生命保険の選び方

2022.04.05

教育資金の準備方法は?学資保険やおすすめの貯蓄型保険を紹介!【FP監修】

子どもが産まれた夫婦にとって、教育費は大きな問題です。
中には、保険を利用して教育費を貯めたい、と考えている方もいらっしゃるかと思います。
そのような方には一部の貯蓄型保険の利用がおすすめです。
本記事では、保険で教育費を準備する際におすすめの貯蓄型保険を紹介します。
株式や債券など、他の金融商品で教育費を準備する際と比較しつつ、ご自身にとって最適な方法を選んでください。

教育資金の準備に役立つおすすめの貯蓄型保険

教育資金を保険で準備することを検討されている方向けに、おすすめの貯蓄型保険を紹介します。
教育資金を保険で準備する際のメリットは、契約者(親)に万一のことがあった際でも、契約時に設定した保険金を受け取れるため、教育資金を確実に準備できる点です。

逆に、デメリットとしては、株式や債券、投資信託などと比較すると、期待できるリターンが低い点です。学資保険を例とすると、返戻率102〜110%が目安です。
加入する時期によっては上記の数字よりも低くなるかもしれません。

株式投資のリターンは投資対象や運用方法によって変わります。
例として金融機関による日本(TOPIX)・アメリカ(S&P500)・全世界の株式、それぞれに投資した場合の利回りを記載します。

過去データから算出した積立投資平均利回り
投資対象 リターン(年利) リターン(複利・18年)
 日本(TOPIX)  1.43%  14.0%
 アメリカ(S&P500)  3.84%  43.8%
 全世界  3.62%  40.7%
参考:千葉銀行|つみたてNISAの平均利回りは?ファンド選びで重要な3つのポイント

学資保険と同じように返戻率で考えると、日本(TOPIX)に投資した場合は18年で114.0%、アメリカ(S&P500)で143.8%、全世界の株式に投資した場合で140.7%です。
特に、アメリカ・全世界に投資した際のリターンは学資保険の返戻率を大きく超えるため、教育資金の目標額が同じ場合、株式投資の方が少ない資金で到達できます。
このことから、効率的に教育資金を準備したい方には、貯蓄型保険で教育資金を準備することは向いていないと言えます。

ただし、毎月一定額を積み立て投資する方法で教育資金を準備する際は、途中で親が亡くなると、運用を停止せざるを得ないでしょう。その時の状況次第ですが、教育資金が不足する可能性もあります。
また、元本割れのリスクも貯蓄型保険よりも高いです。

貯蓄型保険と投資のメリットデメリット比較
  貯蓄型保険 投資
メリット

・確実に一定額を確保できる

・貯蓄型保険よりも少ない資金で準備できる
デメリット ・利率が低い ・運用成績に左右される
・運用中に親が亡くなると資金が不足する可能性がある
・元本割れのリスクが高い

確実に教育費を準備したい方には、貯蓄型保険が向いています。
保険で教育資金を準備するメリット・デメリットを踏まえた上で、参考にしてください。

学資保険

保険で教育資金を準備する、と考えた際に、学資保険が最初に思いつく商品かと思います。学資保険に加入すると、私たちが支払う保険料の一部を保険会社が運用します。
この運用益から子どもの成長や進学するタイミングに合わせて、祝金や満期保険金が支給され、保険加入者は教育費として利用できます。

学資保険に加入後、契約者(親)に万が一のことがあった際は、以後の保険料の支払いが免除されつつも、祝金や満期保険金を受け取れるため、万一の保障と教育費の準備の両立が可能です。
ただし、保険料の支払いが困難となり、途中で解約する際は、支払った保険料の総額よりも受け取れる解約返戻金の額が少なくなる「元本割れ」が起きるケースがほとんどです。
そのため、保険料を支払い続けることが困難ではないか、という点を加入前にご確認ください。

学資保険の利率(返戻率)を高くするために

学資保険の利率(返戻率)は株式や債券など、他の資産運用と比較すると低いですが、少しでも利率(返戻率)を高くするための方法を紹介します。

  • 加入時期をなるべく早くする
  • 保険金を受け取る時期をなるべく遅くする
  • 半年払い、年払いなど、支払う保険料を少なくする

 

一般的には、これらの点を意識すると、学資保険の利率(返戻率)は高くなります。
保険で資産運用する際は、運用期間の長さが利率(返戻率)に直結します。
そのため、なるべく早いタイミングで学資保険に加入し、保険金を受け取るタイミングを遅くすることで、運用期間を長くすることを意識してみてください。

また、受け取る保険金の額に対して、支払った保険料の総額が少ないと、利率(返戻率)は高くなります。

保険料の支払い方法は以下の種類があります。

月払い
保険料を毎月支払う

半年払い
半年分の保険料をまとめて支払う

年払い
1年分の保険料をまとめて支払う

全期前納
前もって保険料の全額を保険会社に預ける

一時払い
契約時に今後支払う保険料を前もって一括で支払う

余裕があれば、半年払いや年払いを検討してみてください。

ただし、保険料の支払総額を減らすために無理をすると、家計が厳しくなり、学資保険を解約せざるを得ない状況になることも考えられるため、無理なく保険料を納めることを念頭に置きつつ、支払う保険料を減らす工夫をしてみてください。

