保険の基礎知識
2021.10.14
都民共済とは? 仕組みとメリット・デメリットを解説
“コスパが高い保険”ともいわれる都民共済。聞いたことはあるけれど仕組みがわからないという方や、民間の保険と迷っているという方も多いのでは?
ここでは、都民共済の特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
都民共済とは
コストパフォーマンスが高いといわれるワケ
都民共済とは全国生活協同組合連合会(全国生協連)が運営する保険事業で、東京都に住んでいる、または勤務地が東京都内の方が対象です。
「加入者同士の助け合いの精神」に基づく非営利事業で、掛金一律、保障一律で、掛金が低く抑えられており、「コストパフォーマンスが高い」ともいわれています。
都民共済のメリット
1. 掛金が割安で、年齢や性別に関係なく一律
都民共済は民間の保険よりも一般的に掛金が割安なことがメリットです。運営している全国生活共同組合連合会(全国生協連)が非営利の組織のため、掛金が安く抑えられています。
さらに、都民共済の掛金は一律で変動しません。型ごとに掛金が決まっていて、ずっと同じ型であれば加入限度の年齢まで保険料は変わりません。また、年齢や性別によって変わることもありません。
ただし、継続できる年齢は最長85歳までと上限があることに注意が必要です。そのため、一定期間だけ安く保障を持ちたい場合におすすめです。
2.割戻金を受け取れる
割戻金とは、実際に支払われた掛金に対して、支払われた共済金(保険金)が少なかった場合に掛金の一部が払い戻される仕組みです。
これも、都民共済が非営利目的で運営されているため可能となっています。必ず払い戻されるわけではありませんが、払い戻しがあれば実質の掛金はさらに低く抑えられます。
3.シンプルな分かりやすい保障
都民共済は、生命共済、傷害保障型共済、火災共済の3つで構成されています。
生命共済
生命共済は、毎月の掛金建てで加入する型を選べます。シンプルに毎月1,000円、2,000円などの掛金建てで加入する型を選ぶ仕組みです。
死亡保障と入院保障がセットになった総合保障型、入院がメインの入院保障型などのベースの型があり、特約の追加によって保障を充実させることもできます。特約についても、掛金建てで毎月1,000円程度から入院一時金やがん保障などを充実されられます。
傷害保障型共済
一律1,000円の掛金でケガによ入院手術、死亡、重度障害を保障します。病気の保障はありませんがお手頃な保険料でケガの保障を充実させられます。
火災共済
お住まいの地域や建物などによって掛金はさまざまです。インターネットで簡単に掛金の試算ができます。
都民共済のデメリット
1.保障が不足する場合がある
都民共済は、掛金が割安である一方で、保障できる金額や保障の範囲が民間の保険に比べると少ない点がデメリットです。
たとえば生命共済の総合保障4型の死亡保障(18歳~60歳)の場合、病気による死亡時の保険金額は800万円です。
必要な額は人によってさまざまですが、家族を養っている方で、「子どもの教育資金に加えて、家族の生活費ものこしておきたい」場合、800万円だけで十分な保障を用意するのは難しい場合が多いです。
ほんとうに十分な保障であるかしっかり確認をして、足りない場合は保険と共済を組み合わせてカバーすることも検討しましょう。
2. 一生涯の保障が存在しない
都民共済には一生涯にわたる保障が存在しないのもデメリットでしょう。
都民共済には、民間の保険会社が提供するような終身タイプの一生涯保障するプランがなく、すべて1年更新の定期タイプです。
また、都民共済へ申し込みができる期間は69歳までで、満85歳まで継続ができますが最長85歳までであることに注意が必要です。
そのため、一生涯安心できる保障を持ちたい方には向いていません。
3.高齢になるにつれて保障ボリュームが減っていく
都民共済は、60歳から年齢が上がるにつれて保障が減額されてしまいます。最終的に85歳までで保障は終了し、それ以後は保障がなくなります。高齢になるほど、病気や入院のリスクも上がっていくため、老後の支えとしては不十分な場合もあるでしょう。
足りない部分は民間の保険で検討しよう
都民共済の仕組みと、メリット・デメリットをご紹介しました。コストパフォーマンスが高いとも言われますが、保障内容に関しては民間の保険に劣る部分もあります。
特徴を理解して、足りない部分は民間の保険でカバーするのがよいでしょう。
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リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。