生命保険の選び方
2022.04.08
40代男性・女性の医療保険の必要性とは?選び方も解説します!【FP監修】
40代の方で、医療保険を検討される方もいらっしゃるかと思います。
住宅ローンや子どもの教育費などを考えたときに、急な医療費の支出が原因で家計に大きなダメージを与えるのは避けたいですよね。
本記事では、40代の方向けに、医療保険の必要性と選び方を解説します。
医療費の不安を解消するために、参考にしてください。
40代の男性・女性の医療保険の必要性
40代といえば、結婚している方であれば、マイホームを購入していて住宅ローンの支払いがある、子どもの教育資金がまだまだ必要な時期である、など、何かとお金がかかる世代です。
加えて、病気やケガになるリスクが高くなる世代でもあります。
つまり、毎月一定額の支出や貯蓄が求められる世代であるにも関わらず、病気やケガの医療費に備える必要がある世代、と言えます。
そのように考えると、基本的には医療保険が必要、と考えられます。
病気やケガが原因で、突然、数十万円単位の医療費の支出が発生するリスクを考えると、医療保険で備えておきたいところです。
とはいえ、40代となり、収入が増えたことで、十分な貯蓄がある人にとっては医療保険は不要です。
40代の医療保険の必要性を考えるポイントは「急な医療費の支出があった際に毎月の必要なお金(住宅ローンの返済や子どもの教育費の積立)を継続できるか」「医療費の支出に備えるための貯蓄があるか」の2点です。
仮に、十分な貯蓄がある方でも、医療費として使用した場合に、ライフプランに影響がある場合は、医療保険で備える必要性があると言えます。
医療保険の選び方
40代の方の医療保険の選び方としては以下の4点を意識してください
- 入院給付金額を決める
- 保険期間を決める
- 保障範囲・特約を決める
- 保険料の負担が問題ないか確認する
入院給付金額を決める
医療保険のメインの保障である入院給付金についてです。
入院給付金には「入院日数に応じて給付金を受け取るタイプ」「1回の入院に対して定額の給付金を受け取るタイプ」の2つがあります。
どちらが向いているかは人によるため、まずはどちらのタイプにするか、ご検討ください。
入院日数に応じて給付金を受け取るタイプの場合、5,000円・10,000円といった金額から選択します。
日額を設定する際は、差額ベッド代を意識しましょう。
差額ベッド代とは、入院した際に、個室や2〜4人部屋など、本人の希望で大部屋よりも小さい部屋で治療を受けたい場合に発生する料金です。
差額ベッド代は健康保険の対象外の費用のため、全額自己負担です。
入院日数に応じて、差額ベッド代が発生するため、特に個室を希望する方は10,000円など多めに設定した方が良いでしょう。
大部屋でも問題ない方は5,000円でも十分な保障を得られます。
1回の入院に対して定額の給付金を受け取るタイプの場合、10万円・20万円・30万円などの金額から選択します。
現代では、入院日数が短期化している傾向があり、全体平均は約16日、40代の平均は約13日です。
また、入院一回あたりの自己負担額の平均は20.8万円です。
このように考えると、入院日数が短期化している現状、入院日数に応じて給付金を受け取れるタイプの医療保険では十分な保障が得られない可能性が考えられます。
入院日数の短期化、という点に着目すると、1回の入院に対して定額を受け取れる方が保障が手厚いかもしれません。
ただし、入院が長期化した際は保障が不十分になる可能性が高い点には注意が必要です。
以上を踏まえて、どちらのタイプにするか、どの程度の給付金額に設定するか、お考えください。
保険期間を決める
次に保険期間についてです。
保険期間には一定期間を保障する「定期タイプ」と一生涯を保障する「終身タイプ」があります。
年齢の若いうちは終身の方が保険料が安いですが、病気リスクの高まる40代で同じ保障内容で契約する場合、定期タイプの方が月々の保険料は安いことが多いです。
保険期間を決める際のポイントは「一生涯の医療保障を希望するか」と「保険料の負担」です。
一生涯の医療保障を希望する場合、終身タイプがおすすめです。
定期タイプでも80〜90歳くらいまで更新が可能ですが、それ以上は更新できない商品が多いからです。
人生100年時代を考えると、一生涯の保障を得られるとは言い難い現状です。
また、一生涯の保障を希望していない場合は、定期タイプに加入して保険料の負担を抑えた方が良いでしょう。
終身タイプを希望する方で、住宅ローンや子どもの教育費の準備などで、保険料を安くしたい場合、定期タイプがおすすめです。
医療保障の確保のみを優先し、他に資金を回す必要があるからです。
一方で、資金に余裕がある方であれば、更新による保険料上昇のリスクがない終身タイプに加入することをおすすめします。
保障範囲・特約を決める
医療保険の保障範囲や特約を決めます。
40代になると、がんや脳卒中、心疾患の三大疾病や生活習慣病などのリスクが高くなるため、より手厚い保障を検討する必要があります。
具体的には、特約を付加してさまざまな状況に対応できるようにする、別の保険にも加入する、という手段です。
おすすめの手段としては「がん特約」「三大疾病特約」「生活習慣病特約」「女性疾病特約」といった、既存の医療保険の保障内容を手厚くする特約を付加することです。
がん特約では、がんと診断された際に一時金が支払われるものや、がんの治療のために入院する場合に、入院給付金の支払限度日数を無制限にする、といった保障を得られます。
女性であれば、女性疾病特約を付加すると、乳がんや子宮がんなど、女性特有の病気に対する備えを手厚くしつつ、乳がん治療後の乳房再建術といった、通常の医療保険では保障対象外の費用も保障対象となる商品もあるため、おすすめです。
また、これらの特約はがん保険など、単体の保険が存在するものもあるため、別の保険に新しく加入する選択肢と合わせてご検討ください。
その他、おすすめの特約としては「先進医療特約」や「保険料払込免除特約」があります。
保険料の負担が問題ないか確認する
最後に、保険料の負担が問題ないか確認しましょう。
保険料の支払いが継続できないと、保険契約が解除されてしまい、保障を得られなくなる危険性があります。
日々の生活費や住宅ローンの返済や、子どもの教育費の積立などの支出と合わせて、医療保険の保険料の負担が問題ない範囲内かどうかご確認ください。
まとめ
40代の男性・女性は住宅ローンの返済や子どもの教育費の準備など、支出が多い世代です。
そのため、急な医療費の支出が家計に大きなダメージを与えないように、医療費の備えが重要です。
このような点から、40代には医療保険が必要、と言えます。
医療保険を選ぶ際は、40代になりリスクが高くなるがんや生活習慣病などを考慮した上で、十分な保障を得られるようにしましょう。
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。日本FP協会AFP認定者。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。