生命保険の選び方
2022.04.15
医療保険の内容って会社によって違う?保障内容と保険料を比較する際のポイント【FP監修】
病気やケガによる医療費に備えるために、医療保険の加入を考えている方は多いです。
その中で、医療保険を取り扱っている保険会社は多く、どの保険会社の医療保険に加入すればいいかわからない、という悩みがあるかと思います。
本記事では、医療保険の保障内容や保険料について、保険会社による違いの有無や加入する商品を選ぶ際のポイントについて解説します。
そもそも医療保険とは?主な保障内容についておさらい
医療保険とは、病気やケガの医療費に備えるための保険です。
主な保障内容は「入院保障」と「手術保障」です。
入院保障は病気やケガで入院した際に、入院日数1日あたり〇〇円の給付金を受け取れる保障が主流です。
日額は5,000円・7,000円・10,000円などから選択します。
例えば、入院保障の日額を5,000円に設定していた場合、10日間入院すると、5,000円 × 10日で50,000円の給付金を受け取れます。
手術保障は手術を受けた際に給付金を受け取れる保障です。
給付金にはいくつかタイプがあり、入院保障の〇倍と連動しているものや手術の種類によって受け取れる給付金が決まっているものなどが主流です。
保険会社によって医療保険の保障内容や保険料には違いがある?
結論から記載すると、保険会社によって医療保険の保障内容や保険料に違いはあります。
まずは入院保障についてです。
多くの保険会社の商品で、日額5,000円・7,000円・10,000円の中から選択しますが、入院日数に関わらず30万円などの定額の給付金を受け取れるタイプの商品もあります。
入院日数に関わらず定額の給付金を受け取れる場合、日帰り入院を含む短期の入院の場合に、多くの保障を得られます。
その反面、入院日数が長期化すると、不十分になる可能性があります。
また、入院保障や手術保障など、主契約のほかに、医療保険には特約と呼ばれる保障があります。
特約で付加できる保障の一部を紹介します。
- がん特約
- 女性疾病特約
- 通院保障特約
- 三大疾病特約
- 先進医療特約
これらの特約は保険会社や商品によって、付加できるものと付加できないものがあります。
A社の医療保険では女性疾病特約を付加できるが、B社の医療保険では付加できない、というようなケースです。
最後に、保険料に関してですが、同じ保障内容で契約する場合であっても、保険会社によって保険料は異なります。
保険料は「保障」に対する部分と「保険会社の経費」に充てる部分に分けられます。
保険料を算出するにあたって、「保障」に対する部分は保険会社による違いはあまりありませんが、「保険会社の経費」に充てる部分は保険会社による違いがあります。
保険会社の経費としては、営業担当者などの人件費や店舗・オフィスの場所代、広告費などが該当します。
どの程度の経費がかかるかは保険会社によって異なるため、扱っている保険会社によって保険料に差が生まれます。
一般的には、対人販売を行う保険会社よりもネット保険の方が安いです。
医療保険の保障内容と保険料を比較する際のポイント
医療保険を比較する際のポイントをまとめます。
主契約のタイプ
医療保険の主契約にあたる入院保障と手術保障についてです。
商品によって入院保障であれば、入院日数に応じた保障と定額の保障、手術保障であれば、入院保障に応じたものと手術の内容に応じたもの、などタイプに分かれています。
それぞれに対して、メリット・デメリットがあるため、どちらにすべきと一概には言えません。
そのため、商品によって主契約のタイプに違いがあることを踏まえた上で、どのタイプがご自身に合っているか考えてみてください。
特約
医療保険に付加できる特約も商品によって異なります。
特約は主契約に付加するオプションのような位置付けではありますが、複数の生命保険に加入するよりも、医療保険に特約を付加して1つにまとめたいと思っている方にとっては重要な項目です。
複数の保険に加入することに抵抗がない方であれば、別の種類の生命保険に加入する選択肢もあります。
例えば、がん特約であれば、医療保険とは別でがん保険に加入すると同じような保障を得られます。
保障対象
保険商品によって、保障の対象が異なるケースがあります。
ある医療保険では給付金の支払い対象である病気が、別の医療保険では給付金の支払い対象外である、といったケースです。
日帰りの入院・手術は給付の対象か、入院何日目から保障対象となるか、入院保障の支払限度日数は何日か、などの点を比較しましょう。
特に、日帰りの入院・手術は事例によって対象となるケースと対象外となるケースに分けられている商品もあるため、よく確認してください。
保険期間
医療保険の保険期間は「定期タイプ」と「終身タイプ」があります。
定期タイプは、一定の期間で保障が終了するタイプで、終身タイプは保障が一生涯続くタイプです。
加入時の保険料で比較すると、定期タイプの方が安いですが、生命保険に長期で加入する場合、最終的な保険料の支払総額は終身タイプの方が安くなる傾向があります。
10年・20年で保険期間が終了する医療保険に加入すると、更新するたびに保険料が高くなります。
加えて、一般的には更新できる年齢に上限が定められています。
終身タイプの医療保険の場合、加入時の保険料は高く設定されていますが、更新がないため、基本的に保険料が高くなることはありません。
若い方を中心に、収入があまり多くない方や住宅ローンの支払い、子どもの教育費の積立など、生命保険に使えるお金があまりない方は、保険料を安く抑えられる定期タイプがおすすめです。
一方で、一生涯の保障を得られる点に魅力を感じていて、保険料が割高でも問題ないと思える方には、終身タイプがおすすめです。
まとめ
医療保険の保障内容や保険料は保険会社によって違います。
保障内容に関しては、入院保障や手術保障のタイプが違うため、ご自身の考え方に合う医療保険を選ぶことをおすすめします。
加えて、付加できる特約や給付金の支給条件・上限額を比較しましょう。
保険料に関しては、販売している保険会社の経費によって変動します。
単純に保険料を安くすることだけを目的とする場合、ネット保険がおすすめです。
また、医療保険の保険期間を定期タイプにするか終身タイプにするかによっても変わります。
保険料を含めて、ご自身に合う医療保険に加入するためには、複数の商品を比較・検討する必要があります。
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。日本FP協会AFP認定者。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。