だった場合、火災保険の補償がまったく異なることは、あまり知られていません。保険補償の対象外が生まれることは、同棲における大きなリスクとなっています。

同居人が起こした火災は補償の対象にならないこともある

火災保険は約款に、誰が起こした火事が対象なのかを記載しています。貸主の起こした火事は当然補償の対象なのですが、問題は「同居人」が起こした場合です。火災保険においては貸主は被保険者とされますが、多くの火災保険では次のような記載がされています。

「被保険者および同物件を生活の根拠としている者」

同棲を始めた相手も生活の根拠なので大丈夫ではないか!と思いがちなのですが、問題はこの生活の根拠、が誰の認定に拠るものなのかという点です。一般的な解釈としては家主(貸主)ですが、代わりに窓口で対応するのは管理会社です。同棲が始まったときのリスクヘッジとして、両親には伝えずとも、管理会社には伝えた方がいいでしょう。万が一に火事が起きて保険適用となった際、同居の事実を管理会社が知っていた場合と知らなかった場合では、状況は大きく異なります

どうやって管理会社に伝えるのか

同居OKの物件は、所定の方法に従い管理会社に電話やメールで連絡するだけで完了です。20代・30代を対象とした賃貸物件は同居を可としている場合も多く、対応があるとすれば書面での提示ぐらいでしょう。これで万が一の場合に生活に著しく影響するのを避けると思えば容易いことです。賃貸借の約款に書いていない場合は、貸主の判断になります。このように賃貸物件を巡る交渉は貸主の印象次第、といったところも大きいもの。もし貸主の居住スペースが近くにある場合は、節度を持って暮らしていた方がいいですね。管理会社の許可を貰ったあとは、家賃や保険料の支払をどうするかといった当人たちの問題になります。

問題は同居NGの物件です。管理会社に報告のしようが無いため、同居人を補償の対象とする方法はありません。なお「同棲」と書いていますが、ルームシェアなども同様です。管理会社は対貸主としても実態把握の義務があるため、ルームシェアをしているなら報告した方がいいでしょう。保険のリスクヘッジとしては、同居NGの物件で一緒に暮らすのは避けたいもの。とはいえ転居もすぐには難しいという場合は、ひとつ方法があります。「火災保険に入ってしまう」ことです。

火災保険は管理会社の指定したものではなくても良い

火災保険は管理会社の指定した商品に入ることが一般的ですが、必ずしも当該の保険で無ければいけないというものではありません。管理会社も契約時に「火災保険はこちらで用意したものいいですか?」という説明をしているはずです。そこで、同居を始めたとき、自発的に火災保険に加入します。すると、もしもの火災などの場合に補償が下りるため、生活への影響といった問題までは発展しなくなります。

実際にインターネットを見ると、多くの火災保険が販売されているのがわかります。安いものでは月々の保険料が数百円代で、最低限の補償内容のものもあります。自分たちの生活スタイルにあったものを選択しましょう。なお、本来の目的である同居人規定がきちんとカバーされているかはしっかり確認するようにしましょう。また管理会社経由の火災保険は一定の加入が見込めるため、割引した保険料が適用されていることがあります。同程度の補償を探してみると、保険料が高くて驚いた経験も出てくると思います。

まとめ

独りで住むと承認を取った物件で、縁あって人と住むのは楽しみである一方、いくつかのリスクを負います。火災保険もそのリスクヘッジのひとつです。自分たちだけで火災保険に加入することも選択肢に入れながら、同居・同棲の準備を進めていきましょう。もちろん人がいて、毎日が明るくなるのはとても素敵なこと。可能な範囲で、準備を進めていきたいものですね。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤崇

FP-MYS代表。ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。(執筆実績はこちら:https://fori.io/takashi-kudo)

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