学資保険の特約に注意する

学資保険には、子どもの医療特約など、特約を付加できる商品もあります。
ただし、特約を付加すると、保険料の支払いが増えるため、利率(返戻率)が下がる点にはご注意ください。

終身保険

学資保険の他には、終身保険に加入することでも教育資金の準備が可能です。
終身保険は、被保険者が亡くなった際や所定の高度障害状態になった際に、保険金を受け取れる貯蓄型保険です。

保険料が掛け捨てではなく、貯蓄性があるため、教育資金が必要なタイミングで解約することで、教育費を捻出できます。
終身保険を解約すると解約返戻金を受け取ることができます。
解約返戻金は、保険期間が長くなるほど、受け取れるお金が増えます。
一定期間を過ぎるまでは、解約返戻金の額は支払った保険料の総額よりも少なく、特に契約直後に解約する際は、解約返戻金の額が支払った保険料の総額を大きく下回るため、ご注意ください。

終身保険にはいくつか種類があり、その中で、教育資金を準備する際におすすめの商品を紹介します。

低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険は、保険料を支払い続ける期間中の解約返戻金を少なくする代わりに、保険料が割安になっている商品です。
保険料が割安なため、保険料の支払いが終わった後に受け取れる解約返戻金の利率(返戻率)が高い点がおすすめの理由です。

保険料の支払いを終える時期を大学受験のタイミングなど、教育資金が必要なタイミングに合わせることで、解約返戻金を教育資金として利用できます。

外貨建て終身保険

外貨建て終身保険は、支払った保険料が外貨で運用される商品です。外貨で運用する際の利率は円での運用よりも高い傾向にあるため、高い利率(返戻率)が期待できます。

ただし、死亡保険金や解約返戻金は外貨で受け取るため、相場の影響を受ける点には注意が必要です。
米ドルを例に考えると、1ドル=100円のときの100ドルは円換算すると、1万円ですが、1ドル=90円のときの100ドルは円換算すると、9,000円になります。
このように、受け取れる死亡保険金や解約返戻金の額が相場次第では少なくなる可能性があります。
もちろん、相場が良い時は受け取れる額が増えます。
教育資金が必要なタイミングでの為替相場によって、準備した金額が変動する点では、安定性に欠けます。

また、円を外貨に交換する際の手数料や契約・解約時に手数料がかかる点など、円建て保険にはない手数料がかかる点はデメリットです。

メリット・デメリットがある商品なので、商品の特徴をよく理解した上で、ご利用ください。

終身保険で教育資金を準備する際のメリットと注意点

教育資金を終身保険と学資保険で準備する際のメリットを比較します。

終身保険の場合は、解約するタイミングを契約者が選べる点がメリットと言えます。
学資保険の場合は、保険期間に制限があるため、一定のタイミングで解約する必要があります。
ある程度好きなタイミングで教育資金を受け取りたい方には終身保険が向いていると言えるでしょう。

ただし、終身保険を教育資金として利用する場合、解約後は同じ条件で加入できない点には注意が必要です。再び終身保険に加入する際は、年齢が上がっているため、保険料は確実に高くなります。

そもそも教育資金はどのくらい必要?

教育費を準備するにあたって、そもそもどのくらい必要か、という点は大切ですよね。
ここでは、文部科学省のにあるデータをもとに、子どもの教育費についてみていきます。

幼稚園~高校までの学習費平均額
学校区分 国公立 私立
幼稚園 約65万円 約150万円
小学校 約193万円 約960万円
中学校 約146万円 約420万円
高校 約137万円 約290万円
合計 約541万円 約1,820万円
※参考:平成30年度子供の学習費調査の結果について|文部科学省
大学の入学金・授業料平均額
学校区分 国立 公立 私立
入学金 約28万円 約39万円 約25万円
年間授業料 約54万円 約54万円 約90万円
在学中総額 約243万円 約255万円 約387万円

参考:国公私立大学の授業料等の推移|文部科学省

2つの表から、幼稚園〜大学まで、全て国公立に通う場合は約800万円全て私立に通う場合は約2,200万円の教育費が必要、ということになります。

これら全ての費用を一度に準備する必要はないですが、幼稚園や小学校などに子どもを通わせている最中に将来の教育費を準備する必要はあります。数百万円単位の教育資金が必要なことから、大学進学のために必要な教育資金を中心に、早いうちから準備することをおすすめします。

まとめ

教育資金の準備を保険で考えている方におすすめな貯蓄型保険は、学資保険と終身保険です。
教育資金だけを目的としている場合は学資保険で備えることをおすすめします。
その際は、運用期間を長くする、支払う保険料を少なくする、といった工夫をすると、利率(返戻率)が高くなります。

子どもの教育費の総額は800万円〜2,200万と高額なため、早い段階から計画的に準備することをおすすめします。
保険で準備することもメリット・デメリットを踏まえた上で、教育費の準備に取り組んでください。

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。日本FP協会AFP認定者。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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