保険の基礎知識

2023.07.05

がん保険は時代に合った保障が大切!変化の歴史や理由、見直しのポイントを解説【FP監修】

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。

日本で初めてがん保険が販売されたのは、1970年代でした。それから約50年が経ち、がんに対する人々の考え方も医療技術も大きく変化しています。それに合わせて、がん保険の保障内容もまた、大きく変わってきました。

この記事では、がん保険の保障内容の変化を理由とともに詳しく解説しています。また、最新のがん治療の傾向に合わせて、がん保険を見直す方法も紹介しますので、参考にしてください。

がんに対するイメージと治療方法の変化

がん保険の変化を解説する前に、日本で初めてがん保険が販売された1970年代から現在までに、がんに対する一般的なイメージと治療方法にどのような変化があったかを見てみましょう。この変化は、現在のがん保険の保障内容に大きな影響を与えています。

がんは「罹患率は高いが治る」病気へ

国立がん研究センターの調査によれば、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は2人に1人です。また、がんは現在でも日本人の死亡原因のトップであるため、がん=死と思われていた時代がありました。しかし、実際のところ、以下の人口動態統計から作成したグラフが示すようにがんの死亡率は1997年をピークに下がり続けています。死亡率低下の背景には治療方法の進化や早期発見の重要性が周知されたことなどがあると考えられますが、いずれにせよ、がんは治らない病気から治す病気になったといえるでしょう。

がんによる死亡率の年次推移グラフ
がん統計 年次推移|国立がん研究センター
※基準人口は昭和60年(1985年)モデル人口を使用

がん治療方法の変化

がんの研究が進むのと同時に、がん治療方法も変化してきています。かつては、がんの治療方法といえば入院を伴う手術療法が中心でした。しかし、2000年代に入ってからは入院せずに通院だけで治療する人が増えていることが、厚生労働省の「令和2年(2020)患者調査の概況」における受療率のデータからもわかります。入院しなくても抗がん剤治療や放射線治療が受けられるようになったことが、外来での治療が増えた要因のひとつでしょう。

しかし、がんは治療に比較的時間がかかる病気です。そのため、何度も繰り返して通院する必要がある場合などでは、治療費の負担が大きくなることもあります。

がん保険は生きるための保障重視へ

がん保険は、日本では1974年に初めて登場しました。その当時は、がんは治らないという考え方が強かったのに加えて、治療のために入院を必要とすることが多かったため、保障内容は死亡保障または入院保障が多くを占めていました。しかし、すでに解説したように、現在ではがんは治る病気と考えられるようになり、入院よりも通院で治療する人が増えたという変化もあります。そのため、最近では、がん保険の保障内容はがんにかかったあとの生活を支えることに主眼が置かれるようになりました。具体的には、通院保障やがん診断給付金などが挙げられます。特に、がんがほかの病気と比べて再発や転移などが多く見られることをふまえ、がん診断給付金が何度でも受け取れる商品もあります。

がん保険の変化に合わせて、古い契約を見直ししよう

ここまでの項目で見てきたように、がん保険の保障内容は医療事情の変化などに合わせて変わってきました。がん保険に入ったばかりであれば特段問題ないかもしれませんが、加入してからしばらく時間が経っている場合は、保障内容が現在の事情に合っていない可能性があります。また、保険加入時と現在では家族構成や就労状況などのライフステージが変化している場合もあるでしょう。ライフステージの変化によって必要な保障が変わることも少なくないため、この機会に保険の見直しをしてみてはいかがでしょうか。

保障内容は現在の治療方法に合わせる

がん保険の見直しでは、保障内容を現在の主流となっている治療方法に合わせるのがおすすめです。たとえば、入院保障中心のがん保険に加入している人は、通院治療では給付金などを受け取れません。がん保険に入っているのに、いざという時に保障が受けられなかったということがないように、古い保険契約がある人は見直しをおすすめします。

特に、がん保険に加入してから10年以上経過している場合は、保障内容が合わなくなっているかもしれません。さらに、保険の見直しには加入しているがん保険にどのような保障内容があるかを定期的に確認することで、もしもの時に慌てなくて済むというメリットもあります。

ライフステージで必要な保障を備える

がんになったときに必要な保障は、一人ひとり異なります。さらに、同じ人でもライフステージが変化すれば必要な保障もまた変わるため、定期的に保険を見直しすることが大切です。

独立前の子どもの教育費負担が大きい年代である

年齢とともにがんになる確率は上がっていきますが、働き盛りの30代や40代でもがんになる可能性はあります。その場合、子どもがいる家庭であれば、教育資金が必要な時期と重なってしまうかもしれません。家族の生活費や子どもの教育費にがんの治療費負担が増すうえに、がんの治療のために仕事ができなくなれば、収入が減ることも考えられます。特に経済的負担が大きい期間は、がん保険の保障を手厚くしておくことを検討しましょう。

転職などで自営業やフリーランスになった

健康保険に加入している会社員や公務員は、病気やケガを理由に仕事を休んだ際に一定期間、傷病手当金を受け取れます。しかし、自営業者やフリーランスの多くが加入する国民健康保険には、傷病手当金の制度がありません。そのため、がんの治療のために仕事を休むと、収入が途絶えてしまうリスクがあります。自営業やフリーランスの人は、がん保険の保障を手厚くすることでもしもの時の収入減少に備えることもできます。

定年退職や子どもの独立で必要な保障額が減った

リタイアしたり、子どもが独立したりすることで、がん保険で必要な保障額が少なくなることもあります。貯蓄や年金額などを参考に、がん保険で備えるべき保障額を計算し直してみましょう。ただし、がんは年を取るほど罹患率が上がる病気です。また、高齢になってからのがん保険の加入は健康面の問題から断られたり、加入できても保険料が高かったりすることもあります。そのため、がん保険の解約については慎重に判断したほうが良いでしょう

まとめ

がんが治る病気となり、治療法も進化してきたことで、がん保険の保障内容も生きるための保障を重視するようになりました。特に、多くのがんが入院せずに通院で治療できるようになったことで、古いがん保険ではいざという時に必要な保障を受けられない可能性もあります。また、ライフステージの変化もがん保険で必要な保障が変化するきっかけです。

加入から時間が経っている場合や、ライフステージに変化があった際は、がん保険を見直しましょう

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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