「銀行で保険に入れる!?」銀行窓販の歴史を解説

保険商品の銀行窓口販売(以下「保険の銀行窓販」)は、2001年4月1日より段階的に緩和が始まり、2007年12月22日に全面的に解禁されました。
銀行による保険販売は既に20年ちかくの歴史があります。
現在の法律では、銀行で生命保険も損害保険も全ての保険に加入できます。
(ただし、最近、銀行は取り扱い保険商品の数を絞り込む傾向にあり、実際にはえらべる保険商品は限定されています。)

今回は、銀行が「保険代理店」としてどのような歴史を歩んだのか、解説していきます。

ちなみに筆者はこの「銀行窓販」の業界で10年以上、銀行への「保険商品の導入」「プロ人材出向の提案」「銀行員の保険販売の支援」などの仕事に携わっておりました。その視点でもコメントをしたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。

銀行の保険販売(銀行窓販)の歴史

現在、銀行での保険販売は全面解禁されていますが、1990年代までは、銀行では一切保険を販売できませんでした。
銀行で保険販売が開始されたのは2000年代に入ってからです。
銀行での保険販売の歴史は4つのステージがあり、ステージごとに取り扱いできる保険商品が増えてきました。
では、日本の銀行における保険販売の歴史を振り返ってみましょう。

第1ステージ(2001年4月~)

銀行による保険の窓口販売は、2001年(平成 13年) 4 月から開始されました。
これが銀行窓販第1次解禁といわれており、下記4商品の取り扱いがスタートしました。
取扱商品は4つありましたが、実質、当時の取り扱いは住宅ローン顧客に対する「住宅関連長期火災保険」のみを取り扱う銀行がほとんどでした。
 
 
■生命保険
・住宅関連信用生命保険

■損害保険
・住宅関連長期火災保険
・住宅関連債務返済支援保険
・海外旅行傷害保険

 

一部の商品のみが解禁された背景

当初、銀行における保険販売が緩やかに解禁されていきた背景はさまざまですが、「預金者」という見込み客のリストを大量に抱える銀行で保険販売が本格化する事に対して、既存の保険会社とバッティングする懸念を持った保険業界から、反対意見や問題提起があったと言われています。日本では特に銀行に対する信頼は高いため、「顧客が保険会社から銀行に流れるのでなないか?」と、保険業界も余計に慎重になったと言えるでしょう。
また、銀行側も十分な保険販売のスキルや知識がないままの全面解禁については慎重な姿勢があったことも事実です。

第2ステージ(2002年10月~)

銀行窓販第2次解禁は、2002年(平成 14年) 10 月~で、主に生命保険と損害保険とも年金系商品の取り扱いがスタートしました。

■生命保険
・個人年金保険
・財形保険

■損害保険
・年金払積立傷害保険
・財形傷害保険

一時払商品が主流に、商品スペック競争が激化

個人年金保険の解禁により、預金者に対する保険販売が本格化しました。個人年金というと、毎月コツコツ積み立てるイメージがあるかと思いますが、この時期に保険会社から銀行に提供されていた個人年金は一時払(契約時に一括で支払う払い込み方法)の商品が主流でした。
普通預金や定期預金に預けっぱなしのお金を、銀行を通じて一括で保険会社に払い込み、契約するという商品が大きな流行となりました。
銀行は主に50代~70代の、余裕資金がある世代に対して積極的に販売を推進していました。

当時の主力商品は変額個人年金保険という商品です。変額個人年金保険とは、運用実績によって将来に受け取る年金額や解約返戻金が変動する、投資信託を組み込んだ年金保険商品です。
当時銀行では保険に先んじて投資信託の販売が解禁されていました。銀行の顧客はそもそもリスク許容度が低い(リスクを嫌う)傾向にあったため、投資信託のように価格が相場環境によって大きく変動する元本が保証されない金融商品と、預金や債券などの元金が保証される比較的リスクが低い金融商品の、中間のリスクに位置するともいえる変額年金保険には一定のニーズがあったと言えます。

特に、この時期に銀行で爆発的に販売された変額個人年金保険商品は、満期まで解約をせずに保有すれば、運用実績に関わらず契約当初に支払った一時払保険料を最低保証する、という商品です。
ここでのポイントは、途中で解約した場合は、最低保証がないという点です。
一方で、「この保険は定期預金とおなじような仕組みです」「満期までもてば利息がつきます」という誤解を与えるような誤った販売手法があったとも言われ、預金者の中にはこのような商品を元本保証と勘違いをしてしまい、大きなトラブルになるケースもみられるようになりました。(現在では、預金との誤認を防止する措置として、顧客が説明を理解したことについて、書面を用いて確認することとされています。)

ちなみにこの時期になると、銀行での保険販売の実績が大きなビジネスチャンスと気づいた保険会社が、こぞって同じような仕組みの商品を開発し、商品スペックの競争が激化する状況になりました。
「10年保有すれば最低保証」
「5年保有すれば100%最低保証」
「5年保有すれば105%最低保証」
「10年保有すれば110%保証」
「運用実績が一度でも130%以上に増えれば運用成績が悪くなった状態で満期を迎えても130%保証」
・・・などなど、どんどん開発競争はエスカレートしていきました。(私は当時この片棒を担いでいました)

顧客にとって良い商品は、保険会社にとっては利益が減る構造があることも事実です。
後に、この商品スペック競争は当時銀行窓販をメインの販売チャネルとして進出してきた保険会社の経営を圧迫することになります。

第3ステージ(2005年12月~)

