著名人・専門家コラム
2022.06.27
その治療、保険金支給されますか?【住宅FP関根が答える!Vol.13】
みなさんこんにちは。ファイナンシャルプランナーの関根です。
前回のコラムでは終身保険を利用してみなし相続の非課税枠を有効活用しようといったお話をしました。終身保険を利用した節税対策は知らない方も多かったのでないでしょうか。
終身保険に加入する方の多くは、お葬式代や節税対策といったはっきりとした目的があり、被保険者の方がお亡くなりになると必ずもらえる保険だと思います。
保険に加入し、保険金の支払事由が発生した際には保険金の請求をするのですが意外にも保険金の請求をしていない方がいらっしゃいます。本来であれば保険金を受け取ることができたのに、保険金が支払われる治療ということを知らなかったなど、保険金の請求をしなかったために保険金が支払われないということがあります。
今回のコラムでは意外にも支給請求を見落としてしまうといった日帰り手術など、主に医療保険の手術給付金について話させて頂きます。
あなたが加入されている保険、手術給付金は払われますか?
もちろん手術給付金が支給されないタイプの保険はありますが、医療保険に手術給付金がセットになっている保険はたくさんあり、それぞれ保険会社や保険商品によって給付の条件が違います。保険商品により、保障の対象になる手術は事前に明確に決められているため、どんな手術でも必ず保険金が支払われるということではないため、その点は注意が必要です。
入院をした場合、入院給付金が支払われることは分かると思いますが、手術をした場合はどうでしょうか。さすがに、開胸手術や移植手術、がんに関する手術など明らかに手術だと思うものはみなさん保険金支給の請求をされると思います。こういった治療をするときには入院も必要になるため特に考えもせず入院給付金、手術給付金を請求するでしょう。
しかし、日帰りでできるような小さな手術をした場合にはどうでしょうか。その行った手術に対して給付金を受けられるということは知らずに請求をしない場合が多いです。また外来で手術を行う場合には、治療内容は説明を受けていてもその治療が手術に当たるのかどうかを知らない方も多いと思います。まずは、自分の加入している医療保険は手術給付金が支払われる保険なのかを今一度確認してみましょう。
手術給付金にも様々なタイプがあり、日額の10倍などと固定されている場合と、手術の種類により倍率が変わる場合のもがあります。また日帰り手術の場合でも、通常の手術給付金がもらえる場合と、極端に少ない金額になってしまう場合もあります。
保険金請求忘れが多い手術は?
親知らずを外来で取り除いても日帰り手術に該当し、保険金が支払われる場合があることはご存知でしょうか。
いつも通り外来で治療する感覚で親知らずを抜くことありますよね。そういった僅か30分程度の治療でも保険金の支払いの対象となることがあります。意外と見落としがちな支払事由だとは思いませんか。
しかし、必ずしも親知らずの抜歯で保険金が支払われるということではありません。親知らずの抜歯にも、様々な方法があり、該当する抜歯と該当しない抜歯がありますが、普通の抜歯であると多くの保険会社では保険金が支払われることはありません。少しでも保険金の支払われる可能性があると思ったら保険会社に問い合わせてみるのがおすすめです。
出産は病気じゃない?
妊娠、出産はつわりなど生活に規制がかかり、大きな支障をきたしますが、決して病気ではありません。
つまり、通常、出産を行ったところで自然分娩の場合には、入院給付金も手術給付金も支払われることはありません。これは多くの方が分かると思います。
しかし、実はこういった妊娠や出産の際にも入院給付金や手術給付金が支払われる場合があります。どういったときか分かりますか?答えは緊急帝王切開などです。
こういったケースでは、入院給付金や手術給付金が支払われる場合があります。前述したように、妊娠、出産は病気ではないため保険金を請求するといった感覚が薄く、緊急帝王切開を行っても、保険金の請求をしない方が多くいらっしゃいます。
また妊娠中毒症、早産の危険のある入院なども入院給付金が支払われる場合があります。ただし、予定帝王切開の場合には保険金が支払われない場合も多いため、あまり期待はできません。
まとめ
親知らずの手術や、妊娠、出産などでは手術給付金の申請忘れが非常に多いです。本来であれば保険金支給の対象であるものを逃してしまわぬように、日帰りであっても逐一確認しましょう。
また、各保険会社によって、同じ治療であっても支給の対象になる場合とならない場合があるので確認をしてください。もし、このコラムを読んで保険金請求漏れを見つけることができたらすぐに保険会社へ問い合わせをしましょう。保険の保険金請求には請求期限がある場合があります。多くの保険会社では通常、請求者が給付金を請求できるようになった日から3年間となっております。本来であれば入院や手術があった際にはすぐに請求をした方が良いですが、うっかり請求し忘れてしまった、保険金の支払われる治療だと知らなかった場合には、後からでも申請できる場合が多いため気が付いたときに請求しましょう。
WRITER’S PROFILE
㈱投資用マンションSOS 代表取締役 関根克直
ファイナンシャルプランニング技能士2級。独立系FPとして18年。ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローン提案、投資用不動産計算など、年間300件ほどの面談をおこない幅広いサービスを展開しています。 元ウィンドサーフィンインストラクター、またチャンネル登録10万人YouTuberとしても活躍中。