損害保険・少額短期保険

2024.03.22

ペット保険でのトラブル防止のためのコツとは?どのようなトラブルがあるかも紹介【FP監修】

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。

「ペット保険の加入を検討しているが、トラブルが多いって本当?」
「保険金が支払われない?こんな場合はどうなる?」
ペット保険のトラブル防止にはどんなことに気をつけたらよいでしょうか。

大切なペットのために、ペット保険の加入を考えている方も多いでしょう。しかし、補償内容や補償の範囲は商品によって異なり、思いがけないトラブルが起こっているのが現状です。

本記事では、ペット保険にまつわるトラブルの事例に加え、トラブル防止のためのコツを紹介しています。

この記事を読むことでペット保険加入の前に、あらかじめトラブルになる事例や具体的な補償対象外の例を確認することができます。

トラブル防止のためには加入前にしっかりと保険の内容確認をすることが必要です。ぜひ、この記事をチェックしてみてください。

ペット保険の選び方については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

ペット保険にまつわるトラブル

ペット保険に加入をしたところ、予想していなかったトラブルに遭うことがあります。どのようなトラブルがあるのか気になっている方もいるでしょう。

ここでは、ペット保険にまつわるトラブルを11例紹介します。

動物病院で問題が起きた

詐欺に巻き込まれた飼い主さんがいます。動物病院の院長が、診察に訪れた飼い主をペット保険に加入させ、虚偽の明細書を使って保険会社から保険金をだまし取ったという事件が起きています。

ペット保険加入前にかかった病気やケガは補償対象外です。うっかり犯罪に巻き込まれないように気をつけましょう。

告知義務違反があったため解約された

加入の際に告知した内容が虚偽であった時は、保険金が支払われない、または契約解除の対象になります。ペット保険加入時には、人の医療保険などと同じように過去にかかった病気や、現在治療中の病気などをきちんと告知しなければなりません。

ペットの病気が補償の対象ではなかった

比較的ペットがかかりやすい病気でも補償対象外のケースがあります。ペット保険によって、同じ病気やケガでも補償の対象となる会社とならない会社があります。例として、小型犬に多い膝蓋骨脱臼(パテラ)という病気や、椎間板ヘルニアなどです。

加入の際には、どのような病気が補償の対象になっているかパンフレットやホームページで確認してみることが大切です。

更新時に補償の対象となる病気が減った

更新の際は、今まで補償されていた病気が補償対象外になる場合があるため気を付けましょう。ペット保険は1年ごとに契約を更新します。継続治療が必要になる慢性疾患、例えば心疾患や糖尿病などにかかった場合は、該当疾患の補償が対象外になります。

更新時の審査で保険の契約を継続できなかった

更新の際に慢性疾患になった場合や、保険金の支払限度額を使い切った場合は更新できないことがあります。更新できなくなる条件は保険会社によって異なります。

ペット保険の加入を考える場合は、保険料や補償内容だけでなく、更新時の内容についても理解しておくことが大切です。加入中の場合は、約款を確認して不明な点は保険会社へ問い合わせましょう。

ペット保険に加入した後に先天性の病気が見つかった

ペット保険に加入後に、先天性の病気が見つかった場合は、補償対象となるケースもあります。ただその場合も、契約期間中は補償されますが、次年度の更新後は補償対象外となります。

なお、そもそも加入前に発見されていた場合も補償対象外です。

補償割合について誤解していて全額保証ではなかった

保険会社の負担割合は、50%や70%の商品が主流です。ペット保険の補償割合は商品により異なります。保険会社の負担割合が大きい、つまり自己負担が少ないほど保険料は高くなります。

加入時には保険料とともに自己負担割合を確認することが大切です。

待機期間中に治療したため保険金が出なかった

ペット保険加入後の待機期間に病院に行った場合は、補償対象外です。待機期間後に治療を始めたとしても、待機期間中に発症していた病気ならば補償対象外になります。

待機期間とは、保険期間が開始された後、一定の期間中にかかった病気について補償されない期間のことです。待機期間は保険会社によって異なるため、加入時には忘れずに確認しましょう。

