著名人・専門家コラム

2025.03.06

外貨建て終身保険を投資の選択肢に入れてほしい理由【住宅FP関根が答える!Vol.139】

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
近年、外貨建て終身保険に加入することへの抵抗感が強い人が多い気がします。外貨建てはネガティブなイメージを持たれることが多いようです。決して悪い商品ではないのですが、一体なぜなのでしょうか。今回はこの外貨建て終身保険についてお話していきます。

これは個人的に感じることとして、おそらく誤った形で加入をしてしまっている人が多いのではないでしょうか。私は今まで数多くのライフプランを作ってきました。ライフプランを作るときに、加入している保険についても確認をするのですが、適切とは言えない提案を受けているお客様もたくさん見てきました。

あまり詳しいお客様のお話はできないのですが、以前私のところにいらっしゃったお客様で、年収380万円で年間保険料を46万円も支払っていらっしゃる方がいました。そのほかにも、世帯年収1,000万円で年間保険料200万円を支払っていらっしゃる方もいました。年収1,000万円は手取りにすると750万円程度となり、その中から200万円も支払うということは約25%を保険料に回していることになります。このような保険料設定は適切とは言えません。

こういう方の不思議なところは、その提案、契約に疑問をもっていないことです。これだけの保険に加入する特別な理由はあるのか、本人に確認してみると、「老後のための運用ですので」という回答が返ってくることがほとんどです。

外貨建て終身保険がネガティブなイメージを持たれることが多くなったのは、加入の仕方、もっと言えば提案方法に課題があるケースが少なくないということが大きな理由かと思います。私は保険を売る側の人間、保険募集人です。お客様が契約をしている商品を見ると、保険募集人がどんな提案の背景で保険を売ったかが概ね予想がつきます。具体的には売り上げを優先した、売り上げと契約者様の利益のバランスがいい、手数料収入は意識しないスタンス、などです。

また、外貨建て終身保険は「老後のための運用に」と勧められることが多く、保障もついています。確かに元本割れリスクは低く、一定の運用益が期待できます。しかし外貨建て終身保険は基本的に単利なので複利効果は出ません。実際に30年間の支払保険料、30年後の解約返戻金を単純に割って計算をすると、15年前の商品で1.2%くらい、現在はさらに低下しているので0.8%程度となります。運用という目線で考えると一概にダメということはないですが、ベストではありません。

そこで近年よく言われるのが「インデックスなら年5%以上」という考えです。私の場合は年5%までは見ないにしても、年3%でも複利であることを考えると圧倒的に有利です。そのため、外貨建て終身保険の場合、運用と考えると増える期待は持てますが、ベストではないということになります。

では外貨建て終身保険の良いところはなんでしょうか。外貨建て終身保険のメリットは一定の運用益と死亡保障にあると思います。今の時代、普通預金に預けていてもお金が増えることは期待できません。金利は0.001%程度なのに対し、現在の物価上昇は年1%程度の上昇が続くと想定されます。つまり、普通預金に預けておくだけでは物価上昇に負けてしまいます。外貨建て終身保険なら物価上昇率と同程度のリターンが期待できる上、死亡保障もついてきます。つまり、お金をいかにして増やすのかではなく、お金を減らさない、さらに言うと、お金の価値を下げない商品であると言えます。

運用だけ考えるのであれば保険ではなく投資の方が合理的です。しかし、すべてを投資に回してしまうのはリスクもあり、かといって普通預金は物価上昇に対応できず、お金の価値が目減りしてしまいます。外貨建て終身保険は、運用効率や死亡保険の面で中間的な選択肢です。運用と保障の両面で特化しているわけではありませんが、どちらも付いてくる、お金の価値を下げない商品となります。

外貨建て終身保険は、あくまでも保険です。終身保険はなんといっても保険金が必ずもらえるということにも意味があります。定期保険や収入保障保険などは保障期間が決まっており、もらえる場合と、もらえない場合があります。その点、終身保険は80歳で亡くなっても100歳で亡くなっても必ず保険金を受け取ることができます。

投資の場合、運用の波が必ずあるため、お金が必要になったときに、いくら程度現金化できるかどうかはその時になってみないとわかりません。それに比べ、終身保険の保険金額は決まっていることが多く、老後資金の目安もつけやすいです。終身保険は多くの場合、相続対策かお葬式代として利用されます。これらの金額を確実に用意しておけるというのも大きなメリットになるのではないでしょうか。

そのため、保険に加入する順番としてはまずは死亡保障、この多くは収入保障型の保険で対応することが多いです。会社の団体保険を使える場合、それも良い選択かと思います。自分に万が一の出来事があったときに家族を守ることができる死亡保障を備えて、初めて自分たちの老後、つまり運用という順番になります。さらに運用資金に余裕があるようなら外貨建て終身保険という選択肢もお勧めいたします。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

保険の選び方がわからない…
そんな方は!

 

あなたの保険をパーソナライズ診断
\ AIが最適な加入方法を分析 /

  

【PR】
この記事をシェア
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEでシェア
  • Twitterでシェア
  • facebookでシェア

WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

この記事を読んだ人は
こちらの記事も読んでいます

YOU MAY ALSO LIKE THIS ARTICLE

カテゴリーで絞り込む
タグで絞り込む
あなたは何タイプ?

パーソナライズ診断

診断を開始する

あなたは何タイプ?

Webメディア

マガジンをみる

あなたは何タイプ?

最適な保険をご提案

保険相談する