保険の基礎知識

2023.04.28

保険契約の失効とは? 失効したらもとに戻せる?【FP監修】

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。

忙しかったり、銀行口座などの残高不足に気づかなかったりなどの理由で、保険料の支払いを忘れてしまうことはだれにでも起こる可能性があります。しかし、保険料の支払いを忘れると保険契約が失効し、保障が受けられない状態になることもあるため注意が必要です。

この記事では、保険契約が失効してしまう条件や失効した契約をもとに戻す方法、失効しても給付金などが受け取れるケースなどを紹介します。

保険契約の失効とは

保険料を支払うのを忘れてしまうと、保険契約が失効するかもしれません。ここでは保険契約の失効と保険料の支払期日や払込猶予期間、自動振替貸付との関係など、契約が失効する条件を解説します。

保険料の支払期日を過ぎてしまったら保険契約はどうなる?

保険料を支払わないと、保険契約が失効する可能性があります。ただし、期日を過ぎてしまったからといってただちに保険契約が効力を失うわけではありません。一般的には、払込期日の翌日から1〜2カ月程度の期間が保険料の払込猶予期間とされています。期日に間に合わなくても、払込猶予期間内に保険料の支払いができれば保険契約が失効することはないでしょう。

なお、保険会社によっては払込猶予期間の代わりに解除予告期間を設けている場合もあります。その場合、解除予告期間内に保険料の納付ができれば保険契約は失効しません。

しかし、保険料が未払いのまま払込猶予期間または解除予告期間を過ぎてしまうと保険契約が失効する可能性は高くなります。特に解除予告期間を設けている保険会社の場合、期間を過ぎると自動的に保険契約が解除となるため、注意が必要です。

保険料の払込猶予期間を過ぎてしまった場合

保険料の払込み猶予期間内に保険料の支払いがない場合、自動振替貸付の適用になるかどうかで保険契約の取り扱いが変わります。

自動振替貸付とは、解約返戻金の一部を自動的に保険料に充当することで契約を継続させる制度です。貸付という名前の通り、保険契約者は保険料相当額を借りている状態になるため、いずれ元本および利息を返済しなければいけません。もし返済されないまま保険が満期を迎えるなどした場合は、満期保険金や解約返戻金などから元本や利息が差し引かれます。

一方、保険の種類によっては自動振替貸付が適用されません。自動振替貸付が適用にならない場合は、払込猶予期間を過ぎても保険料が払われなかった保険契約は失効します。

保険契約の復活とは

保険料の納付忘れなどで失効してしまった保険契約は、復活の手続きをすることでもとに戻せる場合があります。契約を復活させられる条件や注意点を見てみましょう。

保険契約を復活できる条件

失効してしまった保険契約は、所定の条件を満たす場合に復活(保険会社によっては失効取消)が可能です。条件は保険会社によって異なりますが、ここでは一般的に保険契約が復活できる条件を紹介します。

ただし、なかには復活を取り扱わない保険会社や復活ができない商品もあります。詳しい復活の条件については、必ず契約している保険会社などへ確認してください。

以下の条件に当てはまる場合は、保険契約を復活できる可能性があります。

  • 保険契約の復活ができる保険会社・商品である
  • 保険契約失効から3年以内
  • 失効から現在までの保険料(場合によっては保険料+利息)を支払った・支払う予定である
  • あらためて健康状態の告知などを行い、保険会社が加入を認めている

保険契約を復活する際の注意点

保険契約を復活できたとしても失効していた期間中のケガや病気などは保障されません。ただし、失効する前に入院や手術などをした場合は、給付金や保険金などは請求できることがあります。詳しくはこの記事の「契約が失効しても給付金を請求できるケース」の項目をご覧ください。

また、健康状態によっては保険契約の復活ができない場合もあります。失効期間中に病気やケガで入院した場合などは健康状態の告知項目に該当する可能性があるため、特に注意が必要です。一方で、失効の期間が短い場合は、告知を不要としている保険会社もあります。保険の復活を希望する場合は、できるだけ早く手続きすることをおすすめします。

復活させずに解約することも可能

失効した保険契約を復活させられる期間内であっても、保険会社に連絡することで解約できます。解約するメリットは、解約返戻金が受け取れることです。保険契約が失効しても、解約返戻金を受け取る権利は消滅しません。ただし、契約期間が短い場合などは解約返戻金がない場合もあります。また、一度解約した保険契約の復活はできません。

保険契約を復活させる場合・解約する場合にかかわらず、契約失効に気づいたら早めに保険会社へ連絡するほうがよいでしょう。

契約が失効しても給付金を請求できるケース

保険契約を復活させたとしても、原則として契約が失効した日から復活するまでの期間内に起きたトラブルは保障されません。給付金や保険金を受け取れません。ただし、契約が失効していても給付金などが支払われるケースもあります。

失効前に支払事由が発生した場合

保険契約が失効する前の入院や手術などの支払事由が発生した場合、保険契約の復活をしなくても給付金や保険金を請求できる可能性があります。保険会社の規定や保険料支払い状況などによって対応が変わるため、詳しくは保険会社へ問い合わせてみましょう。

失効後に支払事由が発生した場合

契約失効後、復活したかどうかにかかわらず、保険契約が失効したあとに発生したトラブルなどは保障が受けられないのが原則です。ただし、一部の保険会社では所定の手続きをすることで保険契約が失効した時点にさかのぼって保険契約が有効だったとみなす場合もあります。

この場合、失効取消期限までに失効取消の手続きをした場合に限り、失効後の入院や手術などに対しても給付金などを請求できます。しかし、失効取消期限までに手続きしなかった場合は給付金請求ができなくなるため注意しましょう。

まとめ

保険料の支払いを忘れると保険契約が失効することがあります。保険契約が失効すると、原則として失効した日以降は保障が受けられません。また、失効した保険契約は復活させられる可能性がありますが、健康状態によっては復活できないこともあります。

うっかり保険契約を失効させてしまわないように注意することが大切です。しかし、万が一失効してしまった場合は、できるだけ早く保険会社に連絡し、復活または解約の手続きをしましょう。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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