インシュアテックと保険業界を取り巻く環境変化

保険を英語に訳すと、インシュランス(Insurance)といいます。
似た言葉として、最近、インシュアテック(InsurTech)というキーワードを、よくネットやニュースで聞くようになりました。
では、インシュアテック(InsurTech)と保険は、どのようにつながっているのでしょうか?
本記事では、今後の保険のあり方を大きく変えるかもしれないインシュアテックとは何か、誕生した背景と将来像、メリットやデメリットをわかりやすく解説します。
 

■インシュアテック(InsurTech)とは?

インシュアテック(InsurTech)とは、インシュランス(Insurance)テクノロジー(Technology)が組み合わされた造語です。
具体的には、保険会社が時代の最先端技術(テクノロジー)を活用して、お客さまに新しい保険商品や保険サービスを提供したり、また保険会社自体のお客さま管理や、営業戦略などの経営効率と生産性を大幅に向上させる取り組み全体をいいます。
 

■インシュアテック(InsurTech)が求められる背景

グローバル競争が激しい現在の世の中は、環境変化の激しい時代です。
現在のビジネスモデルがうまくいっているからといって、将来の経営も安定的で保証されている企業は、まず存在しません。保険会社を取り巻く状況もまったく同じです。
では、保険業界全体がインシュアテックに力を入れるようになった背景と、日本国内を取り巻く経済環境や保険マーケットについて解説します。
 

・100年に一度の技術革新!

第4次産業革命と呼ばれるように、現在、「100年に一度の技術革新(大変革)」が、世界的に進んでいます。

インシュアテックを理解するうえで必要な技術革新(テクノロジー)にはどのようなものがあるのでしょうか?
インシュアテックにつながっている主な5つのテクノロジーを紹介し、保険業界で既に始まっているサービスや将来の活用イメージを紹介します。
 

1.IoT

モノのインターネットと呼ばれており、コンピューターだけではなく、スマートフォン、タブレット、テレビ、デジタルカメラ、スマートスピーカーなどの家電製品や、給湯システムやエアコンなどの住宅設備と、インターネットがすべてつながるサービスです。

IoTによって今後、たとえばスマートスピーカーに声をかけるだけで、保険会社につながって保険の相談や保険の提案を受けられるサービスなどが登場することが考えられます。
 

2.AI

AIとは人工知能のことで、人間のような知能をもったコンピューターです。
AIは学習できるのが特徴で、学習を重ねるごとにレベルアップします。
AIの登場により、これまで人が行っていた仕事をAIが対応できるようになります。

AIによって今後、保険手続きや保険金の請求を人ではなく、AIと簡単に行うようなサービスがスタートするかもしれません。
 

3.ビッグデータ

ビッグデータで、これまで不可能であった膨大なデータの収集が技術革新で可能になりました。
分析したデータを活用したビジネス展開が可能です。

たとえば今後、膨大な事故データを分析し、これまで商品化されていないリスクに対して、従来にはない斬新なアイデアで新しい保険商品が開発されることが考えられます。
 

4.ブロックチェーン

ブロックチェーンとは、分散型台帳技術です。
暗号技術によって、取引履歴(ブロック)を鎖のようにつないで記録するような技術です。
他からのデータの改ざんが極めて難しいといわれています。

ブロックチェーンによって今後、保険会社独自の決済方法が構築ができる、ブロックチェーンを活用した保険以外のビジネスを展開できる、などが考えられます。

 

5.5G

5Gとは第5世代移動通信システムで、高速通信が可能になります。
従来の4Gと比較すると、その通信速度は4Gの20倍です。

たとえば、自動車事故発生直後のドライブレコーダーの映像や、事故現場写真を5Gでそのまま保険会社に転送するなど、今後もその技術は大幅に改善されると予想されます。

・自動車の最先端技術

保険の主力商品の一つに自動車保険があります。
しかし自動車を取り巻く状況は、現在、大きく激変しています。

最近の自動車モーターショーで話題になっているテーマは、CASEです。C(コネクテッド)、A(自動運転)、S(シェア)、E(電動化)の略称です。
従来は自動車メーカーがハード(自動車)を生産し、人が自動車を運転して移動する手段としていました。
ところが、CASEの時代ではハードよりもソフトが重視され、「スマートフォンで自動車を動かす」、つまり自動運転の実現は、そう遠くはありません。

