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2024.09.18
保険金が支払われない!注意しなければならないことは? 【住宅FP関根が答える!Vol.116】
みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
保険には、万が一お亡くなりになってしまった時の遺族への収入保障保険や定期保険、病気やケガに備える医療保険やがん保険など多くの保険種類があります。 万が一の時のために備えるのが保険ですが、いざという時に保険金が支払われないということがあります。今回はいざという時に保険金が支払われなくなってしまう理由についてお話していきたいと思います。
保険金が支払われない事例
告知義務違反
保険金が支払われないトラブルで多いのは契約の際に行う告知にあります。保険に加入する際には2年以内の健康診断の結果をはじめとし、喫煙状態や手術歴、服用している薬、障害の有無など様々な内容を保険会社に申告する必要があります。しかしその告知の際に、本当は服用している薬を保険加入に不利になると考え意図的に伝えなかったり、あるいは故意ではなかったにしても申告が漏れてしまったりすると、これは告知義務違反になります。
この告知する薬には、保険加入をするときには飲んでいなくても3年前に一度、心療内科などで処方された睡眠薬なども対象となることがあり、こういった突発的な薬などは忘れてしまっていることも多く、非常に多い告知義務違反の例になります。こういった告知義務違反が発覚してしまうと保険金が支払われなくなってしまう要因となってしまうので告知をする際には十分な注意が必要です。
しかしながら、それでも意図せず告知義務違反をしてしまう可能性も否定できません。もしご自身が告知義務違反をしていることに気がついたときには、速やかに再度告知を行うことが必要になります。まずは加入している保険会社、もしくは保険の担当者に告知義務違反をしてしまっていたことを伝えましょう。
保険料の未払いによる失効
また、保険料の未払いも保険金が支払われない理由になります。保険料の支払いが遅れてしまった場合、保険料の払込方法により期間は異なりますが猶予期間が設けられています。この猶予期間中に起きた保険支払事由であれば一般的には、猶予期間中に保険料の支払いをすることができれば、保険金未払い期間であっても保険金は支払われることが多いです。
しかしこの猶予期間で保険料を支払うことができないと、自動的に保険契約は失効となってしまいます。保険契約が失効している状態で保険金の支払事由がおこってしまったとしても、通常、保険金は支払われません。そうならないために、万一保険料の支払いが困難になってしまったときの対応として、自動振替貸付や払済保険、延長保険への変更などがあります。
自動振替貸付
自動振替貸付とは、保険料払込猶予期間中に保険料を支払うことができなかった場合、支払われなかった保険料を、受け取ることができる予定の解約返戻金の範囲内で自動的に貸し付けをする制度です。
払済保険
払済保険とは、保険料の支払いを中止した時点での解約返戻金をもとにして、保険期間の変更はせず、保険金額をもとの保険より低くする方法です。なお、特約や配当金は一切なくなります。
延長保険
延長保険は払済保険とは考え方が逆で、同じく保険料の支払いを中止した時点での解約返戻金を利用するのですが、保険金額は変更せず、保険期間をもとの保険より短くする保険になります。
保険料の支払いが困難になってしまった場合には、払済保険や延長保険に切り替えたりすることで、失効にならないように気を付けましょう。もし失効となってしまった場合にも、再度審査や告知は必要になりますが、一定期間内であれば復活させることもできます。意図しない無保険状態にならないようにすぐに手続きを行うことをお勧めいたします。
保険金請求の期限超過
また、保険金が支払われない多くの理由は保険金請求の期限超過です。保険金の請求にはほとんどの保険で保険金請求期間が決められています。この保険金請求期間を過ぎてからの申請は保険金が支払われないことがあります。
みなさんは自分が加入している保険、すべて把握できていますか。どこの保険会社の何保険に入っているかくらいは分かっている人も多いと思いますが、細かい保障内容や期間、特約の内容も合わせるとすべてを把握できている方はあまり多くないと思います。もちろん、加入しているつもりで保障期間が終わってしまっていたということもあるかと思いますが、保険には加入しているのに、保険金支払事由に該当していることに気が付かず請求が漏れてしまっていることもあります。
実際に、歯医者さんに行って、日帰りで親知らずを抜いただけでも医療保険の手術給付金が受け取れることもあります。もちろんケースバイケースで対象になる場合もあればならない場合もありますが、親知らずを抜いたということではなかなか保険金請求できると考えにくく感じてしまうと思います。このように、保険金の支払事由に該当するのに請求が漏れてしまった場合、後から請求しようと思っても請求期間が過ぎてしまっている場合には保険金は支払われなくなってしまうこともあります。もし、少しでも「保険金請求できるのかな?」と感じたことがあった場合には、保険会社や保険の担当者の方に相談しましょう。
いざという時に備える保険ですが、そのいざという時に保険が支払われないとなってしまうと大きく予定が狂ってしまうと思います。そうならないためにはやはり、定期的に自分がどんな保険に加入しているのか、保険期間は過ぎていないのかを確認する必要があります。もし、不安なことがある場合には保険会社や保険の担当者の方に確認をしてみましょう。みんなあなたの味方です。
WRITER’S PROFILE
㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直
ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。