著名人・専門家コラム

2023.12.28

外貨建て保険が見直される時期がくる?【住宅FP関根が答える!Vol.83】

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。ここ数年、生命保険不要論がささやかれることが多くなりました。きっかけはYouTuberを始めとする情報配信者の方が、日本では健康保険制度や高額療養費制度などを利用するため入院保険やがん保険は必要のないものだと発言することが多くなったためです。

そういった中で同じように否定されることが多くなったのが貯蓄性のある外貨建て保険だと思います。多くのインフルエンサーと呼ばれる人たちが、外貨建て保険は保険会社の手数料が高く、その分リターンが落ちてしまうため、外貨建て保険で老後の資金を準備するならばNISAを活用して、手数料の低いインデックスファンドで増やしたほうがいいといった考え方を発信するようになったためだとと思います。

こういったここ数年のトレンドに対し、私が思うところは、一部の考え方は大変正しいと思いますが、残念ながら考え方に大きなバイアスが働いてしまっているとも考えています。正しい考え方として、運用率の良し悪しで考えるなら外貨建て保険で運用するのではなく、NISAを中心とした手数料の安いインデックス投資などで備える方が効率は良いということです。

NISAと外貨建て保険

一般的な外貨建て保険は40歳の人が60歳まで積み立てし、その後解約返戻金が支払い保険料の120%程度になり、そこから毎年少しずつ増え続け、80歳位のときには160%から180%程度まで増えているというパターンが多いと思います。一方でNISAを利用しインデックスを積み立てていった場合、年利3%で積み立てていても、20年後で136%程度となり、年利5%で積み立てていた場合、173%程度のリターンが得ることができます。ただ、ここで考えなければいけないのは「今後も同様のリターンが期待できるのか」ということです。

株式市場の変化

人は直近の経験に左右されるものです。日本で多くの方が運用を始めるようになったのは、おそらく積立NISAが開始された2018年頃からだったと思います。2018年から現在までの株式相場は、新型コロナウィルス初期のころ、一時的に暴落した瞬間を除いて一本調子に上がってきており、運用初心者の人でも簡単に利益を出せるような相場でした。こういった運用を始めたときから上昇相場ばかりを見ている人は、株式相場は今後も上がり続けるものだと考えてしまう人も多いと思います。

この株式相場が上昇し始めたのは2008年のリーマンショック後です。リーマンショックによる世界的不況が来たため、世界中の中央銀行が量的緩和策を打ち出しました。これにより市場に流通する通貨の量が大幅に増え、資金は株式や不動産市場に集中しました。これにより、株式や不動産の価格が大幅に上昇したといった流れがあります。昨年、米FRBが金融引き締めを発表し、さらに世界中の中央銀行が続くように金融引き締めに動いてきており、やや風向きは変わってきています

ここで考えなければいけないのは今後の株式相場です。長い目で見たときにはまだ世界的に人口も増加していきますし、アメリカにおいても2050年頃までは人口が増え続けるともいわれているため、株式の上昇余地はあります。ただここ十数年間の異常ともいえる株式相場の上昇が、今後も永遠に続くとは考えにくく、停滞する時期も来ると考えています。

そういった将来の相場も踏まえ私自身の考えとしては、今後も引き続き長期の運用はNISAを利用したインデックスなどの投資信託での運用が中心になってくるというのは変わらないのですが、株式一辺倒の資産配分ではなく、今後は本当の意味での分散投資が必要になってくると考えます。その中で年齢によってポートフォリオのバランスを変えていきます。

例えば運用期間が比較的長く取れる20代30代の方は株式の割合を多めにし、50代60代など、人生における収入のゴールが見えているような年代になった場合、無理はせずに株式の割合は少なめにします。40代はその中間です。そのほかの資産と組み合わせながらポートフォリオを組むのが良いと考えます。株式系の投資信託と組み合わせる資産は、債券型の投資信託はもちろんですが、ここに入ってくるのが外貨建て保険だと考えます。

まとめ

人は自分自身の経験から物事を判断してしまうため、過去に株式は何度も暴落していると伝えられても、ここ数年で運用を始めた人には響かないことと思います。一方で、私個人としては、ITバブルの時に株式投資を始め、ITバブル崩壊を経験、リーマンショックによる株価の大暴落を経験、東日本大震災で株価の底を知り、チャイナショックを経験しました。
期間は短かったですが新型コロナウィルスによる一時的な株式相場の崩れを見ています。こういった下落相場を何度も見続けているからこそ、ここ数年で積み立て投資を始めた方の外貨建て保険は必要ないという一方的ともいえる意見にはなかなか賛同はできません。株式、債券、そして外貨建て保険、大切なのはこれらのバランスの取り方です。どれか1つに偏ってはいけないと考えています。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直

ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。

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