「保険は何もいらない」という考え方について【FPコラム】

日本において生命保険の市場規模は約37兆円です。2021年の国の予算が106兆円であることを考えると、それだけ生命保険を必要としている人がいて、需要がある証明ともいえます。ただ中には、生命保険は何もいらないという意見の専門家もいて、また同様に一定の支持を集めてもいます。誰しも病気やケガのリスクはあるもの。なぜ、生命保険がいらないという意見があるのでしょうか。その根拠とともに考えます。

生命保険は、病気やケガにしか使えない?

保険不要派の主張は、保険料に費やすお金が家計にとって大切なものであるということです。毎月の保険料として支払うのが本当に必要かと考えたとき、代替案となる方法はあるのでしょうか。

預貯金の方が保険より流動性が高い?

医療保険やがん保険といった生存保険(当人に向けた生命保険)の場合、適用される病気の内容や状況には定義があります。該当する医療保険の疾病内容から少々外れた病状だったときに、主観的に「少し保障内容からは外れているけれど保険金を出しましょう」とはなりません。また「今回の病気で生活が苦しいので保険金を半分給付します」ともなりません。それは生命保険の制度設計にとって当然の話で、そこに流動性が低いと文句を言う人はほとんどいないでしょう。

一方で預貯金と生命保険を比べたとき、その流動性には大きな差があります。流動性とは、まさに前項でお伝えした「保障内容と一致しなかったときの応用力」のことです。たとえば病気やケガをして公的保険と預貯金から医療費を支払おうとなったとき、定期預金が「想定していた病気の内容と異なるので解約はできません」となる可能性はありません。これが預貯金と生命保険による流動性の違いを端的に表現しています。

レバレッジが自分に適切かを考える

反対に医療費の対応において、生命保険が預貯金より優れている点はあるのでしょうか。それは大きくレバレッジが利くということです。

一例として、月に15000円を保険料として保険会社に支払っているとしましょう。これを1年続けると×12で18万円です。この保険金支払いに対して、病気やケガに罹患したときには保険商品にもよりますが、数十万以上の保障が行われます。当然ですが預貯金にこの効果はありません。

保険は該当する保障が絞られる代わりにレバレッジが付く。預貯金は流動性がきわめて高い代わりにレバレッジが付かない。医療費はとても高いものなので、保険加入によるレバレッジは医療費の支払いにとても役立ちます。ならば自分に保険が必要か否かは、その保険商品のもつレバレッジが自分に適切かどうかを考えることで、答えを導くことができます。生活習慣やがん家計かどうかなどの先天性要因などからレバレッジ付きで病気リスクの目を摘む。それが保険を活用する一番のポイントです。

終身保険の持つ運用性について

生命保険にはもうひとつ、終身保険が持つ貯蓄性があります。終身保険に加入して一定期間を経過して解約すると、保険料として支払った総額の保険料よりも高い金額を解約返戻金として受け取ることができます。医療保険で説明したレバレッジとしても終身保険はとても高く、被保険者の死亡や重い介護状態に至った場合に家族の生活を守る金額の保険金給付が想定できます。教育費など、まとまった金額の確保に終身保険を活用している人も多いでしょう。終身保険によって解約返戻金を抑制しているものもあるため、終身保険の検討に至っては商品ごとの特徴をしっかりと把握しましょう。

一般的に終身保険の持つ貯蓄性は、投資信託や不動産投資などのほかの資産運用方法と比べて、どのような違いがあるのでしょうか。さまざまな考え方がありますが、「任せられる」ということが大きな特徴のひとつです。個別株投資や不動産投資は投資において勉強をして準備をして、かつ時勢を読まなければなりません。投資信託などはプロの運用を期待するためある程度委託することができますが、それでも銘柄選びなどで一定の主体性は必要です。

一方の終身保険は、予め契約時に期待される利益率(元本に対する解約返戻金の額)の目安が示されています。返戻目安に納得したうえで保険に加入したら、あとは毎月の貯蓄に代えて保険料支払を継続していくのみです。ほかの運用方法は損失を最低限に抑えるために短期での銘柄変えは考えられますが、終身保険の短期間の解約は元本割れの可能性が高く、ほとんどメリットはありません。これらの特徴を把握して、貯蓄ツールとして終身保険は活用できるのか、を考えていきましょう。

まとめ

保険がいらないとする説には大別して、このふたつの根拠があります。人によって考え方はもちろん、メリット・デメリットも異なるもの。自分にとって保険は必要なものなのか。必要としてどれくらいの保障内容と、保険料を支払うべきものなのか。ほかの運用方法とも比較しながら、検討していくようにしましょう。


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WRITER'S PROFILE
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。

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