保険の基礎知識

2023.03.23

がん共済とがん保険は何が違う?比較してわかるメリット・デメリット【FP監修】

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。日本FP協会AFP認定者。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。

がんによる治療費負担に備える方法として、がん保険のほかにがん共済があります。どちらも一見すると保障内容は似ていますが、どこに違いがあるのでしょうか。また、共済に加入する際に注意すべきポイントはあるのでしょうか。

この記事では、がん共済とがん保険の違いやメリット・デメリットを解説します。がん共済を検討する際に参考にしてください。

がん共済とがん保険を比較!2つの違いとは

共済とは、私たちの生活を取り巻くさまざまなリスクを組合員の全員で分担し、助け合うという意味を持ちます。つまり、組合員の誰かが困ったときに、他の組合員で助け合いましょうということです。

共済の場合は共済掛け金(保険でいう保険料)を加入者で負担し、万が一のリスクに遭遇した人にその共済金が支払われる仕組みが取られています。これは、保険の仕組みと同じですね。

このように相互扶助の精神は共済も保険会社も共通ですが、いくつか異なる点もあります。では、共済と保険は具体的にどのような点が異なるのでしょう。

加入資格の違い

がん共済には加入資格があり、原則として共済の組合員またはその家族しか加入できません。一方、がん保険は誰でも加入できるのが違いです。

共済の組合員になるには、本人または家族が公務員である、特定の都道府県に居住している

など、組合によってさまざまな条件があります。

事業の目的の違い

保険会社は民間企業であり、その事業は営利を目的としています。一方、共済は組合が非営利目的で行っている事業であるという違いがあります。

出資者や利用者、運営のすべてが組合員で構成されている共済は、利益よりも組合員がお互いに助け合うことを目的としています。

保険会社のなかには組合に近い相互会社という形態を取るところもありますが、多くは株式会社です。そのため、契約者に保険契約というサービスを提供しながら、出資者である株主のために利益を出すことを最終的な目的としています。

適用されるルールの違い

組合であるがん共済と会社であるがん保険は、それぞれ根拠とする法令と監督官庁が異なります。がん保険は保険業法に基づき、金融庁の監督のもと、保険の募集などの事業を運営しています。

一方、代表的な共済のひとつであるJA共済は農業協同組合法、生協は消費生活協同組合法などのように、共済は根拠法令が異なります。また、農業協同組合法は農林水産省、消費生活協同組合法は厚生労働省と、監督官庁も異なります。

がん共済のメリット

がん共済とがん保険は一見似ていますが、違いもあることを解説しました。ここでは、がん保険ではなくがん共済を選ぶメリットを3点紹介します。

がん保険よりも割安

一般的にがん共済では、がん保険よりも安い掛け金で保障を受けられます。相互扶助の考え方から非営利で運用されていることにより、掛け金を安くできるためです。がん共済なら年齢に関係なく月々1,000円から申し込める商品も珍しくありません。がんになった時に備えたいけど、毎月の支払額を抑えたいという人には特におすすめです。

割戻金を受け取れることがある

非営利で運営されているがん共済では、運営コストが予想よりも低かったり、共済金の支払いが少なかったりすることで生じた剰余金が、加入者に割戻金として返還されます。掛け金として支払ったお金の一部が戻ってくるため、加入者からしてみれば掛け金が実質的にさらに安くなっているのと同じです。

保障内容がシンプルで選びやすい

がん共済はがん保険と比べると保障内容はシンプルなものばかりです。商品の選択肢が少ないため、がん保険のようにさまざまな商品を比較しながら選ぶ手間がかかりません。プランを選んだら最低限の必要事項を申込書に記入して提出するだけで加入手続きも完了します。

がん共済なら商品を選ぶ手間、事務手続き負担の両方が軽減できるのがメリットです。

がん共済のデメリット

ここまでがん保険と比較した際のがん共済のメリットを紹介しましたが、がん共済にもデメリットがあります。メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、がん保険とがん共済のどちらが自分には合っているのか考えてみましょう。

保障内容が手薄になる可能性がある

がん共済はがん保険よりも掛け金が安い傾向がありますが、その分、保障は手薄である可能性に注意しましょう。たとえば、多くのがん保険では先進医療を通算2,000万円まで保障としていますが、がん共済では通算1,000万円が上限とされていることがあります。

共済を検討する際は、自分が必要とする保障が受けられるか、掛け金と保障内容は見合っているかを確認するようにしましょう。

保障内容の選択肢が少なく、掛け金が割高になることも

がん共済では商品ごとの保障内容はあらかじめ決められており、自分で好きなようにカスタマイズできません。そのため、ある程度保障内容が充実しているプランには自分に必要のない保障も含まれている可能性があります。この場合、いらない保障に対しても掛け金を支払うため、掛け金が割高になってしまうのがデメリットです。さらに、商品ラインアップ自体が少ないため、ほしい保障がそもそも取り扱われていないケースもあるかもしれません。

自分に必要な保障を選んで組み合わせたい人や幅広い商品から選びたい人は、がん保険のほうが向いている可能性があります。

もしもの時に加入者は保護されない

決して数は多くありませんが、もし保険会社が破綻したら保険契約はどうなってしまうのでしょうか。そのようなもしもの時に契約者を保護するため、保険会社は生命保険契約者保護機構への加入が義務付けられています。

しかし、共済には生命保険契約者保護機構への加入義務はありません。非営利目的で運営されている共済の破綻リスクは低いといわれていますが、万が一のことがないとはいえません。共済に加入する際は念のため覚えておきたい項目です。

まとめ

がん共済、がん保険のどちらも、がん治療による経済的リスクに備えることを目的としていますが、加入資格や事業目的に違いがあります。また、それぞれに掛け金は安いが保障内容を自由に選べないなどのメリット・デメリットがあることも解説しました。

共済と保険のどちらが適しているかは、ひとりひとりの状況によって異なります。もしもの時の必要な保障内容や保障額が検討する際のポイントになるでしょう。がん共済に関心がある人に、この記事が参考になれば幸いです。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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