生命保険の選び方
2021.12.23
職業別でおすすめ保険はあるの? 生命保険を選ぶときの4つのポイント
生命保険に加入しようと思っているけれど、最適な保険が分からず、ひとつの基準として職業を参考にしたい方もいらっしゃるでしょう。この記事では職業別におすすめの保険を解説していきます。
職業には金融業、小売業、IT業などさまざまな業種があります。しかし、保険に加入するうえで「この業種にはこの保険がいい」といった考え方はあまり適切とはいえません。
保険に加入する際には次の4つのポイントをおさえて、自分にとっての最適な保険を選んでいきましょう。
保険加入時の基本的な4つのポイント
保険に入る目的を明確にする
保険に加入するとき最初に考えなければいけないのが、なぜ保険に入るのか目的を明確にすることです。
「だれに」そして「なんのため」のお金をのこすのか、お金を用意しておく必要があるのかを考えてみましょう。
たとえば、
・亡くなっても家族が生活に困らないように、生活資金をのこしたい
・亡くなっても子どもが進学に困らないように、教育費をのこしたい
・入院したときの医療費の支出が心配、医療費が受け取れる準備をしておきたい
などが保険加入に多い一般的な目的です。
保障内容と保険金額は適切か
保険加入の目的が明確になったら、具体的にどんな保障いくら必要かを考えましょう。生命保険の必要性は個人やご家庭の資産や収入、年齢、家族構成などによって異なります。
「子どもの教育費をためられるか心配」「個人事業主で収入が不安定」「病気になったときの医療費を捻出できるのか不安」など悩みはさまざまでしょう。
「医療費は入院1日5,000円の保障にしておいて、足りない分は貯蓄から出そう」、「退職するまでに1,000万円は貯蓄しておきたい」など具体的な保障内容や保険金額を決めていきましょう。
払込保険料は適切か
月々どのくらい保険料にあてられるか、月々の保険料は家計を圧迫せず適切かを確認しましょう。
何かしらの保険に加入していれば安心ではありません。あくまでも、目的にあった保障で納得できる保険料か考えてみましょう。
必要以上に保険に入ると無駄になってしまう可能性があります。資産状況や毎月の収支を出して、無理のない範囲の保険料を設定しましょう。
ライフステージに合わせて保険を選ぶ
人生には何段階かに分けたライフステージがあり、段階に合わせて加入する保険も変化します。たとえば、独身、夫婦、子育て世帯、では「だれに」そして「なんのため」のお金をのこすのか、お金を用意しておく必要があるのかが異なるでしょう。
家族構成や子どもの成長にあわせて保障内容の点検が必要です。ライフステージの段階ごとに保険を点検し、見直しが必要かチェックすると、本当に必要な保険に無駄なく加入し続けられるため、保険料も賢く軽減できるでしょう。
そのため、保険選びはライフステージごとに考えることが大切です。
このようなポイントを自分にあてはめて考えていくと、今の自分にはどんな保険が必要なのかおのずと分かってくるでしょう。
職業別!入っておきたい生命保険
独身の会社員におすすめの保険
終身医療保険
終身保険
就業不能保険
独身の方は保険の必要性をそれほど感じることが少ないでしょう。しかし、もし万が一のときのお葬式費用や病気やケガをしたときの医療費、入院した場合には収入減も考えられます。
医療費の備えは終身医療保険で備えておくと安心です。保険料は一生涯ずっと上がりません。一般的に加入時の年齢が若いほど、割安な保険料で加入できます。
終身保険は、一生涯、死亡保障が続く保険です。加入時の年齢が若いほど、保険料が割安で、払込保険料の総額も低く抑えられます。貯蓄性があるため、将来、解約して自分で使うこともできます。また、結婚して家族構成が変わっても受取人を変更すれば、そのまま死亡保険として持ち続けられます。
就業不能保険は、病気やケガで働けなくなったときの収入減に備える保険で、働き盛り世代におすすめの保険です。会社員として働いていれば、働けなくなった際に傷病手当金を受け取れます。しかし、傷病手当金は毎月のお給料の3分の2程度で、最長1年6ヵ月までです。就業不能保険は、毎月お給料のように契約時に定めた金額が受け取れるため、長期間働けなくなったときの収入減をカバーできます。
既婚、子どもがいない会社員におすすめの保険
・終身医療保険
・終身保険
・就業不能保険
・がん保険
結婚をしたら、パートナーの生活のことも考えて保険で備えましょう。病気になったときの生活費や万が一のとき、のこされたパートナーの生活費やお葬式代を備えておくと安心です。
がんへの備えもしておくといいでしょう。もしものとき、まとまったお金が受け取れると、治療費の心配の解消にもなり精神的な安心材料になります。お金の心配をせずにがんの治療としっかり向き合うことができるのは心強いでしょう。
既婚、子どもがいる会社員
・終身医療保険
・終身保険
・就業不能保険
・がん保険
・収入保障保険
子どもが生まれたら、万が一の生活費に加えて教育費も備えなければいけません。子どもが安心して学べる環境を作ってあげるには、長期間働けなくなったときの保障、万が一のときの保障を充実させておく必要があるでしょう。