銀行窓販第3次解禁は、2005年(平成 17年) 12 月~で、貯蓄性のある一時払い終身保険や一時払い養老保険などの取り扱いがスタートしました。

■生命保険
・一時払い終身保険
・一時払い養老保険
など

■損害保険
個人向け賠償保険
積立火災保険
積立傷害保険
など

リーマンショックによる運用実績の悪化

この時期に起こったリーマンショック2008年9月にアメリカの有力投資銀行であるリーマンブラザーズが経営破綻したことをきっかけに世界的な株価下落・金融危機が発生したことを指します。)により、世界的な株価の大暴落が起き、第3ステージで解説した、満期時最低保証の商品は、ほぼすべての商品の運用実績が悪化し、銀行窓販を専門として展開していた外資系の保険会社が日本から次々に撤退したり、事業部門を閉鎖する自体となりました。(ハートフォード生命、ING生命など)

第4ステージ(2007年12月~)

銀行窓販第4次解禁は、2007(平成 19)年 12 月~で、この第4次解禁で、原則、銀行ですべての保険商品の販売が可能になり、現在に至っています。

■生命保険
・定期保険
・平準払終身保険
・長期平準払養老保険
・医療・介護保険
など

■損害保険
・自動車保険
・団体火災保険
・事業関連保険
・団体傷害保険
など
 
第3次解禁までの銀行の保険販売は、特に事業性融資先などへの優先的地位の乱用になる恐れがあるということで、法人などへの事業性融資先への保険販売は不可となっていました。
しかしこの第4次解禁では、事業者融資先への保険販売も緩和されています。(ただし、一定の保険商品は、事業性資金の融資先に対し手数料を得て保険募集を行ってはならない、事業性融資申込中の預金者に対し保険募集を行ってはならない、などの規制が設けられています。)

銀行窓販での売れ筋商品は?

保険会社の商品がすべて解禁されたとはいえ、この時期にも銀行窓販の主力商品は前述の一時払系の商品がメインでした。
すこしマニアックな話ですが、平準払い商品(月払や年払など、保険料を分割して支払う)も全期前納(まだ払込期月がきていない将来の保険料の全てをあらかじめまとめて払い込む方法)での契約がメインとしてひろがりました。依然として50歳~70歳ほどの年齢の顧客が契約者の大半を占めました。
銀行にとって、資産形成層一般的に30代から40代の収入や私生活も安定してきている人たちをさします)の収益化は経営課題となり久しいですが、ネットバンキングなどの普及、浸透もあり、若い世代の銀行離れが加速し、なかなか進展していないのが現状です。この世代に対して保険販売や投資信託の販売をトライした銀行もありましたが、結局、事務作業や顧客管理のコストの割に、銀行への収益としての貢献度は相対的に低く、最近では縮小傾向にあります。
 
参照資料:金融庁|銀行等の保険募集に関するモニタリング結果について平成 19 年 10 月 

 

補足:団信(団体信用生命保険)について

通常、団体信用生命保険は、通称、団信(だんしん)と呼ばれています。
団体信用生命保険とは、住宅ローンの債務者が万一住宅ローンの返済期間中に、死亡または高度障害の状態になったとき、住宅ローンの支払いが免除される保険です。
マイホームを購入する際はセット加入するケースがほとんどですので、知っている人もいると思います。万が一のときに、家族に住宅ローンの負担がのこらないようにするための保険です。

団信(だんしん)の歴史

団信は、1980年(昭和55年)に、当時の住宅金融公庫融資利用者を被保険者とする公庫団体信用生命保険特約制度(公庫団信制度)としてスタートしました。
その後、2007年(平成19年)に住宅金融公庫を承継した独立行政法人住宅金融支援機構の設立に伴い、公庫団信制度は機構団信制度に名称が変わりました。
住宅ローンには主に、民間の銀行などの住宅ローンと、独立行政法人住宅金融支援機構のフラット35などがあり、それぞれ団体信用生命保険はあります。
団信は、独立行政法人住宅金融支援機構のフラット35では任意加入ですが、民間金融機関の住宅ローンでは団信への加入は必須になっているのが一般的です。

団体信用生命保険(団信)と生命保険との違い

団信と一般的な生命保険との主な違いは、下記の3つです。

・保険料は住宅ローンの金利に含まれています。
・保険金の受取人は、住宅ローンを融資した銀行です。
・保障期間は、住宅ローンの返済期間です。

多少の違いはあるものの、万が一の際に、家族に家をのこせる、という意味では生命保険と同じです。
また、銀行ごとにバラつきはありますが、団信はいくつかの特約が用意されています。
最も有名な特約付き団信は、「3大疾病保障付き団信」で、死亡や高度障害状態の時だけではなく、住宅ローンの利用者(債務者)が、「がん」、「脳卒中」、「急性心筋梗塞」のいずれかによって所定の状態になった場合にも保険金が支払われる(住宅ローンが免除される)というものです。
さらに、3大疾病に加えて、「高血圧症」、「糖尿病」、「肝硬変」、「慢性腎不全」、「慢性膵炎」などの生活習慣病を含む8つの病気のいずれかによって所定の状態になった場合にも保険金が支払われる「8大疾病保障付き団信」という特約付き団信などもあります。 

まとめ

今回は、銀行の保険販売の歴史を中心に解説しました。
今後の保険マーケットは新型コロナウイルスの蔓延、テレワーク、インシュアテックなどの技術革新によって、保険の販売スタイルそのものも今後大きく変貌することが予想されます。
銀行においても、長引くゼロ金利政策の関係もあり、取り巻く経営環境は厳しいものがあります。
現在は、商品ラインナップにバラつきはあるものの、保険会社でも、保険代理店でも、銀行でも、百貨店でも、家電量販店でもあらゆるチャネルで保険に加入できます。
どこでも加入できるということは、ある意味「どこではいっても」同じとも言えますね。

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※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局
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