保険の基礎知識
2022.09.20
ネット保険はどんな人におすすめ?対面販売との比較から解説【FP監修】
インターネットから加入できるネット保険は同じ保障内容でも対面型よりも保険料が安いと聞き、関心を持っている人も多いのではないでしょうか。しかし、初めてネット保険を利用する人のなかにはサービス内容などに不安がある人もいるかもしれません。
そこでこの記事では、ネット保険のメリット・デメリット、どのような人におすすめかを対面販売と比較しながら解説します。
ネット保険を利用する際の参考にしてください。
ネット保険と対面販売の保険の違いとは
ネット保険は店舗を持たず、保険の見積もりや申し込み、保険金請求などの手続きがオンラインで完結する保険です。一方、従来型の保険は対面販売が基本です。保険会社の営業担当者と自宅や職場、カフェなどで会い、保険の相談にのってもらい、気に入った保険があれば契約します。最近ではオンラインで面談が可能な場合もありますが、基本的には営業担当者と直接顔を合わせ、書類のやり取りを通じて加入申し込みをします。また、加入後の住所変更や保険金請求などでも、営業担当者から事務手続きのフォローを受けられます。
ネット保険は、パソコンやスマートフォンを使い、保険商品の比較検討から申し込み・各種事務手続き・保険金請求まで、すべてがインターネット上で完結するため、保険会社の営業担当者と会う必要はありません。
ネット保険のメリット
ネット保険のメリットには以下のような点が挙げられます。
- 手頃な保険料
- 時間や場所に縛られない
- 保障内容がシンプルでわかりやすい保険を取り扱っている
それぞれのポイントについて対面販売と比較しながら詳しく見ていきます。
手頃な保険料
保険料の安さはネット保険の最大のメリットといえるでしょう。対面型の保険よりも保険料を抑えられる理由は、低い運営コストにあります。ネット保険には店舗がなく、営業担当者も少ないため、人件費や家賃といったコストがかかりません。これらの費用が不要な分、同じような保障内容の保険でも、ネット保険のほうが保険料が安いことが多いのです。
時間や場所に縛られない
ネット保険ではパソコンやスマートフォンなど、インターネットに接続できる環境があれば、いつでもどこからでも見積もりや加入申し込みが可能です。仕事やプライベートが忙しく、営業担当者と会う時間を作れない方や、保険代理店に足を運ぶ時間がない人でも、空き時間を利用して保険選びができます。
シンプルでわかりやすい保険を取り扱っている
ネット保険では、インターネット販売専用の保険商品を多く扱っており、それらはシンプルでわかりやすいのが特徴です。営業担当者のサポートがないため、保険に関する知識があまりない人でも、商品説明を読んで内容を理解しやすいように工夫されているためです。保険の知識に自信がない人でも安心して選べます。
ネット保険のデメリット
以下が対面型保険に対する、ネット保険のデメリットです。
- 自分自身で商品を選ぶ必要がある
- 基本的に手続きを全て自分で行う必要がある
- 選択肢が対面販売ほど多くはないネット専用保険会社がある
ネット保険を利用する前に確認しておきましょう。
自分自身で商品を選ぶ手間がある
ネット保険と対面型の大きな違いのひとつが、ネット保険には営業担当者が基本的にいないことです。対面型であれば保険に加入する目的・家族構成・ライフプランなどを伝えると保険会社の営業担当者が条件に合う商品を紹介してくれますが、ネット保険では自分自身で商品を探し、選ぶ手間がかかります。
特に保険についてあまり詳しくない人にとっては、自分で保険を選ぶのは難しいと感じられるかもしれません。わからないことは、電話やメール・チャットなどを使ってネット保険の窓口へ問い合わせてみましょう。
手続きを全て自分で行う必要がある
どの保険に加入するか決めたあとの申し込み手続きも、ネット保険では自分自身で行います。画面上の指示に従って進めていけば申し込みができるようになっていますが、対面型なら営業担当者に提出前の書類のチェックなどをお願いできることを考えると、人によってはネット保険の手続きは不安に感じるかもしれません。また、申し込みだけではなく、住所や氏名変更、保険金請求などもオンライン上で手続きするのが原則のため、手間がかかるのはデメリットです。
ネット保険では選べない保険商品もある
ネット保険の商品ラインアップは、保障内容がシンプルな保険が中心です。保険にあまり詳しくない人が自分で選ぶのが前提のため、わかりやすい商品に絞って取り扱っているためです。そのため、広告や口コミなどで知った商品をネット保険からは選べないこともありえます。外貨建ての保険や変額保険など、複雑なしくみの保険に加入したい場合は、対面型保険で細かい説明が必要です。また幅広い選択肢から保険を選びたい人にとっては、ネット保険の取扱商品に限りがあることはデメリットといえます。
ネット保険がおすすめな人
この記事で解説したネット保険のメリット・デメリットを踏まえると、以下に当てはまる人にはネット保険をおすすめできます。
- 保険料を抑えたい人
- 平日の日中に時間を取るのが難しい人
- ある程度保険の知識がある人
それぞれについて簡単にまとめていきます。
保険料を抑えたい人
ネット保険は対面型よりも運営コストが低いことから、多くの場合、同じ保障内容の保険ならばネット保険のほうが保険料は手頃です。ただし、ネット保険で選べるのはシンプルな保障内容の保険が中心であることには注意しましょう。保険料負担を少しでも抑えつつ、もしもの時に備えて最低限の保障がほしい人にはネット保険がおすすめです。
仕事などで平日の日中に時間を取るのが難しい人
パソコンやスマートフォンから利用できるネット保険では、インターネットさえあれば24時間いつでもどこでも商品の比較検討や各種の手続きができます。平日の日中は仕事などで忙しく、営業担当者と面談の時間を取るのが難しい人には、ネット保険がおすすめです。
ある程度の保険の知識がある人
ネット保険では、あまり保険の知識がない人でも理解できるようにわかりやすくシンプルな商品を取り扱っています。しかし、保険を選ぶには医療保険やがん保険はどういったものかというような、ある程度の知識は必要です。対面販売であれば、保障対象外となるケースなどのように契約時の注意事項も含めて営業担当者の方が丁寧に説明してくれるでしょう。しかし、ネット保険では基本的に自分で契約書に目を通して理解を深めておく必要があります。以上の点から、ある程度の保険の知識がある人に向いているのがネット保険です。
まとめ
インターネット上で手続きができる保険は、対面型よりも保険料が手頃・時間や場所の融通が利きやすいといったメリットがあります。一方で、保険の知識が必要・選択肢が少ないのはデメリットです。そのため、保険料を抑えたい人や忙しい人、保険の知識がある人にはネット保険をおすすめします。
この記事がネット保険の利用を考えている人の参考になれば幸いです。
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。日本FP協会AFP認定者。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。