さらに、MaaS (Mobility as a Service) = 自動車はサービス)という考え方が登場しました。
自動車というハードの概念はなくなり、自動車メーカーは製造業からソフト産業(移動するサービス産業)への転換を図ろうとしています。
GAFAと呼ばれるプラットフォーマー(ソフト会社)や家電メーカーなど、異業種から自動車産業への参入も既に表明されています。
今後は自動車メーカーである既存勢力と、異業種からの新興勢力の激しい戦いになると予想されます。

自動運転をはじめとする自動車の技術革新によって、自動車保険そのもののあり方が大きく変わるのは間違いありません。
 

・急速な人口減少

日本経済にとって一番深刻な問題が、急激な人口減少です。
内閣府のデータでは、日本の人口は、令和2年10月1日現在で1億2,571万人となっています。
しかし、令和35年には1億人を割って9,924万人となり、さらに令和47年には8,808万人になると推計されているのです。
人口減少に伴い、保険マーケットは縮小する方向に進むと予想されています。
この人口推移で計算すると、30数年後には現在の約8割、40数年後には約7割に、日本の保険マーケットは縮小するのです。
日本の保険会社が海外保険会社を買収する記事が最近多く報道されているのは、日本の保険マーケットが縮小することを見越して、海外展開に将来の活路を求めているのが表れています。
※出典:内閣府HP|令和3年版高齢社会白書 第1章第1節 1 高齢化の現状と将来像

 

・地球温暖化と自然災害の増加

火災保険料の引き上げでわかるように、地球温暖化が原因の台風や洪水被害が増加しています。
また、地球温暖化は日本の夏の気温を上昇させる原因になり、熱中症リスクを高めています。
コロナ禍に伴い生命保険の支払額が増加しているのに加え、自然災害の増加に伴い火災保険の支払額も増加しており、保険会社の経営体質を不安定にする要因になっています。
 

■インシュアテックのメリットとデメリット

前述のように保険会社を取り巻く状況は厳しさを増しています。
激変する保険マーケットを生き残るために、インシュアテックは保険会社にとって絶対に外せない重要な戦略です。
お客さまサイドから見ても、新しい保険商品の開発やサービスが提供される効果が期待できます。
 

・インシュアテックがもたらすメリット

まず、お客さまのメリットは、前述のとおり、保険会社から新しい画期的な商品やサービスが増える点です。
保険契約を手続きする際、従来は保険募集人との対面手続きがメインでしたが、自分ひとりでスマホを活用して簡単に手続きできるようになります。
また今後、保険会社から保険以外のサービスがさらに増えることが期待できます。
たとえば既に、ドライブレコーダーと自動車保険をセットにした商品が販売されています。今後さらにビッグデータを活用して、お客さまの走行スピードなどの運転履歴を収集し、運転の特徴や特性をつかんで、お客さまへ安全運転指導に活かすようなサービスが開発されることも考えられます。

また、保険料が安くなる効果も期待できます。
たとえば、IoTにより腕につけているスマートウォッチを活用してお客さまの各種の健康データを収集し、一定の数値をクリアしているお客さまの保険料を安くする仕組みがさらに拡充されると見込まれます。
 

・インシュアテックがもたらすデメリット

お客さまにとって、インシュアテックはメリットばかりです。
しかし、一点だけデメリットをあげると、健康状態が良好であれば保険料が安くなるメリットがある一方、逆に健康状態が悪化した場合、保険料が高くなる可能性は十分にあります。

また、どの業界にも通じますが、AIなどの登場はこれまで人が行っていた業務をAIで代替できます。
つまり、インシュアテックによって、保険会社や保険代理店などの人数が減っていく可能性は十分にあります。お客さまにとっては、対面や保険募集人とのふれあう機会が少なるかもしれません。
 

■まとめ

今回はインシュアテックとは何か?求められている背景やお客さま側にとってのメリットとデメリットを中心に解説しました。
コロナ禍により、リモートワークの普及する中で、保険についてもオンラインによる手続きだけではなく、インシュアテックを活用したサービスは今後ますます拡充されると見込まれます。
今後、インシュアテックによって保険のあり方が一気に変わるかもしれないですね。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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