ペット保険加入後の待期期間については、以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。

限度回数や限度額を超えたため保険金が出なかった

多くのペット保険では、契約期間中の支払回数や1日(1回)あたりの支払限度額が決まっています。例えば、入院の回数制限が10日に設定されている場合、入院が長引いて30日間入院をした時、補償は10日分の入院費用となり、残りの20日分の入院費用は、補償対象外です。

また、一日当たりの支払限度額が30,000円、70%補償のプランに加入している場合を例にしてみましょう。入院して1日60,000円の診療費がかかった場合、60,000円の70%は42,000円ですが、1日あたりの支払限度額が30,000円のため、残りの30,000円は自己負担になります。

支払限度回数や支払限度額はペット保険により異なるため、加入前に確認することが大切です。

免責金額が設定されていたため保険金が出なかった

免責金額が設定されている場合、免責金額を下回るような少額の診療費では保険金が支払われません。免責金額とは保険会社が保険金を支払わなくてもよい金額のことです。

免責金額の設定は保険会社によって異なります。ペット保険を選ぶ際には、免責金額についてもしっかりとチェックしておくことが大切です。免責金額を設定しない代わりに保険料が高くなるプランもあります。

飼っているペットの年齢や健康状態を考慮して、最適なプランを選びましょう。

ペット保険の免責事項については、こちらの記事でも詳しく解説しています。参考にしてみてください。

ペットショップで保険加入の手続きをされていた

ペットショップでのペット保険加入は義務ではありません。

悪質なペットショップの場合、「セットになっているので加入が義務付けられています」などと言って契約手続きをする業者がいる可能性もあります。これは、独占禁止法第19条(一般指定第10項抱き合わせ販売等)によって禁じられています。

別のペット保険へ加入を考えていたのに断りづらくて加入してしまった場合は、クーリングオフ制度などを使って解約することも可能です。

参考:流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針|公正取引委員会

トラブルになりやすいペット保険の補償対象外の例

どのようなケースが補償対象外なのか分かりにくいものです。ペット保険の補償対象外になる場合、診療にかかる費用は全額自己負担になります。補償対象外のケースをあらかじめ知っておくと、トラブル防止につながります。

ここでは代表的な3例を見ていきましょう。

代替医療・健康診断

健康なペットに施した治療は補償対象外です。健康診断を受けて異常がなかった場合などは補償対象外です。他にも漢方薬やサプリメント、アロマセラピー、温泉療法や酸素療法、自然治癒力を向上させるホメオパシーなどの代替医療にかかった費用は保険の補償対象外です。

薬や注射、手術などの西洋医学的な治療を手助けする代替医療は、新しい治療として注目されています。しかし、かかる費用は全額自己負担になります。

予防に関するもの

病気予防目的での診療は補償対象外です。予防接種のワクチンやノミダニの予防措置費用、フィラリア予防薬などは補償対象外です。

しかし、補償外だからと言ってワクチンを接種しなかった場合、ワクチン接種で防げる病気に罹患した際の診療費について補償対象外になる場合がありますので気を付けましょう。

また、去勢や避妊することは病気の予防にもつながりますが、予防を目的とした去勢、避妊の不妊手術は補償対象外です。

先天性異常・既往症・既に病気である

ペット保険加入後に、先天性異常が見つかった場合は補償対象外になったり、次年度の更新ができなかったりする場合があります。

例えば、脊椎の形成異常によるウォブラー症候群や、股関節の異常形成による股関節形成不全といった先天性異常です。ウォブラー症候群や股関節形成不全は、主に大型犬種または超大型犬種で多発しますが、猫や小型犬種でも発症します。

心疾患、腎疾患などの病気にかかった場合も補償対象外になったり次年度の更新ができなかったりする場合があります。

また、ペット保険加入前に既に先天性異常が見られる場合や、心疾患などの病気を患っている場合は保険加入ができないことが考えられます。トラブル防止のためにも、加入の際はしっかり告知することが必要です。

ペット保険でのトラブル防止のためのコツ

これまで様々なトラブル事例を見てきました。こうしたトラブルを防ぐためには、いくつかのコツがあります。ここからは加入前に確認しておくことや、加入後に理解を深めておくことなどを紹介します。

