保険の基礎知識
2023.06.01
ネット保険の保障内容とは?保険の種類別に解説【FP監修】
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。
ネット保険は対面型保険よりも保険料が抑えられるものが多いため、気になっている人は多いでしょう。しかし、対面型と同じ保障がネット保険でも得られるのか不安に思っている人もいるかもしれませんね。
この記事では、対面型保険との比較を通してネット保険のメリット・デメリットを解説し、さらにネット保険で提供されている主な保障内容を保険の種類別に紹介します。
ネット保険に関心がある人は、ぜひ参考にしてください。
対面型と比較したネット保険のメリット・デメリット
ネット保険とはパソコンやスマートフォンなどを使い、インターネット上から加入できる保険です。時間と場所を選ばず、都合の良いときに自宅などから加入手続きができます。
一方、対面型保険とは以前からある、営業担当者を通して加入する保険です。自宅やカフェ保険ショップなどで商品に関する説明を聞きながら保険を選び、気に入ったものがあれば加入手続きを進めます。
ここではまず、対面型保険と比較した時のネット保険のメリット・デメリットを解説します。
メリット
ネット保険のメリットは3つあります。
- 保険料が安い
- 保障内容がシンプルでわかりやすい
- いつでもどこでも申し込める
メリットの1つ目は対面型保険と比較して保険料が安いことです。店舗がないネット保険では家賃がかからず、人件費や広告費などの経費も対面型保険ほど必要ありません。経費が少ない分、同じような保障内容でも保険料を安くできるのです。
2つ目のメリットとして、保障内容がシンプルなものが多いのがネット保険の特徴です。そのため、わかりやすく、選びやすいと感じる人も多いでしょう。
3つ目のメリットは、インターネット上で手続きが完結するため、時間や場所を選ばずに加入手続きができることです。
以上のメリットから、ネット保険は保険料をできるだけ抑えたい人や忙しい人におすすめです。
デメリット
ネット保険のデメリットは、以下の2点です。
- 自分で保険を選ぶためには、ある程度の知識が必要
- 複雑な特約などは選べない
ネット保険では営業担当者がいないため、自分で保険を選び、加入手続きを進める必要があります。保険に詳しくない場合は、必要な保険を自分で選択するのは難しいと感じる人が多いでしょう。そのような場合は、ネット保険の問い合わせ窓口を利用することをおすすめします。チャットやメール、電話などで保険選びをサポートしてもらえます。
また、ネット保険の保障内容がシンプルであることはメリットですが、逆にいえば選択肢が少ないというデメリットにもなります。自分のニーズに合わせて保険の保障内容をカスタマイズしたいと考えている人は、ネット保険では物足りないと感じるかもしれません。
保険の種類別ネット保険の保障内容
生命保険(死亡保険)
生命保険(死亡保険)は、被保険者が亡くなった際にのこされた家族が保険金を受け取れる保険です。生命保険には、生涯保障が続く終身保険や保障期間が限定されている定期保険、もしもの時の収入減少を保障する収入保障保険といった種類がありますが、ネット保険でも対面型保険と同じように複数の生命保険の種類を取り扱っています。
生命保険では、保障の中心は死亡時に支払われる死亡保険金です。この点はネット保険も対面型保険も変わりません。加入時に死亡保険金の金額を決め、保険期間・保険料払込期間を設定して申し込みます。
ネット保険の生命保険と対面販売が異なるのは、選べる特約の種類です。実は、ネット保険で生命保険とともに契約できる特約の選択肢はそれほど多くありません。対面型保険では、三大疾病保障特約や保険料払込免除特約など、さまざまな種類の特約から選べる商品が多いのですが、ネット保険では災害割増特約やリビング・ニーズ特約のような死亡保険金の保障を上乗せするようなものに限られます。
医療保険
医療保険は、病気やケガによる医療費に備えるための保険です。ネット保険でも対面型保険でも、医療保険は入院保障を中心的な保障としているものが多くあります。入院保障は、入院日数に応じて1日あたり5,000円や10,000円など申し込み時に設定した金額を受け取れる入院給付金が主流ですが、最近では、日帰りや短期入院で入院一時金が受け取れる保険も増えてきました。
保障内容に関しては、ネット保険と対面型の医療保険では、大きな違いはありません。どちらも、保険会社によってあらかじめ保障が組み合わせられているものと、基本保障である入院給付金以外は自分で必要な保障や特約を付加するものがあります。入院保障以外の保障内容としては、手術保障や通院保障、先進医療特約・女性疾病特約などがあります。選べる保障や特約は、同じ保険会社であれば対面型と共通の場合もあれば、ネット保険専用商品がある場合もあります。
ネット保険と対面型の医療保険で異なる点は、加入時に必要な健康状態の告知です。ネット保険では、インターネット上でいくつかの質問に答えるだけで健康状態の告知が完了するものがあります。医師の診察や健康診断結果の送付などが不要なため、手軽に加入できるでしょう。
がん保険
がん保険は医療保険の一種で、がんの治療でかかる医療費に特化した保険です。がん保険の保障内容は、がん診断給付金(一時金)・入院給付金・通院給付金などが一般的です。それぞれの保障の概要を以下にまとめました。
- がん診断給付金:がんと診断された際に、一時金としてまとまった金額を受け取れます。
- 入院給付金:がんの治療のために入院した際に、入院日数に応じて契約時に設定した金額を受け取れます。なお、医療保険と違い、がん保険の入院給付金の多くは受け取れる日数に上限がありません。
- 通院給付金:がん治療のための通院で給付金が受け取れます。多くの場合、保障されるのは入院前後の通院のみです。
ネット保険のがん保険でも、上記の保障に特約を付加することは可能です。しかし、選べる特約は対面型保険とまったく同じではない場合もあります。
まとめ
生命保険・医療保険・がん保険の3種類について、ネット保険の主な保障内容を紹介しました。実は、ネット保険の主な保障内容は対面販売の保険と大きく変わりません。
それにもかかわらず、ネット保険の保障内容は対面販売の保険と比較してシンプルなものが多いといわれています。その理由は、営業担当者などから説明を聞けないネット保険では、複雑な特約などの取り扱いを避ける傾向があるためです。
ネット保険には保障内容がシンプルでわかりやすい、いつでもどこでも申し込みができるなどのメリットがありますが、選べる特約の選択肢が少ないことには注意が必要です。
この記事を参考に、ネット保険のメリット・デメリットを理解したうえで利用するようにしましょう。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。