万が一の生活費や教育資金に備えるには、収入保障保険や終身保険がおすすめです。収入保障保険は万が一、亡くなったときにのこされたご家族へお給料のように毎月年金が支払われる保険です。終身保険は一生涯保障が続く貯蓄型の保険で、将来の資金準備と保障を兼ねられる保険です。また、長期間、働けなくなったときの備えとして就業不能保険もおすすめです。
自営業・個人事業主
自営業や個人事業主は会社員よりも公的保障が薄く、そのため、結婚後はもちろん独身でもリスクに手厚く備える必要があります。
・終身医療保険
・終身保険
・就業不能保険
・がん保険
・収入保障保険
特に会社員と比べると、働けなくなったとき、亡くなったときや障害状態になったとき、老後の年金の公的保障が薄いです。
たとえば、病気ヤケガで働けなくなったとき、会社員は1年6ヵ月「傷病手当金」を受け取れます。しかし、自営業や個人事業主は受け取れません。
さらに、会社員は厚生年金に加入しているため、老後は老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金も受け取れます。そのため会社員は、よく2階建ての年金といわれます。しかし、自営業や個人事業主は1階建ての老齢基礎年金のみです。同じように亡くなったときに支給される遺族年金、障害状態になったときに支給される障害年金も1階建ての基礎年金のみのため、年金の受取金額は会社員よりはるかに少ないです。
おすすめ保険の種類としては、会社員の場合と基本的には同じです。しかし、自営業や個人事業主は、保険金額の設定を会社員よりも手厚く考えていく必要があります。
保険加入に制限がある職業
生命保険加入するとき、職業や年齢、健康状態などを告知し、保険会社が審査を行います。なぜ、加入審査の目的は、契約者の公平性を保つためです。
職業によって危険度はさまざま。たとえば、会社でデスクワークが多いサラリーマンとスタントマンで比較すると、スタントマンの方がケガをするリスクは高いでしょう。
サラリーマンとスタントマンの両者が、同じ保障内容、保険料の契約をできてしまうのは公平性に欠けてしまいます。なぜなら、ケガをするリスクが高いスタントマンの方が、同じ保険料にもかかわらず保険金を頻繁に受ける可能性が高くなってしまうためです。この場合、サラリーマンは保険金を受け取る可能性が低いにも関わらず保険料を支払うばかりで、公平性が保たれなくなってしまいます。
このことから、告知内容のひとつとして職業は大切な項目です。保険会社は、職業によって、加入をお断りしたり、加入ができる金額を制限することで加入者間の公平性を保っています。
生命保険の加入が難しい職業
一般的に危険度が大きい職業ほど生命保険の加入が難しくなります。
加入審査の基準は保険会社により異なりますが、以下は生命保険の加入を断られる可能性が高い職業の一例です。
・スタントマン
・潜水士
・テストパイロット
これらの職業は就業中、死と隣り合わせということがイメージされますよね。いくら訓練や努力をしても、防ぎきれないリスクが非常に高いため、保険会社もお断りせざるを得ないのです。
生命保険の加入が制限されやすい職業
生命保険が断られるとまではいきませんが、加入できる金額に制限がかかる職業もあります。制限とは主に保険金額(万が一のときに受け取れる金額)の制限です。加入ができる保険金額に上限が設けられたり、ケガの保障など、一部の保障に加入ができない場合もあります。一定の制限を受ける職業の一例は次の通りです。
・高所作業者
・地下作業者
・漁船乗組員
・格闘家
・航空機乗組員
死と隣り合わせとまではいかなくても、危険を伴う職業がベースに考えられているのがわかりますね。
複数の保険会社で検討するのを選択肢に
もし生命保険に加入しようとしたとき、職業で加入が不安な方は複数の保険会社に相談してみましょう。
審査基準は保険会社によって異なります。そのため、A社では加入できなかったけど、B社では加入制限付きで保険に入れる可能性も考えられます。
一概にすべての保険会社が同じ審査基準とはいえないため、複数社の保険会社の商品で検討するのがおすすめです。
まとめ
職業にはさまざまな業種があります。しかし、保険に加入するうえで「この業種にはこの保険がいい」といった考え方はあまり適切とはいえません。
家族構成や年齢、収入、貯蓄状況などで加入する保険は大きく異なります。また、保険はライフステージごとに見直すことも重要です。まずは保険に入る目的を明確にしたうえで、保障内容、保険金額、保険料を具体的に考えていきましょう。
職業によって保険に加入ができない場合や加入制限がある場合があります。この場合は複数社で検討してみましょう。一言に保険といっても、保障内容や審査基準は保険会社によって異なります。
保険を選ぶときは基本的に複数社で見積もりを出してみることをおすすめします。そうすることで、自分たちに最適な保険が見つかり、万が一のときにしっかりと備えることができるでしょう。
WRITER’S PROFILE
リアほMAGAZINE編集局
保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。