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2024.01.12

年収と喫煙と運動習慣【住宅FP関根が答える!Vol.84】

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。年収が高くない人ほど喫煙率が高く、運動習慣がないという話を聞くことがあります。喫煙が健康に悪影響を及ぼすことは有名な話で、身体へさまざまな健康リスクを引き起こすことが科学的に証明されています。本日はこういった喫煙や運動習慣、それに連動する収入の関係についてお話していきます。 

タバコには発がん性物質が多く含まれており、その煙は呼吸器系への影響も大きいといわれています。タバコの煙にはニコチンや一酸化炭素、アンモニア、アセトアルデヒド、ベンゼンなどの有害な化学物質が含まれており、それにより気管支や肺の組織を傷つけ、肺炎や気管支炎など、呼吸器系の疾患のリスクを高めるとされています。また高血圧、動脈硬化、心臓病など、心血管系の疾患のリスクを増加させるとされています。

妊婦が喫煙すると早産、低体重児、突然死症候群などのリスクが増し、胎児の発育や健康に悪影響を与える可能性があります。口腔内においても歯周病の進行を促進し、歯肉の退縮や歯の損傷を引き起こす可能性が指摘されています。タバコは全面的に身体に良くないと分かっていますが、吸われる人はいます。そして、それは年収につながっていきます。

厚生労働省が発表している「国民健康・栄養調査」によると、年収200万円未満の男性の喫煙率は34.3%、女性13.7%となっており、年収400万円以上600万円未満で男性29.4%、女性6.6%、年収600万円以上で男性27.3%、女性6.5%となっており、年収が高くない人の方が喫煙率は高いことが分かります。

※参考:平成30年 国民健康・栄養調査結果の概要|厚生労働省

ここで大変な問題なのは、格差社会に拍車がかかるということです。今の日本は所得格差が激しいと言われています。相対的貧困率という言葉があります。日本における所得の中央値の半分に届かない人のことをいいます。日本の相対的貧困率は世界の15位とかなり高く、世界的に見ても格差が進んでいる状況です。この格差社会が喫煙によって加速するという構図もささやかれています。

また、喫煙率は子どもの学歴にも影響しています。東北大学大学院の竹内准教授は、加熱式たばこによる受動喫煙について、20~69歳の男女約5000人を2017年~2020年にかけて追跡しています。

  1. 中学・高校卒業者
  2. 専門学校・短大・高専卒
  3. 大学・大学院卒

以上の3つのタイプの教育歴に分けて集計しました。

1番の教育歴が短いグループ(中学/高校卒)は、3番の教育歴の長いグループ(大学/大学院卒)に比べて、加熱式たばこの受動喫煙にさらされるリスクが約60%高いことが分かったと発表しています。

※参考URL:https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20220414_02web_tobacco.pdf

教育歴が短い子どもの親は、教育歴が長い子どもの親よりも、タバコを吸っている率が高いということになります。これをタバコ目線で考えると以下の傾向があります。

  • 年収が高くないと、喫煙率が高い
  • 家でもタバコを吸っている
  • 子どもや妊婦が受動喫煙をする

そういった家庭では、データ上、教育歴が短くなる傾向がある

さらに問題なのは、教育歴が短くなると年収が低くなる傾向にあり、年収が高くない職場では喫煙率が高いため、本人が喫煙をしていなくても受動喫煙をする可能性があります。ちなみに、厚生労働省発表の受動喫煙で亡くなっている人の数は、日本において年間1万5千人ほどいます。

※参考:喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書|厚生労働省

さらに運動習慣と年収も関係があるとされています。年収が高い人の方が、年収が高くない人に比べて運動習慣がついているというアンケート調査もあります。

また運動とメンタルの関係は比例しており、年収が高い人は運動習慣があるため、それにより良いメンタルで仕事に臨んでいくことができています。これは運動をすると筋肉中に「PGC-1α1」というタンパク質が発生するのですが、このたんぱく質はストレスホルモンを無害化してくれる働きがあります。

よく「身体を動かすとスッキリする」と言いますが、それは気分のリフレッシュだけではなく、事実として、たんぱく質の働きによりストレスが減ったということになります。そしてこのたんぱく質は、筋肉の量に比例して多くなることがわかっています。つまり、継続的に筋トレをして筋肉量が増えると、健康な身体になるだけではなく、ストレス耐性も高まっていきます。

また運動をすると、心拍数が高まります。これにより、日常的に心拍数の増加を経験することにより、ドキドキ感に慣れさせることができるといわれています。仕事で大人数の前でプレゼンをすることもあるかと思います。本来なら緊張してしまうところですが、こういったことも普段から心拍数を上げる習慣があると緊張への耐性ができると考えられています。

ではお金を稼いでいる人の傾向とはどういったところなのでしょうか。一般的にいわれているのは高学歴な人が高収入になりやすいということです。ただ、そのほかに別の要素も必要といわれているのですが、それが自制心です。自制心があるから、タバコを吸わない、運動習慣がある、そして自制心があるから、高年収になりやすいと考えられています。

ここで有名な、「マシュマロ・テスト」です。有名ですが、もう一度こちらのテストに関して解説いたします。「マシュマロ・テスト」はスタンフォード大学の心理学者であるウォルター・ミシェルさんが、50年間(のべ600人参加)にわたって実施した大規模な実験です。

保育園の4歳の園児たちに、「マシュマロ1個を今すぐもらう」「最大で20分待ってマシュマロを2個もらう」どちらかを選択させました。その後数十年に亘り、追跡調査をしたところ、「マシュマロ2個」を選んだ子は、大人になった時に比較的多くの年収を得ることができました。

ウォルター・ミシェルは、マシュマロを2個取った人たちを指して「長期的目標の追求と、達成が得意で、危険な薬物はあまり使わず、すでに高い教育水準に達し、肥満指数が大幅に低かった」としています。つまり自制心こそが、その後の人生の「成功」の礎となると定義しています。今からでも意識してみてはいかがでしょうか。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

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