契約前に知っておきたい
2021.11.23
持病があると保険に入りづらいのはなぜ?入りやすい保険と注意点
「保険に入りたいけれど、持病があると難しいのでは?」そんな心配をしている人がいるかもしれません。
一般的に持病があると保険に入りづらいイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?
ここでは、持病があると生命保険に加入しづらい理由や持病によって保険に入れなかった場合に検討ができる保険について解説します。
生命保険に必要な告知、持病があると入りづらい理由
生命保険に入る場合、“告知”といって健康状態や職業などの質問にありのままの状況を申告する必要があります。告知の内容や質問の範囲は保険会社や保険商品によって異なります。
特に健康上の不安がある方にとって気になる点は、持病や既往歴、手術歴などを伝えなければならない点でしょう。
なぜ告知が必要なの?
もともと保険は、加入者がみんながお金を出し合って助け合うという「相互扶助の仕組み」で成り立っています。加入者同士が助け合うという保険の仕組みにおいては、加入者同士の公平性を保つため、加入者で構成される集団のリスクを一定に保つ必要があります。
たとえば、病気やケガの治療中であったり、過去に大きな病気の治療歴がある人は今後の死亡率や入院をする確率が高いと予測される場合があります。ここで、健康な人と死亡率や入院をする確率が高い人がみんな同じ条件で保険に加入すると、一部の人だけが保険金を受け取る可能性が高くなり加入者同士の公平性が保たれなくなってしまいます。
告知は生命保険の公平な引受判断のために重要であり、加入しようとする人は告知を正確に行わなければならない義務があります。そのため、持病があると保険に入りづらくなります。
しかし、最近では一般の告知項目が多い保険に入りづらい方に向けた持病があっても入れる保険が増えてきています。あきらめずに探してみることをおすすめします。
そもそも持病ってどんな病気?
持病とは、一般的にいつまでもなかなか治らない病気、慢性的な病気や長期の治療が必要な病気を示して使われている言葉です。
病気の種類だけでなく、治療内容によっても保険の入りやすさが変わります。
たとえば、高血圧、高脂血症、胃かいよう、ぜんそくなどで薬を飲んいるケースは、告知項目が多い一般の保険へ加入ができる可能性があります。
しかし、がん、心臓病、肝硬変、糖尿病(合併症あり)、腎不全などと診断され治療中のケースは、告知項目が多い一般の保険への加入は難しくなる場合が多いです。ただし、後述の持病があっても入りやすい保険であれば加入ができるケースもあります。
理解しておくべき点は、治療内容や病状などによってその後のリスクが変わると考えられているため、同じ病名であっても、審査の結果が人それぞれで変わる可能性がある点です。同じ病気でも、さらに保険会社や保険商品によっても入りやすさが異なります。
持病があってお悩みの方は、すぐにあきらめてしまわず、いくつかの保険会社へ確認してみることをおすすめします。
持病があっても入りやすい保険
持病があっても入りやすい保険とは、一般の告知項目が多い保険より告知項目を少なくしたタイプで、告知に該当しなければ加入できるとされている商品です。
持病があっても入りやすい保険は引受基準緩和型と無選択型に分けられます。
引受基準緩和型
特長
一般の告知項目が多い保険よりも、健康状態に関する告知項目が3つから5つ程度と少なく設定された保険です。基本的に、告知項目にあてはまらなければ入れるため、持病があっても入りやすいといえます。
さらに、引受基準緩和型の保険の種類には、死亡保険と医療保険があります。医療保険は特約を上乗せして保障を自由に手厚くできるタイプが多いです。
ただし、告知する項目が少なく加入しやすいぶん注意点もあります。
注意点
・一般の保険よりも保険料が割高。
・一般の保険よりも付加できる特約の数が少ない。
・加入してから一定期間の間は保険金の支払いが発生しても半額しかもらえない場合がある。
無選択型
特長
無選択型保険とは、保険に入るときの健康告知が必要ない保険です。健康状態に関して告知の必要がないため、引受基準緩和型よりさらに入りやすくなっています。
死亡保険と医療保険があります。ただし、引受基準緩和型より、販売している保険会社は少なく選択肢が少なめです。そのため、一般の保険も引受基準緩和型の保険も加入が難しい場合に検討するのがおすすめです。
注意点
・保険料が最も割高。
・保険金の支払い事由の対象外になる病気もある。
・契約の日から90日の間、保障されないなどの制約が設けられている場合がある。
引受基準緩和型、無選択型は健康告知が少ない、健康告知が必要ないため加入しやすいのが最大の特長ですが、必ずしも加入できるわけではありません。
健康状態以外に職業や収入も審査の対象です。健康告知に当てはまらなくても加入ができないケースがある可能性も理解しておきましょう。
後悔しないように、持病があっても最新の情報で判断を
持病があるとなぜ保険に入りづらくなるのかについてご紹介しました。
確かに、持病があってずっと治療を続けている方は一般の告知項目が多い保険に入れないケースがあります。しかし、持病があっても入れる引受基準緩和型保険や無選択型保険は増えてきています。そのため、最新の保険のメリットとデメリットを知ったうえで検討するのが大切です。
また、体調が悪化してから「やっぱり加入しておけばよかった!」と思っても、健康状態によっては加入ができないケースもあります。
将来の健康状態に不安がある方も、できるだけ早めに検討した方がより多くの選択肢から自分にあった保険を選べるでしょう。
検討を先延ばしにしたり、あきらめてしまう前に一度、最新の保険の情報をみて考えてみることをおすすめします。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。