  • 嘘をつかず正直に申告をする
  • ペット保険の内容を正確に理解しておく
  • 保険金請求の方法を理解しておく
  • 更新時における保険会社の対応を確認しておく
  • ペット保険に複数加入することも考える

嘘をつかず正直に申告をする

ペットの健康状態やこれまでにかかった病気、治療中の病気やケガなどを保険会社に正直に伝えることが重要です。

ペット保険加入時には告知義務があります。告知しなければならない病気がある場合でも条件付きで加入できることもあります。まずは加入を検討している保険会社へ問い合わせてみることが大切です。

では、告知義務に違反したらどうなるのでしょう。告知義務に違反した場合、補償されないばかりか契約が解除される場合があります。

さらに、見落としがちなのは加入後の通知義務です。例えば引越しでの住所変更や電話番号を変更した場合、ペットを譲渡したとき、ペットが亡くなった時など保険会社に通知が必要です。

ペット保険の内容を正確に理解しておく

飼っているペットの年齢や種類により、なりやすい病気などを調べて保険選びをすることが大切です。ペット保険の補償内容の基本は、通院、入院、手術です。しかし、補償内容は各保険会社によって異なり、A社で補償対象外の病気もB社では補償対象になる場合もあります。

また、同じ会社の保険でもプランにより保険会社の補償負担割合や補償内容、新規契約対象年齢などの違いがあります。

その他に確認したいポイントは、自己負担の割合、年間の支払限度額と限度日数(回数)、保険料、保険金請求のしやすさです。

加入前にパンフレットやホームページで比較し、加入後は約款を確認することがトラブル防止につながります。

保険金請求の方法を理解しておく

あらかじめ保険金請求の方法を確認しましょう。ペット保険に加入すると、人と同じように病院の窓口で自己負担分だけを支払うプランがあります。こういった方式を窓口精算と言います。とても便利ですが、保険会社やプランにより窓口精算ができない場合があるため注意が必要です。

さらに、保険会社によってはLINEでの請求や、スマートフォンアプリで請求が可能なプランもあります。

更新時における保険会社の対応を確認しておく

ペット保険の更新時のトラブルで多いのは、これまで補償対象だった病気が補償対象外になることや、心疾患や糖尿病などの慢性疾患にかかった場合に更新ができなくなることです。

保険料についても注意が必要です。毎年更新ごとに見直される場合や、一定の年齢ごとに上昇していくタイプなど保険会社や商品によって違いがあります。

また、1年ごとの自動更新型の保険が多く、継続を希望しない場合は定められた期間に保険会社へ連絡が必要です。

ペット保険に複数加入することも考える

ペット保険で全額補償してもらう方法はあるのでしょうか。ペット保険に加入して治療費を全額補償してもらいたいと考えても自己負担割合や支払限度額があれば不可能です。

しかし、ペット保険は複数加入することができるため、プランを組み合わせて補償金額を増やすことができます。ただし複数の保険に加入するので、保険料が高くなるのは避けられません。

複数加入する際は、必ず各保険会社へ告知が必要です。また、保険会社によっては複数加入ができません。なお、保険会社から支払われる保険金の総合計は、実際の治療費の額までです。

ペット保険のクーリングオフについて

多くのペット保険会社では指定の条件を満たせばクーリングオフが可能です。

法律上では、ペット保険はクーリングオフの適用除外にあたります。(保険業法第309条第1項の他、同法施行令第45条及び同法施行規則第241条の規定に該当するもの)「保険期間が1年以下の契約」となるためです。

しかし、多くの保険会社ではクーリングオフに応じています。方法は保険会社によって違いますので、早めに問い合わせすることが必要になります。

参考:保険業法|e-Gov法令検索

ペット保険の加入の際にはトラブル防止を意識しよう

ペット保険は、まだまだ新しい保険です。補償内容が複雑なため、よく理解しないまま加入している場合があります。いざ保険を使いたい時に保険が使えないというトラブル防止のために、補償内容やサービスなどについて理解が必要です。

目先の保険料だけを見るのではなく、補償内容や、保険金請求の方法、使いやすさ、更新のことなど、様々な角度から検討し、内容を理解した上で、ペット保険に加入することが大きなトラブル防止につながります。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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