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2024.11.01
女性が備える保険|女性特有のリスクに備えよう【住宅FP関根が答える!Vol.122】
みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
医療保険などには女性疾病に備える特約などが充実しています。なぜ男性にはないのに女性にはそういった特約があるのでしょうか。この背景には、男性よりも女性特有の臓器が多いことから、がんや病気リスクが上がるためとも言われているようです。また女性に多い乳がんなどは治療期間も長引いてしまうことが多く、特に保険で備える必要性が高いリスクとなります。今回は女性特有の病気やリスク、保険選びについて考えていきたいと思います。
女性疾病に備える保険として代表的なものは、医療保険における女性疾病特約です。女性特有の疾病、例えば子宮筋腫や帝王切開、乳がん、子宮がんなどに対応するための特約です。病気の検査や治療に有効的な特約になります。保険会社や保険商品にもよりますが月々1,000円から1,500円程度の上乗せで通常の医療保険に追加で女性疾病特約をつけることができます。
また、妊娠、出産も命がけの女性特有のものになります。妊娠は病気ではありません。通常、自然分娩で入院、出産をした場合には、医療保険の入院給付金や手術給付金の支払い対象にはならないことが多いです。しかし、妊娠とは想定外のことが起こりうるものです。妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの妊娠中毒症や重度のつわり、さらには早産の疑いで長期間の入院もあり得ます。出産自体も自然分娩予定であったとしても、緊急帝王切開になることや吸引分娩になる可能性もあります。こういった場合には保険会社や保険商品にもよりますが、異常妊娠、異常出産をした場合には入院給付金や手術給付金が支払われることも多いです。また、一度帝王切開で出産をした場合、それ以降の出産においても帝王切開が推奨されることが多いです。そのため、帝王切開の手術歴があると、出産後に医療保険に加入したいと思ったとしても、今後まだ出産の可能性が高いと見られる場合、不担保の期間が長くなる傾向にあります。不安も多い妊娠や出産、可能性があるのであれば、妊娠前に保険に加入することをお勧めいたします。
そして女性の病気リスクとしてとても懸念されるのが乳がんです。2020年の国立がん研究センターの統計によると、女性の9人に1人が乳がんに罹患するリスクがあるとされています。さらに女性の乳がん罹患年齢は20代後半から徐々に高まり、30代で急増、ピークが40代となっています。
※参考:がん統計(全国がん登録)|国立がん研究センターがん情報サービス
がん統計(全国がん登録)|国立がん研究センターがん情報サービス
40代の頃というのは現役でお仕事もされていて、子育てもちょうどお金がかかるときだと思います。この時期に病気になってしまった場合にかかる治療費、さらには見込めるはずだった収入が減少してしまうのはかなり厳しい状況です。また本人の収入減少はもちろんのことですが、こういった家族が病気や入院となってしまった場合には、頻繁なお見舞いや、家事の負担も増えることにより、いままでよりも労働時間を減らすこととなってしまいご家族の方の収入も減少してしまう傾向にあります。
そのため女性にとってがん保険は必要な保険です。がん保険はがんに特化した保険で、診断や治療、入院費用などに対しての保障があります。
また現在のがん保険は一時金型といわれる、がんと診断確定された場合に100万円や200万円などまとまったお金を受け取ることができる保障のタイプが主流となっています。
この一時金タイプのがん保険は、すべてのがんに対して満額受け取ることができるのかを確認する必要があります。がんには2種類あり、上皮内新生物と悪性新生物があり、上皮内新生物は比較的初期の段階で発生したもので、完治しやすいがんといわれています。この初期のがんである上皮内新生物が、保障されない商品や、通常の給付金額の10分の1しか保障されない商品もあります。最近発売されているがん保険は、上皮内新生物でも満額の給付金が受け取れるというものが多くなってきていますが、少し前にがん保険に加入した方は今一度保障内容を確認してみることをお勧めいたします。これから加入する際には必ず確認するようにしてください。
女性の病気は比較的若い年齢で罹患することが多いです。まだ若いからとなんとなく先延ばしにしてしまいがちですが、乳がんなどは20代後半、もっと言えば子宮頸がんは20代の前半からでも罹患する人は多くいます。女性にとっての医療保険、がん保険は早くから備えるべき保険です。女性は女性にしかない臓器が多く、女性ならではの病気リスクが男性に比べ非常に高いです。病気だけではなく、妊娠や出産があるのも女性ならではの出来事です。
現在は医療保険にがん保険、どちらも月々数千円程度で加入することができます。保険不要論がいまだに言われ続けているところがありますが、月々数千円で将来の安心を買うことができると思えばいかがでしょうか。保険に入っているから将来病気になってしまったとしても金銭的に不安がないという状況は今の人生に余裕ができるのではないでしょうか。
WRITER’S PROFILE
㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直
ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。