生活が苦しくなったときに生命保険からお金を借りる「契約者貸付」について【FPコラム】

コロナ禍からの回復途上にあるなかで、一時的に生活費が足りなくなった人も多いでしょう。勤務先が倒産した、リストラになったという話も増えてきました。一カ月持てば安定した給与が想定できるのに、という場合、生命保険のある制度を活用することが出来ます。それが契約者貸付です。メリット・デメリットとともに見ていきましょう。

契約者貸付は生命保険会社がお金を貸付してくれる制度

契約者貸付は保険加入者に対し、生命保険会社がお金を貸してくれる制度です。貸付時点まで加入者が支払っていた終身保険の貯蓄部分が担保になるので、その時の加入者の財務などの新たな審査は行われません。言い換えれば、ある程度の期間において終身保険に加入している人には100%貸付は行われる一方で、終身保険に加入していなければ後日どれだけの収入見込みがあろうと、前年度に所得があろうと、貸付は行われない性格を持ったものです。

利率はほかの貸付手段から見て高いのか低いのか

保険会社にもよりますが、利率は年5%前後。会社の融資である相場の1-2%よりは高いですが、いわゆるカードローンの10%前後よりは圧倒的に低いものです。カードローンに手を出すくらいなら、まず契約者貸付について詳しく調べ、利用するようにしましょう。そして、この制度をお勧めするもうひとつの理由は、返済請求が無いことです。

返済できないとどうなるのか

当然ながら貸付のため、返済前提ではあります。ところが契約者貸付は借りてから1-2カ月が経過しても、保険会社から返済請求が来ることは基本ありません。もし返済できない場合は、担保としている貯蓄性保険の貯蓄部分が充当されます。生活苦で借入をする場合、最も苦しいのは取り立ての有無を問わず「返さなければいけないというプレッシャー」です。理想をいえば終身保険の保障(もしくは解約返戻金)が無いことは取るべき策では無いのですが、老後も現在のピンチを乗り越えなければ始まりません。繰り返しになりますが、カードローンなどに手を出すより先に、まず検討するようにしましょう。

借りたあとの保険は解約になるのか

契約者貸付を利用する人にも意外に知られていませんが(それだけ切羽詰まっているということでしょうか)、貸付を利用したからといって当該終身保険の契約は何も変わりません。貸付をした翌月も変わらず保険料支払が継続される一方で、何かがあった場合は通常通りの保障が行われます。あくまで貯蓄部分を貸付に充当する「だけ」です。

とはいえこれまで積み重ねてきたお金を担保にする点はデメリットだと思います。節約できるお金や、ハイリスクの投資の対象に契約者貸付をすることは絶対に進めません。そのお金は乗り越えるのに本当に必要なのかと、いったん立ち止まり考えたうえで、利用するようにしましょう。

生活が厳しいとき、生命保険はすべて解約するべきか

さて、ここからは生活が苦しいときに、生命保険をどのように考えるかという話です。生活が苦しいと日々のコストを最小限まで削減することが求められます。生命保険に関しては、その保険が何を保障するものかで考えていきましょう。

医療保険

生活が苦しいときに突然の病気やケガがあると、多額の医療費がかかり、より生活が苦しくなります。そのリスクを軽減する医療保険は解約しないことを強くお勧めします。ただ、保障内容の見直しは必須です。特に年齢の若い場合は、最低限の保障に変え、保険料負担を軽減した状態で今を乗り切る、という方向性にシフトしましょう。

終身保険

今回の契約者貸付の元でもある終身保険ですが、やはり現在苦しい際の優先順位は低くせざるを得ないと思います。現状が挽回してから老後の資金を貯める方法を探しましょう。ただ、難しいのは終身保険の保障(解約返戻金)で子どもの大学進学を想定している場合。後から挽回できたから当初のライフプランに戻せない状況の場合です。この場合は話が変わり、何とか工面してでも保険料を支払い続けるという選択肢を選ぶのは仕方ありません。本人や家族と話し合って結論を出していきましょう。

学資保険や自動車保険など

そのほかの保険についてはどうでしょうか。学資保険は子どもが関わってくるため、なかなか削減対象とは出来ないもの。自動車保険は車に乗る頻度が少なければ削減対象ですが、多い場合は医療保険と同じく日々のリスクに対応できなくなってしまうため、注意が必要です(なお、よく自賠責保険に入っているからいいや、という話を聞きますが、自賠責と任意保険は両方必要です。保障内容を確認しましょう)。

さいごに

「今が雨でも、必ず晴れ間がやってくる」と昔から言われています。その時は傘を差して雨が過ぎるのを待つのも大切です。ただ、医療保険などのリスクはまた別のものなので、苦しいストレスに対し衝動的な解約をする前に、専門家などに相談をすることも大切です。その理由がこの2-3年世の中を暗くし続けたコロナだとしたら、少しずつ明るくなってくることは間違いありません。もう少しの辛抱ですね。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER'S PROFILE
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。
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