お金と暮らしの基礎知識

2024.03.07

確認しておこう|働けなくなった時にもらえるお金【FP監修】

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。

突然の病気やケガで働けなくなる可能性は誰にでもあります。仕事を休んでいる期間は収入が減ってしまうため、生活費などのお金の心配をする人もいるでしょう。短期間であれば貯蓄で対応できるという人も、長期の入院や療養が必要になった場合に備えて、利用できる公的保障や保険などをあらかじめ知っておくと安心です。

この記事では、病気やケガで働けなくなった時に利用できる公的保障や就業不能保険などの保険について詳しく解説します。

働けなくなったときに利用できる公的保障

病気やケガで仕事を休む場合、医療費負担と収入減少が多くの人にとっての経済面での心配ごとといえるでしょう。この記事では、2つの懸念点のうちのひとつである収入減少をカバーできる公的保障について紹介します。

傷病手当金

傷病手当金は、病気やケガで4日以上仕事を休む際、過去12カ月の平均給与の約3分の2が最長1年6カ月支給される制度です。傷病手当金は、会社員や公務員が加入する健康保険の制度です。そのため、自営業者などで国民健康保険に加入している人や、健康保険加入者の配偶者や子などの被扶養者は対象になりません。

障害年金

病気やケガで働けなくなった場合に国民年金や厚生年金などの公的年金から障害年金を受け取れる可能性があります。障害年金は、障害状態により働くことや日常生活を送るのが困難になってしまった時に国から給付が受けられる制度です。

障害年金を受給するには、障害等級表で定める障害状態に該当している必要がありますが、実は障害状態と認定される条件は幅広く、長期間の療養が必要な糖尿病・内臓疾患・がんなどの病気や、そううつ病やてんかんなどの精神疾患でも受給できることがあります。また、年金という名前ではありますが、65歳未満の現役世代の人も対象です。条件を満たしていれば、年金加入前の20歳未満でも受け取れる可能性があります。

なお、障害年金には種類があり、障害の原因となった病気やケガで初めて医師などの診察を受けた日(初診日)に国民年金に加入していたか、厚生年金に加入していたかによって障害基礎年金または障害厚生年金・障害手当金を受け取ります。障害年金の種類によって年金が支給される条件や支給額などが異なるため、次の項目から詳しく解説します。

障害基礎年金

障害基礎年金は、初診日時点で国民年金に加入していた人が対象です。初診から1年6カ月後の障害認定日において、障害等級表で定める障害1級もしくは2級に該当する障害状態の場合に障害基礎年金が支給されます。

なお、障害等級による年間支給額(令和4年4月現在)は以下の通りです。

  • 1級:972,250円
  • 2級:777,800円

障害基礎年金の受給資格がある人に、18歳になって最初の3月31日を迎えていない子や20歳未満で障害等級1・2級の状態の子がいる場合、以下の金額が加算されます。

  • 子ども2人まで 1人につき年額223,800円
  • 子ども3人目以降 1人につき年額74,600円

障害厚生年金・障害手当金

障害の原因となった病気やケガの初診日に厚生年金に加入していた人は、障害の程度によって障害厚生年金または障害手当金を受け取れる可能性があります。初診から1年6カ月後の障害認定日において、障害等級表で定める障害1〜3級のいずれかに該当する障害状態だと認められると障害厚生年金が支給されます。

以下が障害厚生年金の支給額(年額)です。支給額は受給者が得ていた報酬額によって異なります(令和6年1月現在)。

  • 1級:報酬比例の年金額 × 1.25
  • 2級:報酬比例の年金額
  • 3級:報酬比例の年金額 もしくは 最低保障額(67歳以下:596,300円)の高いほう

なお、障害等級1・2級に該当する受給者に、受給者本人によって生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合、加給年金として年額228,700円が上乗せされます。障害等級3級に該当する場合は、加給年金はありません。

また、初診日から5年以内に病気やケガが治癒し、障害の程度が障害等級に認定されないほど軽い場合は一時金として障害手当金(一時金)が支給されます。支給額は報酬比例の年金の2年分もしくは最低保証1,192,600円(67歳以下)、1,189,000円(68歳以上)のどちらか高いほうです。

働けない時に備える保険

病気やケガで働けない時のために、貯蓄や公的保障に加えて保険で備える方法もあります。ここでは、もしもの時の備えとして就業不能保険と所得補償保険を紹介します。特に、健康保険や厚生年金に入っている会社員・公務員などと比べて公的保障が不足がちな自営業やフリーランスなどの人は、保険加入を検討しても良いかもしれません。

就業不能保険

就業不能保険とは、病気やケガの治療のための入院や、医師の指示による自宅療養など、所定の就業不能状態の時に給付金が受け取れる保険です。

保険会社より就業不能状態と認められると毎月など定期的に一定額が受け取れるようになるため、収入減少を補うのに役立ちます。ただし、就業不能状態になってから給付が開始されるまで一定の待機期間があることや、保険商品によって就業不能とみなされる条件がさまざまであることには注意が必要です。たとえば、うつなどの精神疾患は対象外としている就業不能保険は少なくありません。保険に入る前に諸条件をよく確認し、納得してから加入手続きをするようにしましょう。

所得補償保険

所得補償保険も就業不能保険と同様に、働けなくなった際の収入減少をカバーするための保険です。所得補償保険は毎月一定額を受け取るタイプが主流で、保険期間は1〜2年程度の短期のものと、60歳または65歳まで継続して給付金を受け取れる長期のものがあります。また、加入期間中に補償を受けることがまったくなかった場合、支払った保険料の一部が戻ってくるしくみの保険もあります。

所得補償保険は就業不能保険と目的はほぼ同じであり、しくみも似ていますが、生命保険会社ではなく損害保険会社が取り扱っていることが大きな違いです。

まとめ

思いがけない病気やケガで働けなくなることは年齢や性別に関係なく、誰にでも起こる可能性があります。傷病手当金や障害年金のように公的保障にも収入減少をカバーするしくみがありますが、仕事を休む期間の長さや貯蓄額、家族構成などによっては公的保障だけでは足りないこともあるかもしれません。

その場合は、足りない分を就業不能保険や所得補償保険などの保険で備えることを考えてみましょう。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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