保険の基礎知識

2021.07.23

公的医療保険と公的介護保険の違いは?民間の保険に加入する際の優先順位も解説

医療保険と介護保険の違い、ご存知でしょうか?
どちらも、病気やケガなどが原因でからだに何かあった際に役にたつ保険です。

ここでは、まず公的医療保険と公的介護保険の違いを解説し、また民間の保険に加入する際に医療保険と介護保険のどちらを優先すべきかを解説していきます。

公的医療保険と公的介護保険の違いは?

公的医療保険は、本人や家族が病気になったり、ケガをした際にかかる医療費を負担してくれる制度です。
公的介護保険は、介護が必要になった際に、サービスの費用を一部負担してくれる制度です。

一言で違いを表すと、公的医療保険は病気やケガなど幅広く利用でき、公的介護保険は介護に特化した保険です。
医療保険と介護保険について詳しくみていきます。

公的医療保険とは?

公的医療保険は原則として全ての人が加入します。国民皆保険と呼ばれるものです。
公的医療保険制度は国や地方公共団体が運営しています。
会社員・公務員の方やその家族などは「健康保険」に、自営業の方やその家族などは「国民健康保険」に、75歳以上の方は「後期高齢者医療保険制度」に加入します。

公的医療保険は、医療費の一部を負担してくれます。
多くの人は医療費が3割負担です。
そのほか、小学校入学前の方・70歳〜74歳の方は2割負担、75歳以上の方は1割負担が基本です。
70歳以上の方で、現役並みの所得がある方は3割負担です。

公的介護保険とは?

公的介護保険は40歳以上の国民に加入義務があります。
公的介護保険には2つの加入区分があり、65歳以上の方は「第1号被保険者」、40歳〜64歳の方は「第2号被保険者」です。

介護保険制度では、加入者が要介護認定を受けると介護サービスを自己負担額1〜3割で受けることができます。
ただし、「第2号被保険者」が公的介護保険を使えるのは、老化に起因する16種の特定疾病が原因で要介護認定を受けた場合に限ります。そのため、交通事故によるケガが原因で要介護状態になった際に公的介護保険は受けられません。

公的医療保険と公的介護保険は併用できる?適用の優先順位は?

公的医療保険と公的介護保険は原則、併用できません。
要介護認定を受けていない場合は医療保険が優先され、要介護認定を受けている場合は介護保険が優先されます。

基本的には、公的医療保険と公的介護保険はどちらか片方しか利用できませんが、例外があります。

たとえば、公的介護保険でリハビリを受けている方が、別の病気になり別でリハビリが必要になったケースです。
この場合、後から必要になったリハビリに公的医療保険が適用されるケースがあります。

ほかにも、利用する時期がズレている、末期がん・多発性硬化症など厚生労働省が定める特定の難病にかかっているなどの場合も公的医療保険と公的介護保険が併用できます。
命をつなぐために、医療と介護の両方からアプローチが必要な場合です。

公的医療保険と公的介護保険で利用できる訪問サービスの違い

病院や施設だけではなく、自宅で受けられるサービスもあります。その際に、公的医療保険と公的介護保険、どちらが適用されるか解説していきます。

公的医療保険や公的介護保険で利用できるサービス

公的医療保険では、医療のためであることがポイントです。
たとえば、通院できない方のために医師が自宅を訪問して診療や治療・薬の処方などを行う訪問診療看護師やリハビリのための理学療法士などが自宅を訪問する訪問看護などで、公的医療保険を利用できます。

公的介護保険では、介護が目的のサービスであることがポイントです。
たとえば、訪問看護訪問介護、福祉用具貸与などで、介護保険を利用できます。
訪問介護は、ホームヘルパーが自宅に訪問し、食事や排泄などの介護を行うサービスです。
福祉用具貸与とは、車いすやベッドなど日常生活や介護で役立つ道具がレンタルできるサービスです。

訪問看護など、公的医療保険でも公的介護保険でも利用できるサービスについては、「要介護状態にあるかどうかがポイント」です。要介護状態にある方の場合、公的介護保険が適用されます。

民間の医療保険や介護保険は必要?

