保険の基礎知識

2022.04.06

終身の死亡保険はおすすめ?メリットとデメリットは?【FP監修】

死亡保険には、保険期間が終身であるタイプの保険があります。
満期がない保険であるため、解約しない限りは必ず保険金を受け取れます。

死亡保険を考えている方であれば、定期保険とどちらがいいか考えているかと思います。
本記事では、終身保険を定期保険と比較しつつ、メリット・デメリットを解説します。

終身保険は一生涯の保障を得られる死亡保険

終身保険とは、一生涯の保障を得られる死亡保険のことです。
基本的に、解約しない限りは保険契約が継続し、被保険者が亡くなった際、契約時に指定された受取人が死亡保険金を受け取ります。

終身保険と定期保険との違い

死亡保険には、終身保険とは別で、保険期間が一定期間である定期保険もあります。
以下、定期保険と比較した際の終身保険の特徴をまとめます。

  • 死亡または高度障害状態になった場合の保障が一生涯続く
  • 解約返戻金があるので、解約して自分で使うこともできる
  • 定期保険に比べて保険料は高いことが多いが、加入期間中の保険料はずっと変わらない

 

定期保険は保険期間が10年間・20年間、あるいは、65歳になるまで、など。一定期間が経過すると満期を迎えます。
満期を迎えた定期保険は更新するか解約するか選択します。
中には満期を迎えると自動更新される商品もあります。
90歳前後を最後に、更新できなくなります。

終身保険の場合、満期はありません。
更新することなく、死亡または所定の高度障害の保障が一生涯続きます。
終身保険を解約すると、解約返戻金が支払われます。

保険料の一部を積み立てて、解約時に運用益と合わせて受け取るイメージです。
解約返戻金は老後資金や子どもの教育費などの貯蓄のために利用する方もいます。

同じ保障内容の場合、終身保険よりも定期保険の方が保険料は安いです。
終身保険は「保障 + 貯蓄」を行う保険であり、一生涯という長期の期間を保障するため、保険会社の負担が大きいです。
一方で定期保険は「保障」のみを行う保険であり、一定期間のみを保障すればいいため、終身保険の保険料よりも安く設定できます。
ただし、定期保険は更新するたびに更新時の年齢で保険料が再計算されるため、保険料の負担は徐々に大きくなります。
終身保険の保険料は申込時から変わりません。

終身保険のメリットとデメリット

終身保険のメリット・デメリットについて解説します。

終身保険のメリット

  • 一生涯保障を受けられ、保険料は変わらない
  • 老後資金など、準備期間の長い資金作りに最適
  • 保険金受取人を配偶者・子どもたちとすることで相続税対策ができる
  • 保険金か解約返戻金が必ず受け取れる

終身保険の最大のメリットは加入時から保険料が変わらない点です。
更新がない仕組みの保険であるため、加入時に設定された保険料をずっと払い続けます。
貯蓄性がある保険なため、死亡保障を得ながら確実に貯蓄ができます。
時間が経過するごとに、解約返戻金が増える仕組みです。

保険料の払込が終了したときなど、一定期間が経過すると、保険料の総額よりも解約返戻金が高くなります。
コツコツと目標を決めて資産作りしたい方には向いています。
終身保険を含む、死亡保険の保険金は「500万円 × 法定相続人の人数」の金額は相続税の非課税枠となります。
仮に、保険金額3,000万円の終身保険を契約中の方が、配偶者と子ども2人をのこして亡くなった場合、1,500万円が非課税です。
現金で3,000万円保有している場合は、3,000万円全額が相続税の課税対象ですが、3,000万円の保険金の場合、今回は1,500万円が非課税です。
ただし、契約者と被保険者が別の場合は贈与税の扱いになる点にはご注意ください。

終身保険のデメリット

  • 定期保険に比べて保険料が高い
  • 短期間で解約した場合、元本割れしてしまうことが多い
  • 保険の見直しがしにくい
  • 返戻率が低い

終身保険は短期間で解約した場合、元本割れすることが多いです。
どこかのタイミングで、解約返戻金が支払った保険料の総額を超えることがありますが、それを迎えるまでは元本割れとなってしまいます。
特に、保険契約をスタートしてすぐに解約する場合、支払った保険料がほとんど戻ってこないケースもあります。
終身保険は解約返戻金の仕組みなどから、長期間契約を続けることが前提の商品です。
一定期間までは解約返戻金も少額なため、早期解約した場合、割高な保険料を支払っていることを踏まえるとかなり損をしていると言えます。
そのため、見直しは適さない保険です。


終身保険は一定期間が経過すると、解約返戻金が元本よりも大きくなります。
しかし、終身保険の返戻率(株式投資で言う利回り)は他の運用手段に比べて高くありません。
仮に、20年後に5%の利回りが生じたとすると、1年間で0.25%増える程度です。
終身保険のほかに年利0.25%の金融商品は多く存在するため、利回りがいいとは言えず、お金を積極的に増やしたい方には向いていません。


返戻率を上げるコツとして、保険料の支払い総額を減らす方法があります。
保険料の払込には、終身払と短期払の2種類の方法が存在し、一般的には保険料の払込を早く終えれば終えるほど、支払う保険料の総額は割安になります。
そのため短期払いは貯蓄性を求める場合に最適といえますが、一括で支払う保険料負担は高額になってしまうので、自分に合った支払い方法を検討することが必要です。

短期払いと終身払い

終身保険の支払い方法には、「短期払い」と「終身払い」があります。

短期払いは保険料の払込みを途中で終える方法です。払込期間は、10年や20年、55歳や65歳までのように設定できます。
終身払は、一生涯ずっと保険料を支払い続ける方法です。 

終身払いと短期払いの図解

短期払いの場合、1回ごとの保険料は終身払いよりも高くなりますが、保険料の払込期間が終了すると、保険料の負担なしで一生涯の保障を受けることができます。
終身保険の加入を検討している方は支払い方法についても考えてみましょう。

終身保険はどんな人におすすめ?

  • 相続税対策を考えている人
  • 家族や子供に、葬儀費用や生活費を残してあげたい人
  • 老後などに備えて長期的な貯蓄をしたい人

終身保険は保障と貯蓄を兼ね備えた保険です。
そのため、十分に貯蓄がある方からすれば、必要性が低い保険です。

計画的な貯蓄が苦手な方にとっては、終身保険はおすすめです。
毎月保険料の支払いを継続するだけで、貯蓄できるため、ついついお金を使い過ぎてしまう人でも確実に貯蓄できます。
家族や子どものために、葬儀費用や生活費を準備しつつ、老後資金や子どもの教育資金を準備できる点は終身保険の魅力です。

まとめ

終身保険は一生涯の保障を得られる死亡保険です。
亡くなった際や所定の高度障害になった際に保険金を受け取れます。

保障だけではなく、貯蓄も可能です。
毎月支払う保険料の一部を積み立てる仕組みなため、保険料の支払いを継続すると一定額の資産を形成できます。
ただし、返戻率は高くなく、お金を増やしたい、という目的にはあまり合いません。

保障と貯蓄を合わせた死亡保険であるため、補償のみの定期保険と比較すると、保険料の負担が大きいです。
保険料の支払いが継続できないと、保険契約が解除されるため、保険料の負担が大きい場合は定期保険も検討しましょう。

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。日本FP協会AFP認定者。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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