保険の基礎知識
2021.08.17
生命保険料控除とは?わかりやすく解説!
生命保険料控除制度とはどんな制度かご存じですか?
ひとことでいうと「税金の負担が軽くなる」制度です。
ここでは、生命保険料控除について制度の仕組みや、控除額の計算など詳しく説明します。
生命保険控除とは、年間で支払った生命保険料などに応じて、一定の金額が契約者のその年の課税される所得から差し引かれる制度です。
所得から差し引かれる、つまり税金の対象となる所得が減るので、負担すべき所得税や住民税の額を抑えることができます。
ただし、差し引かれる金額は、年間に支払った保険料すべてという訳ではなく上限が決められています。
■生命保険料控除には種類があります
生命保険料控除には、契約日が2012年(平成24年)1月1日以降のものから適用される「新制度」とそれ以前の契約日のものに適用される「旧制度」があります。
旧制度では「一般生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」の2種類でしたが、新制度では「介護医療保険料控除」が新設され3種類となりました。
1.一般生命保険料
保険金受取人が、契約者かあるいは配偶者、その他の親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族)である保険の保険料です。
死亡保険や学資保険などの保険料が該当します。
2.介護医療保険料
入院や通院など医療費支払に起因して保険金・給付金が支払われる契約の保険料です。
医療保険やがん保険、介護保険の保険料が該当します。
3.個人年金保険料
次のすべての条件を満たし、個人年金保険料税制適格特約を付けた個人年金保険の保険料のことです。
・年金受取人が契約者またはその配偶者のいずれかであること
・年金受取人は被保険者と同一人であること
・保険料払込期間が10年以上あること(一時払いは対象外)
・年金の種類が確定年金や有期年金の場合、年金受取開始が60歳以降で、かつ年金受取間 が10年以上であること
※個人年金保険で「個人年金保険料税制適格特約」を付加していない場合や、変額個人年金は、一般生命保険料控除の対象です。
■年間払込保険料と控除される額は?
年間払込保険料は、その年の1月1日から12月31日までに払い込んだ保険料です。
支払った保険料が新制度に該当するか、旧制度に該当するかによって計算方法が異なります。
■生命保険料控除の申告方法は?
生命保険料控除を受けるためには、保険会社が発行する証明書、領収書等を確定申告書に添付するか提示する必要があります。
サラリーマンなどの給与所得者は、年末調整のときに会社から提出を求められることが多く、その場合には確定申告の際には必要ありません。
・年末調整
年末調整は企業(事業主)が行う手続きで、その年の最後の給与を支払うときに行います。
生命保険料控除を受けるには、10月下旬ごろから11月上旬ごろ、契約している生命保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」と会社から渡される「保険料控除等申請書」を一緒に会社に提出しましょう。
・確定申告
年末調整がない自営業の方は、確定申告で生命保険料控除も行います。
翌年の2月16日~3月15日までの所得税の確定申告時に、控除額を確定申告書の第一表「所得から差し引かれる金額」の「生命保険料控除」の欄に記入し、「生命保険料控除証明書」を添付して提出することで控除を受けることができます。
(国税庁のホームページから)e-Taxで確定申告する場合は、証明書の添付を省略できます(証明書は5年間保存してください)。
・生命保険料控除証明書をなくしてしまったら?
生命保険料控除証明書を紛失した場合には、再発行できます。保険会社のお客様窓口などに連絡して再発行をしてもらいましょう。保険会社によって違いますが、手続き開始から1週間程度で再発行されることが多いです。
■まとめ
年末調整や確定申告の際に、3種類すべての生命保険料控除を使っいきっている方はあまり多くないようです。利用している保険料の多くが一般生命保険料に該当していて、介護医療保険料や個人年金保険料に該当するものが少ないというケースが多いのかもしれません。せっかく税負担が軽くなるのですから上手に活用していきたいですね。
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リアほMAGAZINE編集局
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