保険の基礎知識

2021.07.23

傷害保険とは?医療保険との違いを解説

傷害保険は、「急激」「偶然」「外来」的に起こったケガや事故を補償してくれる保険です。

入院や通院、手術に備えておくことができますが、補償の対象が医療保険より狭く、ケガによる死亡や後遺障害などに対して手厚く備えておくことができるのが傷害保険の特徴です。

この記事では、傷害保険はどういった保険なのか、加入の際のポイントなどをわかりやすく説明していきます。

傷害保険とは?医療保険との違い

傷害保険は「ケガや事故」に対する保険で、損害保険会社が取り扱っています。
骨折など入院や手術を伴うようなケガの場合は、医療保険でも補償してもらえる場合が多いですが、つまずいて転んでしまったなどのちょっとしたケガでの通院に対しては、医療保険では補償してもらえません。
傷害保険は、医療保険では補償されない「ケガや事故」にも備えておくことができることが特徴です。

どんな保険金が受け取れるの?

傷害保険では一般的に、「死亡・後遺障害保険金」「入院保険金」「手術保険金」「通院保険金」の支払いが受けられます。
具体的には、事故の日から180日以内に死亡したり、後遺障害が生じたり、入院・手術・通院をしたりした場合に保険金が受け取れます。
「通院保険金」は90日が上限となっているものが多く、総支払金額の上限や、手術の給付金額の支払い回数の制限などがそれぞれ設定されていますので、加入の前に支払い条件の確認は必要です。

医療保険との比較で見る傷害保険の特徴

病気は補償対象外

傷害保険は「ケガ」に対する補償に限定されているので、病気は補償の対象に含まれません。
補償の対象が医療保険より狭くなっている分、「ケガ」に対しての補償が厚いのが傷害保険の特徴です。
「ケガ」による死亡に備えておくことができるところも、入院や手術がベースの医療保険との大きな違いです。

病歴の告知は不要

医療保険の加入時には「告知」という病歴などの申告が必要になりますが、傷害保険には病歴の申告は必要ありません。その代わりに、保険に加入できるかどうかは、職業で判断されます。
自転車レーサーやプロボクサーなど著しく危険度の高い職業についている場合には、契約が出来ない場合もあります。

保険金の請求が簡単

傷害保険の場合、金額が10万円以下の場合など、少額の場合にはお医者さんの診断書なしで保険金の受け取りができるようになっています(通院の証明として、領収書や診察券のコピーなどを添付することが多いです)。

傷害保険が支払われる場合・支払われない場合

傷害保険の保険金が支払い対象になるケガには、3つの条件があります。

「急激」

急激とは、突発的な事故によるケガということです。
たとえば、物につまずいて転倒してしまったことによるケガであったり、階段を踏み外したことによるケガなどを指します。
そのため、靴ずれやしもやけ、疲労骨折のように、少しずつ発生したようなケガは、支払いの対象にはなりません。

「偶然」

偶然とは、予想できない事故やケガということです。
負荷をかけると状態が悪化するよと言われていたにもかかわらず、負荷をかけたことで起こったケガやケンカによるケガなど、十分に結果を予想出来るようなケガの場合は偶然の事故にはなりません。

「外来」

外来とは、からだの外から生じたケガということで、病気などからだの中で起こったことは対象にはなりません。
細菌性食中毒なども支払いの対象外とされています。

また、酒気帯び運転などのケガや危険性が高いスポーツ中のケガも補償の対象外です。

地震や津波によるケガは、基本的には支払いの対象外で、オプションにて支払いの対象とすることができる商品もあります。

いろいろな傷害保険の種類と注意点

職業によって保険料が変わる

傷害保険の保険料は、年齢や性別ではなく契約する人の職業によって、A級(事務員、販売従事者など)とB級(建築・土木作業者など)のように保険料が分けられており、危険度の高いB級の職業の人ほど保険料が高く設定されています。

年齢による保険料の違いはないものの、加入できる年齢や補償される年齢には上限がありますので、契約の際には確認が必要です。

色々な傷害保険と補償範囲

基本的な傷害保険は、国内外を問わず日常の中で起こるケガを補償する保険で、契約者だけが補償の対象となります。
補償の範囲を夫婦や家族に広げた、夫婦型の保険や家族型の保険もあります。
ただし、家族型保険の場合、配偶者や子供に対する補償額は、契約者本人よりも少ない金額に設定されていることが多いので注意が必要です。

また、傷害保険には交通事故に特化した「交通事故傷害保険」や、旅行に特化した「海外旅行傷害保険」「国内旅行傷害保険」などもあります。
「交通事故傷害保険」では、保険料が職業を問わず一律であったり、「海外旅行傷害保険」では病気の損害や細菌性食中毒も支払い対象になったりと、一般的な傷害保険とはそれぞれ違いがみられますので、目的によって加入する傷害保険を検討してみてください。

個人賠償責任特約

傷害保険には、個人賠償責任補償特約がつけられるようになっている場合が一般的です。
個人賠償責任特約は、他人にケガをさせてしまったなど、日常生活のなかで他人に与えてしまった損害による賠償を補償してくれるものです。
本人だけではなく家族も補償の対象になるのが特徴で、比較的安い料金で気軽に高額の賠償に対する備えが出来る一方、重複した契約で保険料の無駄が発生してしまうことも多くみられます。
他の保険で既に契約している場合もありますので、特約をつけようか迷った場合には、一度加入済みの保険を確認してみることをおすすめします。

まとめ

傷害保険は、「急激」「偶然」「外来」的に起こったケガや事故を補償してくれる保険です。入院や通院、手術に備えておくことができますが、補償の対象が医療保険より狭く、病気は補償の対象に含まれません。
ケガによる死亡や後遺障害などに手厚く備えておくことができるのが傷害保険の特徴です。
本人だけではなく家族も補償されるもの、交通事故に特化したもの、旅行に特化したものなど、さまざまな種類がありますので、目的に合わせて傷害保険の種類を検討するのもおすすめです。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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