生命保険の選び方
2024.04.18
保険は安い方がいいの?安い保険のメリット、デメリットについて解説!【FP監修】
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。
保険会社や商品によって似た保障内容でも保険料が違うことがあります。保険料が安い方が経済的な負担は抑えられますが、安い保険には問題があるのではないかと不安を感じる人もいるかもしれません。
この記事では、保険料が安くなる理由や安い保険のメリット・デメリットを解説します。ぜひ保険選びの参考にしてみてください。
保険料が決まる仕組み
保険料はいくつかの要素をもとに保険会社が決定します。ここでは特に保険料を決める要素として大きいものを5つ紹介します。
- 貯蓄性の有無
- 保険期間
- 保障内容
- 加入者の属性や健康状態など
- 保険会社・商品
貯蓄性の有無
貯蓄性がある保険とは、解約時や満期時に解約返戻金や満期保険金が受け取れる保険です。こうした保険は保障を受けながら同時に資産形成ができますが、貯蓄性のない掛け捨て型の保険と比べると保険料が高い傾向にあります。
同じ保障内容であれば、掛け捨て型保険の方が保険料は安く抑えられるでしょう。
保険期間
保険期間で見ると、保険期間に定めのある定期保険と一生涯を保障する終身保険の大きく2つに分けられます。同じ保障内容の場合、定期保険の方が保険料が安いのが一般的です。
ただし、定期保険は保険期間終了後、更新のたびに保険料が上がることに注意が必要です。終身保険は加入以降の保険料は一定であることが多いため、長い目で見ると保険料の総額は終身保険の方が安くなることもあります。
保障内容
保障内容が充実しているほど、保険料は高くなります。たとえば、死亡保険金が500万円の商品と1,000万円の商品では、500万円の商品が保険料はより安く、1,000万円がより高いのが一般的です。また、主契約に加えて特約を付加すると、その分だけ保険料は高くなります。
とはいえ、保険料の安さを重視してもしものときの保障が不十分だと自分やのこされた家族が経済的に困ってしまうかもしれません。保険は保障と保険料のバランスを考えて選ぶとよいでしょう。
加入者
保険の種類や保障内容が同じでも、加入者によって保険料は異なります。原則として、年齢が高いほど保険料が高く、持病や病歴がなく健康な人ほど保険料は安い傾向があります。
加入者によって保険料が異なる理由は、保険加入者同士の公平性を保つためです。保険会社では統計データをもとに年齢や性別、病歴などと保険金を支給する確率を算出して、保険料を決めています。その結果、保険金や給付金を受け取る確率が低い若い人や健康な人は保険料が安く、反対に年齢が高い人や持病がある人などは保険料が高くなりやすいのです。
保険会社・商品
保険加入者が払う保険料には、保険会社が事業を運営するためのコストや商品の営業にかかる経費なども含まれています。似た商品でも保険会社によって保険料が異なるのはこのためです。
たとえば、インターネット上で契約申込などができるネット保険は、従来の対面型の保険会社と比べると、店舗や営業担当者の経費が抑えられています。そのため、似た保障内容の商品であればネット保険の方が保険料は安い傾向にあります。
安い保険のメリット・デメリット
安い保険の場合、メリットはもちろん、保険料が高い保険と比較したデメリットが気になる人は多いかもしれません。安い保険を選ぶ前にメリットとデメリットを確認してみましょう。
デメリット
安い保険のデメリットは、保険料が高い保険と比べると保障が十分でない可能性があることです。基本的には保険料が高いほど保障は充実するため、もしもの時に大きな安心が得られます。
たとえば、小さな子どもがいる家庭の場合、万が一の時の保障が2,000万円と5,000万円では、のこされた家族への経済的な影響は同じではありません。保険料を安く抑えるために、必要な保障まで削ってしまわないよう注意しましょう。
メリット
安い保険は、なんといっても保険料の負担が抑えられる点がメリットです。社会人になったばかりの若い人や、育児にお金がかかる人でも、保険料を抑えながらもしもの時に備えられるメリットは大きいといえるでしょう。
また、保険料を安く抑えることでお金に余裕ができれば投資や貯蓄、自己投資などもできます。
保険料を安く抑えられる保険の選び方
必要な保障を受けつつ、保険料を安く抑えるためには以下の3つのポイントに注意することが大切です。
- 最低限の保障にする
- 掛け捨て型を選び、不要な特約は契約しない
- ネット保険の利用を検討する
それぞれ詳しく解説します。
最低限の保障にする
まずは保険に加入する目的を明確にし、必要な保障を洗い出しましょう。例として、自分にもしものことがあった時の備えとして死亡保険を検討する場合で考えてみます。この場合、のこされた家族の生活費や子どもの教育費、葬儀費用を用意すべきだと考えられますが、すべてを保険でカバーする必要はありません。
もしもの時に頼れるものとしては貯蓄や配偶者の収入、遺族年金などの公的保障などがあります。その結果、保険で用意すべき金額はそれほど多くないと思う人もいるかもしれません。
掛け捨て型を選び、特約はできるだけ契約しない
必要な保障額がわかったら、次は保険の種類を考えましょう。保険料を安くしたい場合、基本的には掛け捨て型の保険がおすすめです。また、子どもが小さい間だけ保険で備えたい場合などは定期保険を活用すると、さらに保険料を抑えやすいでしょう。
ただし、年齢が上がるほど保険を使う可能性が高くなることと、特に年齢が低いうちは保険料が安いことが多いことを考えると、あえて終身型を選ぶのもひとつの考え方です。年齢が上がるほど高い保険料が設定されているため、長い目で見たときに保険料を節約できる可能性があります。
ネット保険の利用を検討する
保険料を安く抑えるためにネット保険を利用するのもおすすめです。一般的に同じような保障内容であれば、営業担当者を通じて対面で販売される保険よりもネット保険の方が安い保険料が設定されていることが多いでしょう。
ただし、ネット保険は保険選びや申込手続きも自分でする必要があるなど、対面型の保険とは異なる点もあります。また、保険の種類によってはネット保険で取り扱いがなかったり、選択肢が少なかったりすることもあるため、注意が必要です。
まとめ
掛け捨て型や定期タイプの保険を選んだり、保障額を少なくしたりすることで保険料は安くできます。また、ネット保険のように保険会社が経費を抑えることで保険料を安くしている場合もあるため、安い保険だからといって不安に思う必要はないでしょう。
自分に必要な保障をカバーできていれば、保険料は安い方が家計への負担も抑えられます。ただし、保険料を安く抑えるために、必要な保障を削らないようにしましょう。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。