保険の基礎知識

2023.05.11

女性向け医療保険とはどんな保険?メリット・デメリットを解説【FP監修】

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。

保険会社によって呼び方に違いはあるものの、女性向け医療保険と呼ばれる保険があります。

一般の医療保険に比べて、女性特有の疾患への保障が手厚いのが特徴ですが、加入するメリットやデメリットが気になる人は多いのではないでしょうか。

この記事では女性向け医療保険の特徴やメリット・デメリット、女性特有の疾患の種類を解説します。

女性向け医療保険が気になっている人はぜひ、参考にしてください。

女性向け医療保険の特徴

女性が手術などで入院する理由には、乳房や子宮、卵巣など女性器官を原因とするものが多くあります。また、病気以外では妊娠や出産に関連する治療を理由に入院するケースが多く見られます。女性向け医療保険は、こうした女性特有の事情に合わせて開発された保険です。

女性向け医療保険と一般の医療保険の違い

女性向け医療保険は医療保険のひとつです。そのため、一般的な医療保険と同じように病気やケガに対する医療費が保障の対象ですが、女性特有の疾患ではさらに手厚い保障が受けられるのが特徴です。

たとえば、女性特有の病気で入院した場合は、加入時に設定した入院給付金日額に上乗せされた金額を受け取れます。一般的な病気で手術や入院した場合に日額5,000円が受け取れる保険であれば、女性特有の病気ではさらに5,000円上乗せされた日額1万円の給付金を受け取れるのが一例です。

女性疾病特約とは

女性疾病特約とは女性向け医療保険と同じように、女性特有の疾病に備えて手厚い保障が受けられる特約です。特約とは主契約に保障を上乗せするものです。主契約とセットでの加入が前提のため、女性疾病特約に単独で加入することはできません。

すでに医療保険に加入している場合は、女性向け医療保険に新たに加入するよりも、女性疾病特約を付加する方が手軽な場合が多いでしょう。

女性向け医療保険でカバーできる女性特有の疾病とは

主な女性特有の病気として以下のようなものが挙げられます。

  • 乳がん、乳腺症
  • 子宮がん、子宮筋腫、子宮内膜症
  • 卵巣がん、卵巣のう腫

また、妊娠や帝王切開などの出産に関わるもの、分娩の際の合併症も含まれます。このほかにも女性に多い鉄欠乏性貧血や関節リウマチなども保障の対象です。

国立がん研究センターが2018年に行った調査によると、女性のがんの罹患率で最も多いのが乳がん、5番目には子宮体がんや子宮頸がんなどの子宮がんです。

部位別がん罹患数順位
  1位 2位 3位 4位 5位
総数 大腸 乳房 前立腺
男性 前立腺 大腸 肝臓
女性 乳房 大腸 子宮
※参考:最新がん統計|国立がん研究センター

一方、子宮筋腫は軽いものでは自覚症状がない場合もありますが、30歳以上の女性の約20~30%がかかる、発症率が比較的高い病気です。重い症状の場合は手術による治療が必要になることもあります。

また近年、出産時に帝王切開をすることが増えており、厚生労働省が行った調査によると令和2年(2020年)時点では病院でのお産のうち27.4%、診療所では14.7%が帝王切開でした。平成2年(1990年)の時点では病院11.2%、診療所8.3%でしたので、30年間で約2倍に増えたといえます。

令和2年時点の病院・診療所を合わせた1ヶ月間の分娩件数は約70,000件で、そのうち帝王切開での出産は約15,000件でした。全体の約21%、つまり約5人に1人が帝王切開で出産しているのがわかります。

女性向け医療保険に加入するメリット

ここでは、女性向け医療保険に加入するメリットを2つ紹介します。女性向け医療保険に関心がある人は参考にしてみましょう。

女性がかかりやすい病気に効率的に備えられる

女性向け医療保険は、女性が特にかかりやすい病気に対して手厚い保障が用意されているため、特徴的です。たとえば、入院給付金日額1万円の一般的な医療保険に入るよりも、入院給付金は日額5,000円だけれど女性特有の病気で日額1万円が受け取れる女性向け医療保険の方が保険料を安く抑えられる可能性があります。

女性がかかりやすい病気で必要な医療費にピンポイントで備えられます。

妊娠や出産の費用にも備えられる

近い将来に妊娠や出産を想定する人にとって、妊娠・出産による入院なども保障される女性向け医療保険に入ることはメリットがあります。特にすでに説明した通り、近年は帝王切開で出産することも珍しくなくなりました。基本的に、女性向け医療保険が保障するのは帝王切開のような異常分娩ですが、最近では正常分娩(自然分娩)や不妊治療の費用も保障する商品もあり、選択肢が広がっています。

妊娠・出産にまつわる経済的な不安を軽くできるのは女性向け医療保険のメリットですね。

女性向け医療保険に加入するデメリット

続いて、女性向け医療保険に加入するデメリットも見てみましょう。ここでは2つのデメリットを解説します。

保険料が割高

女性向け医療保険は、同じ入院給付金日額で比較すると、一般的な掛け捨て型の医療保険よりも保険料が割高です。また、女性特有の疾病でない、ほかの病気やケガで手術や入院をした場合に受け取れる金額は女性特有の病気にかかった場合より少なくなります。どのような病気やケガに対してもしっかりと備えたいと考えるなら、女性向け医療保険よりも一般的な医療保険の方が適している可能性があります。

保障が重複することも

すでに医療保険に加入している人は、女性向け医療保険との保障の重複に注意しましょう。保障が重なっている分、より多くの給付金を受け取れる可能性もありますが、それだけ多くの保険料を払っていることになります。保険料の無駄を省く意味でも、一般的な医療保険と女性向け医療保険の保障内容が重なっていないか、加入前によく確認しましょう。

まとめ

女性向け医療保険は女性がかかりやすい病気などに手厚い保障を受けられる、女性にとってメリットの多い保険です。

しかし、一般的な医療保険より保険料が割高であることや、保障の重複には注意しましょう。

女性向け医療保険と一般的な医療保険のどちらを選ぶのが良いかは、どのようなときに保険で備えたいかによっても変わります。

この記事が女性向け医療保険を検討している人の役に立てば幸いです。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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