損害保険・少額短期保険

2024.02.15

葬儀保険が安いのはなぜ?からくりがあるの?【FP監修】

※一般的な保険商品と比較した場合の保険料について解説しています。

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。

葬儀保険は、生命保険などの一般的な保険商品と比べて保険料が安いのが特徴です。しかし、葬儀保険がそもそもなぜ一般的な保険商品と比べて安いのか、何かからくりがあるのではないかと考える人もいるかもしれません。

この記事では葬儀保険のからくりとして、一般的な保険商品と比べて保険料が安い理由を詳しく解説します。また葬儀費用に備える方法として葬儀保険以外の選択肢や、葬儀保険が向いている人も紹介します。

一般的な保険商品と比べてなぜ安い?葬儀保険のからくりとは

葬儀保険の毎月の保険料は商品によって異なりますが、数千円台のものがほとんどです。なかには月々2,000円程度から加入できる商品もあります。一方、一般的な生命保険では保険料が1万円を超えることは珍しくありません。

生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、1人あたりの年間保険料の平均は17.9万円です。つまり、日本人の1カ月あたりの保険料の平均は約1.5万円です。
1世帯あたりの加入件数の平均が1.7件なので、1商品あたり約8,800円程度の保険料を支払っていることになります。

この調査にはさまざまな保険種類に加入している方が含まれるとはいえ、一般的な保険商品の保険料と比べると葬儀保険の保険料は安いといえます。

※参考:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|公益財団法人生命保険文化センター

保険金額が小さい

葬儀保険の保険料が一般的な保険商品と比べて安いからくりの一つとして、もしものときに受け取れる保険金の額が小さいことが挙げられます。少額短期保険である葬儀保険は保険金額に上限があり、最大でも300万円しか受け取れません。

一方で、生命保険の場合は数千万円を超える保険金を受け取れることもあります。

葬儀保険は一般的な保険商品よりも保険金額が小さいため、保険料が安いというからくりがあるのです。

なお、葬儀保険のデメリットについては以下の記事でも紹介しています。葬儀保険のからくりだけでなく、デメリットやメリットについての詳しいことは以下のリンク先をご覧ください。

葬儀保険は掛け捨て型

葬儀保険には生命保険のように貯蓄性のある商品はないため、すべて掛け捨て型です。葬儀保険を途中で解約しても、それまでに支払った保険料は戻ってきません

加入者が支払った保険料の一部は保険会社の利益となります。これが、葬儀保険の保険料が安いからくりだといえるでしょう。葬儀保険の保険料が安くても、保険会社には利益が出る仕組みなのです。

保険会社も営利企業である以上、葬儀保険も含めてどの保険も保険会社に利益が出るように設計されているのは当然のことです。しかし、葬儀保険の場合は長期間加入し続けていればいつか保険金を受け取れる日がきます。その場合はどうなるのかについては、次の項目で解説します。

加入期間が長くなると元本割れをすることもある

人によっては長期間にわたって葬儀保険に加入するケースがあるでしょう。しかし、葬儀保険のからくりとして、加入期間が長くなると元本割れをする可能性が高くなることに注意が必要です。

なぜ葬儀保険に長期間加入し続けることで元本割れをする場合があるか、保険金額が200万円の葬儀保険に加入し、60歳から毎月6,000円の保険料を払うケースを例に説明します。

200(万円) ÷ 6,000(円)= 約27.8年(=約333カ月)となることから、約28年以上加入し続けると支払った保険料の総額が受け取れる保険金額(200万円)を超えることがわかります。60歳から加入した場合だと28年後は88歳であるため、その時点で保険金を受け取っていない可能性は十分あるでしょう。

なお、説明を簡単にするために今回は保険料を一定で計算しましたが、実際には支払った保険料の総額が保険金額を上回るタイミングは28年後よりもさらに早いと考えられます。

保険金額が定額であれば、葬儀保険の多くで年齢が上がると更新のたびに保険料が高くなるためです。

また、保険料が一定のタイプは年齢が上がるほど保険金額が小さくなるため、このタイプも加入期間が長くなるほど元本割れになる可能性が高まります。

葬儀保険以外にも葬儀費用に備えられる保険がある

葬儀保険のからくりを見て、ほかの方法で葬儀費用に備えたいと考える人もいるでしょう。実は葬儀費用をカバーできる保険は葬儀保険だけではありません。

ここでは葬儀費用への備えとして活用できる2種類の保険を紹介します。

定期保険

定期保険は加入時に決めた保険期間だけ保障が受けられる保険です。掛け捨て型で死亡時に保険金が受け取れる点は葬儀保険と似ていますが、保障期間は10〜20年程度と葬儀保険よりも長いという違いがあります。

掛け捨て型の定期保険は、終身保険などの貯蓄性のある保険と比べて保険料が割安な傾向があるため、保険料を抑えたい方にもおすすめです。また、300万円を超える保険金額を設定することも可能なため、葬儀保険の保険金額が少なすぎるという人にも向いています。

ただし、貯蓄性はないため定期保険を解約しても解約返戻金などは受け取れません。また、保険期間が終わると更新ができますが、商品によっては更新のたびに保険料が高くなるのが一般的です。

終身保険

終身保険は一度加入すると、解約しない限り生涯にわたって保障が受けられます。葬儀保険と異なり、終身保険には解約返戻金の制度もあります。そのため、加入中に死亡した際には保険金が、途中で保険を解約した場合には解約返戻金が受け取れるのが特徴です。

一方、終身保険は保障と貯蓄の両方を兼ねているため、掛け捨て型の保険商品や葬儀保険と比べると保険料は高くなります。少し高くても貯蓄をしながら保障を確保したい人や葬儀保険では保険金額が足りないという人には終身保険をおすすめします。

葬儀保険が向いている人

葬儀保険のからくりや葬儀費用に備えられるほかの保険を紹介しましたが、なかには葬儀保険が向いている人もいます。以下に当てはまる場合は、葬儀保険を検討してもよいでしょう。

高齢または持病があり、ほかの保険に入れない人

一般的な保険にはない葬儀保険の特徴として、高齢者や持病がある人でも入りやすいということが挙げられます。葬儀保険は80歳以上でも入れる商品が多く、加入に際して医師の診断書が必要ないものがあります。なかには告知不要の商品もあります。

年齢や持病のためにほかの保険に入れない人には、葬儀保険が向いているといえます。

短期間だけ保障を受けたい人

葬儀保険の保険期間は1年または2年です。一方、生命保険の場合は定期保険でも保険期間は10〜20年程度と葬儀保険よりは長いのが特徴です。

終身保険に加入し、短期で解約することも可能です。しかし、終身保険の場合は加入期間が短すぎると解約返戻金が受け取れなかったり、解約返戻金の額が支払った保険料の総額を下回ったりする可能性があるためおすすめできません。

保障を受けたい期間があらかじめ決まっており、かつ短期間である場合は葬儀保険がおすすめです。

まとめ

葬儀保険は一般的な保険商品と比べて保険料が割安な傾向がありますが、それには保険金が少ない・掛け捨て型であるなどのからくりがあります。また、長期間加入すると元本割れをする可能性もあるため注意が必要です。

葬儀費用を備える方法としては、定期保険や終身保険もあります。一方、人によっては葬儀保険が向いている場合もあるため、慎重に検討してから保険に加入しましょう。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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