保険の基礎知識
2021.11.17
子どもや高齢者が注意したい歩行中の事故 起こりうるトラブルとは?
多くの方が日々、交通事故には気をつけて生活していると思います。しかし、どんなに注意していても一歩家の外に出ればリスクは避けられないものです。しかし、あらかじめパターンや起こりそうなトラブルを知ることで、安心して生活を送れるかもしれません。
保険でそなえることももちろんですが、できれば事故にはあいたくないものですよね。ここでは、起こりえる交通事故のパターンやトラブルをご紹介します。
起こりえる交通事故のパターン
子どもは歩行中、自転車に注意!
子育て世代が気になる子どもの交通事故。
まず、未就学児が最も気をつけなければならないのは歩行中の事故といえます。未就学児の交通事故による死者の6割が歩行中に事故にあっています。
ひとり歩きがはじまり、さらに幼稚園や保育園に通い始めて外を歩く機会が増えると、事故が起きる確率も高くなるでしょう。
小学生になると、交通事故による死者数のうち歩行中が5割、自転車乗車中が3割です。つまり、小学生になって自転車に乗り始める時期に事故が起きる確率がより高くなるといえます。
子どもは交通ルールを教わってもなかなかそれを実感して、守れないケースも考えられます。たとえば、友達との遊びに夢中になって危険な行動をしてしまうケースもあるでしょう。
大切な子どもが交通事故にあわないように、とくにひとり歩きを始める時期、自転車に乗り始める時期には注意をしたいところです。
出典:内閣府HP|特集「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策について」
年々増加する高齢者の交通事故
交通事故の死者数自体は実は年々減少傾向にあります。しかし、そのうち高齢者が占める割合は年々増加しています。
交通事故による死者の事故時の状況をみると、20~59歳までは自動車乗車中が最も多いのに対して、65歳以上では歩行中が最も多く、歩行中が占める割合は高齢になるほど増加しています。
高齢者の歩行中の死亡事故の要因のひとつが交通ルール違反です。最も多い違反は、車両直前後横断(歩行者は車両等の直前又は直後で道路を横断してはならない)で17.6%、次いで横断不適(横断歩道が近くにあるのに横断歩道以外を横断したり、道路を斜めに横断する等の横断違反)で14.3%となっています。
さらに相手自動車との距離感を間違えたり、「譲ってくれると思った」などの判断の誤りによるものも多くみられます。
出典:損害保険料算出機構|高齢者の歩行中の交通事故を防ぐには2021年3月15日
今後は“次世代モビリティー”にも知識や理解が必要
世の中の技術が進歩していく中で、新たなリスクや備えるべきことも生まれます。
たとえば、原動機付自転車や電動自転車の代わる移動手段として利用する方が増えてきている電動キックボードです。これは電動式のモーター(原動機=定格出力0.60キロワット以下)により走行するため、道路交通法並びに道路運送車両法上の原動機付自転車に該当します。
そのため、運転免許に加え、ヘルメットの着用義務があります。さらには原動機付自転車ですので、歩道を走ることはできません。また、原動機付自転車と同様に自賠責保険の加入が義務づけられています。ただし、強制加入の自賠責保険の補償範囲は、相手方のからだに限られ、また上限額があります。つまり、自身のからだと車がどれだけの被害を受けても自賠責保険から保険金は出ません。
そのため、しっかりした補償を準備するためには自動車や原動機付自転車と同様に任意保険で自賠責保険の不足分をカバーしておくことをおすすめします。
新たな技術が次々と開発され便利になる一方で、新しい移動手段(次世代モビリティー)に関わるときにも十分に注意が必要ですね。
交通事故にあったときに起こるトラブルとは?
子どもの事故は親が監督責任を問われることも
万が一、自分の子どもが事故を起こしてしまった場合、子どもに過失があった場合には親が監督責任を問われることもあります。
たとえば、公園でサッカーをしていてサッカーボールが道に飛び出して交通事故を引き起こしてしまった。そんな場合には安全対策がしっかりしていたかを問われ、親の監督責任となることもあります。ボール、フリスビー、凧(たこ)などで遊ぶときには交通事故につながらないようにする配慮が必要です。
自分が人身事故を起こしてしまったら
たとえば、自分が事故を起こしてしまった場合、下記の3つの責任が問われる可能性があります。
・行政上の責任 運転免許証の取り消しなど
・民事上の責任 損害の補償(治療費、遺失利益、慰謝料、後遺症などへの賠償金)
・刑事上の責任 過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪、危険運転致傷害罪など前科
自分や同乗者がケガをしてしまった場合も想定しよう
自分や自分が運転している車に同乗している人がケガをしてしまう可能性もあります。
ケガのレベルにより異なりますが、治療費や入院費、リハビリにかかる費用や治療中の生活費などの備えが必要です。
かかりうる責任や費用の考慮すると、急な自己負担費用を預貯金でカバーするのは心もとないと感じる方もいらっしゃると思います。不安な場合は万が一への経済的なお守りとして民間の損害保険の活用を検討することをおすすめします。
交通事故に備えるには
日常生活で起こりそうなさまざまな交通事故のパターンと、事故にあったときに想定できるトラブルなどをご紹介しました。万が一の交通事故を起こさないために、気をつけるポイント、また万が一、事故が起こってしまったときに問われる責任やかかるお金を想定も抑えておくことが重要です。
そのうえで、急な自己負担費用が不安な場合は民間の損害保険の活用を検討することをおすすめします。
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リアほMAGAZINE編集局
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