民間の医療保険や介護保険は、公的医療保険や公的介護保険で不足する部分を補うために利用することが一般的です。
民間の保険の大きな特徴は給付の仕方にあります。民間の保険は保険金として現金を受け取れます。

公的医療保険や公的介護保険で、医療費や介護費の負担が少なくなっても現金が必要な事実は変わりません。
病気やケガ、要介護状態になって、働けなくなった際は現金を調達することは難しいでしょう。
現金が必要になった際に、保険金を受け取れることは民間の保険の大きなメリットです。

民間の医療保険とは

民間の医療保険は保険会社が販売する保険商品です。
公的医療保険制度だけでは足りない医療費や生活費を補う目的で加入する方が多いです。
入院が必要になった際に入院給付金がもらえたり、がんや脳卒中など特定の病気になった際にまとまったお金がもらえたりします。
高額な医療費が発生した際に、お金が足りなくて医療を受けられない、収入が減って家族が生活できない、といったことを防げます。
公的医療保険と違って、加入は義務ではなく、必要としている方が任意で加入します。
加入するためには、健康状態の告知や医師の診断が必要で、場合によっては加入できないこともあります。

民間の介護保険とは

民間の介護保険は保険会社が販売する保険商品です。
公的介護保険制度では足りない介護費用や生活費を補うために加入する方が多いです。
加入は任意で、必要としている方だけが加入します。

民間の介護保険では、公的介護保険制度と連動し、要介護状態になった際に保険金が支給される商品と、保険会社が独自の基準を満たしたときに保険金が支給される商品があります。

公的介護保険制度では40歳未満の方は加入できませんが、民間の介護保険では商品の契約可能年齢の条件を満たしていれば、20代・30代の方でも加入できます。

民間の医療保険と介護保険、優先するべきはどっち?

民間の医療保険と介護保険は加入が義務ではありません。
医療費や介護費の両方に備えるため、両方に加入しても問題ありませんが、保険料の負担が大きくなります。

そこで、どちらを優先するべきかそれぞれの必要性をまとめていきます。
どちらを優先するべきか、手厚くするべきか、迷っている人は参考にしてください。

医療保険の必要性

カバー出来る範囲の広さや起こりうる可能性から考えると、まずは医療保険を優先して加入するべきです。

  • さまざまな病気やケガによる入院や手術、先進医療など医療費を幅広く補てんできるため
  • 介護状態になるより、確率としては病気やケガで医療費が発生する可能性が高いため
  • 介護状態になる前に、入院や手術をする可能性があるため

介護保険の必要性

かかる費用の大きさを考えると、介護保険も上乗せして用意すると安心です。
一度、介護になったらその後、長期にわたってお金がかかるため、介護保険はまとまった一時金がもらえるものが多いです。医療費は貯蓄でカバーして、大きな負担となる介護費用だけはしっかり保険で備えておくというのも選択肢の1つです。

  • 退院した後の介護費用は医療保険ではカバーできないため
  • 介護は長期にわたってお金がかかるため
  • 介護が長期にわたって続くと生活費が不足する可能性が高いため

ご自身の価値観や経済状況と照らし合わせてよく考えて選択していきましょう。

まとめ

公的医療保険は病気やケガなど幅広く適用されますが、公的介護保険は介護に関連するサービスにのみ適用されます。
訪問看護など、公的医療保険でも公的介護保険でも適用されるケースがあります。
その際は、利用者が要介護認定を受けているかどうかで判断し、要介護認定を受けていると、介護保険を利用します。

公的医療保険と公的介護保険だけでは、医療費や介護費用が足りないと感じる方もいらっしゃるでしょう。
そのような方には、民間の医療保険や介護保険に加入することがおすすめです。
両方に加入すると、月々の保険料の支払額が多くて無理!という方は、カバーされる範囲の広い、医療保険から加入することをおすすめします。ただし、介護は長期にわたるため、経済的負担が大きいという点も認識しておくべき事実です。
医療保険と介護保険、それぞれの特徴や保障内容を確認しつつ、自分には必要なものは何かをじっくり考えてみてください。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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