保険の基礎知識

2021.09.20

生命保険は金融商品のひとつ。

金融機関というと皆さまの中には銀行証券というイメージあるかもしれませんが、実際には、生命保険会社、損害保険会社なども金融機関に含まれます。つまり、生命保険会社や損害保険会社が取り扱っている保険も金融商品です。
金融の意味合いにはいろいろありますが、一般的には、「あるところから、あるところへお金を融通すること」という意味です。
保険は相互扶助の精神で、皆で集めたお金からお金が必要になった人にお金を融通します。まさに金融です。
それでは、生命保険の金融商品としての仕組、機能を説明します。

生命保険の金融商品としてのしくみ

生命保険はたくさんの保険契約者が保険料を負担し、それを資金にしてその中で死亡した人や病気になった人に保険金を支払います。みんなでお金を出し合い、必要な人を助けるという、相互扶助の精神によって成り立っているといえます。
一方で、近代の生命保険は金融商品として緻密に設計をされています。
その点を、掘り下げてみます。

まずは、生命保険の仕組みはどのようになっているのかをみてみましょう。生命保険は、主に3つの原則が基本になってつくられています。
 

1.収支相等の原則

収支相当の原則とは、保険料が決定される基本的な考え方で、お客さまから集めた保険料の総額(収入)と、保険会社が支払いする保険金の総額(支出)と等しくなることです。
計算式は、
保険金 × 死亡者数 = 保険料 × 契約者数
です。

たとえば、ある1,000人で構成されているグループがあり、下記の条件でお金(保険金)を支払うことになりました。
1人死亡するごとに100万円(保険金)を支払う。
・このグループの死亡率は1%です。
 
上記ケースでの死亡による保険金として支払い見込額は、1,000万円(100万×10人)です。
この場合、誰が10人に該当するかは予測できませんが、あらかじめ1人あたり負担しておくべき保険料は1,000万円÷1,000人1人1万円です。
つまり、上記の計算式に当てはめると、
保険金(100万円)× 死亡者数(10人) = 保険料(1万円)× 契約者数(1,000人)
です。
 

2.大数の法則

大数の法則とは、生命保険の死亡者数などの発生確率を導き出す確率論や統計学的な考え方です。
たとえば、サイコロを振って1の目が出るかは偶然ですが、振る回数が増えれば増えるほどその確率は6分の1に近づいていきます。このように数多く繰り返すことによって確率が一定値に近づくことを大数の法則といいます。
生命保険においても、死亡する確率や入院する確率は、多くのデータを分析することによって一定の確率が予測できるようになるわけです。
 

3.給付反対給付均等の原則

死亡する確率のデータでは、年齢が上がれば死亡の確率は上がり、また男性と女性では死亡率は異なります。
つまり、すべての人が同じ保険料を負担することになると不公平が生じるわけです。
そのため、生命保険会社では、死亡率を年齢別・男女別に計算した生命表をもとに、負担する保険料が公平になるように設定されています。
この原則を給付反対給付均等の原則といいます。
 

生命保険と他の金融商品との比較

他の金融商品と生命保険と比較してみます。
保険の金融商品としての特徴は小さなかけ金で、大きなお金を準備できる(レバレッジが効く)という点です。

預貯金と生命保険

例)
Aさん:30歳から毎年50万円をコツコツ預貯金にしている ※ここでは、利息はゼロで計算します。 
Bさん:30歳から毎月1万円(死亡保険金額1,000万円)で60歳までの定期保険に加入している

このAさんとBさんが40歳で死亡した場合、65歳で死亡した場合を比較してみます。

 
40歳で死亡した場合にのこせるお金

・預貯金   500万円(負担したお金は、年50万円×10年=500万円)
・生命保険  1,000万円(負担した保険料の総額は120万円=1万円×12カ月×10年)
             
のこせるお金は、生命保険1,000万円>預貯金500万円です。
 

65歳で死亡した場合にのこせるお金

・預貯金  1,750万円(年50万円×35年=1,750万円)
・生命保険 0円(負担した保険料の総額は360万円=1万円×12カ月×30年) 

のこせるお金は、預貯金1,750万>生命保険0円です。
 
今回は、定期保険で比較してみましたが、保険を契約したあと保険期間中に死亡したケースでは、預貯金よりも生命保険のほうが万一の備えや支えになることがわかります。逆に死亡することなく、長生きした場合は預貯金のほうがいい結果になります。
これは単純比較で預金が良いとか、保険が良いとかいう話ではありません。

預貯金は、すぐに使うお金や緊急的な予備資金を運用する(今は低金利でほとんどふえませんが)金融商品です。
保険は、預貯金ではすぐに用意ができないような「万が一」の際に大きなお金を準備できる金融商品です。

預貯金は△(三角)、保険は□(四角)ともよく表現されます。それぞれメリット、デメリットがあるため、その目的もちがいます。
目的も性質もまったく異なる金融商品を比べてどっちが良いか、悪いかを議論することはあまり得策とは言えません。保険の見直しやライフプランの設計の際はこのあたりを改めて確認して目的に応じて預貯金と保険の使い分けをするのがよいでしょう。

生命保険と投資信託

投資信託は、「お金をふやす」「インフレ対策」「将来の資産形成」など資産運用を目的として購入するものですね。保険や預貯金とは目的がまったく違うと言えるでしょう。

生命保険の中にも変額保険と呼ばれる変額終身保険変額保険(有期型)変額個人年金など、投資信託の仕組みを使って、増やしながら、万が一の死亡保障に備えるタイプの商品もあります。保険としての機能もついている分、間接的な費用が投資信託よりもかかるため、当然運用の効率は悪くなります。
このように、生命保険と投資信託は単純に「運用利回り」だけで比較するべきではないといえます。

まとめ

生命保険は、投資信託や預貯金などの金融商品に含まれます。
投資信託や預貯金と比べると保険は複雑で、とっつきにくいイメージがあるかもしれませんが、「小さな掛け金で大きなお金」を準備できる金融商品としてイメージすればわかりやすいかと思います。

それぞれの金融商品に、メリットやデメリットがあります。大切なことは一部の機能だけを見て安易に判断しないことです。
ライフプランやライフステージ、貯蓄状況によっても、どの金融商品が自分に合っているのかはさまざまです。これを機会に自分の持っている金融商品が本当に自分のニーズに合っているのか、確認してみてはいかがでしょうか。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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