保険の基礎知識

2022.03.17

既往症があっても入れる保険はある?持病や既往歴との違いや保険に入りにくい理由も解説

病院や保険などでよく使われる言葉に既往症(きおうしょう)があります。漢字から何となく意味は推測できても、正確な意味は知らない人も多いのではないでしょうか。

この記事では既往症の意味と、よく似た言葉である既往歴・持病との違いを解説します。また、既往症があると保険に入りにくくなると言われる理由と、既往症があっても入れる可能性がある保険の種類を紹介します。

既往症・既往歴・持病の違い

既往症とよく似た言葉に既往歴があり、また、よく似た意味の言葉に持病があります。ここではそれぞれの意味をあらためて解説します。

既往症とは

これまでにかかったことがある病気やケガのうち、医療機関などで医師の診察や治療を受け、かつ現在は治っているものを既往症と言います。

既往歴とは

既往歴は既往症とよく似ていますが、既往歴はこれまでにかかった病気やケガの履歴のことです。似た意味の言葉に病歴があります。

持病とは

持病とは、慢性的・断続的に症状がある病気です。既往症との一番大きな違いは、病気やケガが現在は症状がない(完治している)かどうかです。完治していれば既往症、そうでなければ持病と呼ばれます。

既往症があると保険に入りにくい

既往症があると保険に入りにくいと知っている人は多いかもしれませんが、なぜ入りにくいのか、理由を知っていますか。

保険加入の際の健康状態の告知の目的と、既往症があると保険に入りにくい理由を解説します。

健康状態の告知とは

保険に入る際には健康状態の告知を求められることが一般的です。健康状態の告知とは、保険会社が用意したフォーマットにしたがって、既往症や持病の有無を申告することです。

厳密にいえば、風邪なども含めて病院などで治療を受けた病気・ケガはすべて既往症ですが、実際にはすべてを申告する必要はありません。告知書にはがんや糖尿病、肝硬変など代表的な病気が記載されていますので、該当するものがあればいつ頃、どのような治療を受けたかなどを記入します。

また、告知書に「過去5年以内の病気やケガについて記載する」とあれば、5年より前に経験したものについては告知する必要はありません。

なお、保険会社から告知を求められているのに正確な情報を伝えなかった場合、告知義務違反として保険金を受け取れなかったり、保険契約を解除されたりすることがあります。健康状態の告知は保険の加入審査にあたってとても重要視されていますので、正確に回答するように心がけましょう。

保険に入りにくい理由

既往症がある人が保険に入りにくい理由は、保険会社が保険の「公平の原則」を担保しようとしているためです。

保険会社にとって、既往症がある人は、健康な人に比べて保険金を支払わなければいけなくなる可能性が高い、リスクがある人です。

しかし、もし同じ保険に既往症がある人と健康な人が加入しており、しかも同じ保険料を払っていたとしたらどうでしょうか。健康な人から見ると、同じ保険料を払っているにもかかわらず、既往症がある人は保険金を受け取ることが多く、不公平だと感じられるはずです。

そのため、保険会社はリスクが高い人とそうではない人を分けるために、既往症がある人の保険加入を断ることがあるのです。

既往症があっても入れる保険

既往症があると保険に入りにくくなりますが、病気やケガをした時期や現在の健康状態、保険の種類によっては加入できる場合があります。

ここでは既往症があっても入れる保険の種類とその特徴を解説します。

普通の保険に特別条件つきで加入する

既往症があっても、普通の保険に入れないとは限りません。保険会社や保険商品によって告知項目は異なるため、これまでに経験した病気やケガが告知項目に該当しなければ一般の保険に入れる可能性があります。

普通の保険は引受基準緩和型保険や無選択型などよりも、保険料が手頃で、保障も手厚い傾向があります。既往症があっても、まずは普通の保険に入れるかどうかから調べてみることをおすすめします。

また、既往症があり、告知項目に該当する場合でも、特別条件つきで普通の保険に加入できることもあります。

特別条件には主に以下の5種類があります。

  • 割増保険料(特別保険料):通常よりも保険料が高くなります。
  • 特定部位不担保:体の特定の部位を保障の対象外とします。
  • 特定疾患不担保:特定の疾患が保障されません。
  • 特定障害不担保:特定の障害になっても、高度傷害保険金が受け取れず、その後の保険料の免除も受けられません。
  • 保険金の削減:保険加入後、一定期間内に保険金支払事由が発生した場合、通常よりも少ない保険金しか支払われません。

上記のうち、特に特定部位不担保や特定疾患不担保では保障されない体の部位や疾患があるため、いざというときの保障として物足りないと考える人もいるでしょう。その場合は、次の項目で解説する引受基準緩和型保険や無選択型保険を検討するのがおすすめです。

引受基準緩和型保険・限定告知型保険

既往症があり、保険に入りづらい人のために販売されているのが引受基準緩和型保険や限定告知型と呼ばれる保険です。これらのタイプの保険では、他の保険よりも告知項目を少なくする(限定する)ことで、加入できる基準をゆるくしています。

具体的な告知項目は「過去5年以内に入院や手術をしたか」など2〜5個程度に絞られていることが多いです。そのため、何らかの病気やケガで手術や入院の経験があっても、それから数年経過しており、現在も症状がなければ加入できる可能性があります。

引受基準緩和型保険は既往症があるけれど保険に入りたい人のための保険です。しかし、このタイプの保険は普通の保険に比べて保険料が高めで、保険金の上限が低いことが一般的であることは押さえておきましょう。

無選択型保険

引受基準緩和型保険や限定告知型保険に入れなかった場合に、検討したいのが無選択型保険です。無選択型保険は健康状態の告知がないため、健康状態を理由に加入を断られることは原則としてありません。どのような既往症がある人でも入れる保険だと言えます。

しかし、保険料や保障の面では引受基準緩和型保険よりもさらに条件はよくありません。また、免責事項という、保険金が支払われないケースが多く設定されています。せっかく保険に加入したのに、免責事項に該当してしまい、保険金が支払われないということがないように加入前に注意が必要です。

また、原則としてどのような健康状態の人でも入れますが、入院中などは加入を断られる可能性があります。さらに、年齢や年収など、健康状態の以外の理由で加入できない場合もあります。

まとめ

既往症は過去に経験した病気やケガのうち、すでに完治しているものを指し、既往歴は病歴のことです。また、持病は現在もまだ症状が続いている疾患を指します。

既往症があると保険に入りにくくなりますが、それぞれの保険の加入基準や病気やケガの時期などによっては、普通の保険に入れる可能性はあります。また引受基準緩和型保険や無選択型保険のような、既往症がある人が入りやすいように工夫された保険もありますので、保険加入を希望する人はそれぞれの加入条件などを確認してみましょう。

引受基準緩和型保険や無選択型保険は普通の保険よりも保険料などが割高であることがあります。さまざまな保険を比較して、できるだけ条件の良いものに加入したいですね。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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