保険の基礎知識

2023.06.15

がん保険にはなぜ待機期間がある?すぐに保障が受けられるがん保険との比較【FP監修】

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
ファイナンシャルプランニング技能検定2級・証券外務員二種。レタプラ開発・提供。YMYL領域の執筆多数。相続・保険・資産運用などの個人相談。IFA事業展開予定。ライフプラン・シニア関連の開発案件受任。

がん保険に加入した直後にがんと診断された場合、給付金などの保障を受け取れないケースがあります。がん保険には平均3カ月程度の待機期間があり、この期間内はがんになっても保障されないためです。しかし、医療保険などには待機期間がないため、がん保険に保障が受けられない期間があるのを知らなかった人や、なぜがん保険にだけ待機期間があるのか、疑問に思っている人もいるでしょう。

この記事では、がん保険の待機期間の概要や待機期間がある理由を紹介します。また、待機期間がないがん保険についても解説します。

がん保険に加入を検討している人は、この記事を参考に待機期間についてしっかりと理解を深めましょう。

がん保険の待機期間とは

がん保険の待機期間とは、がんにかかっても保障を受けられない期間です。保険会社によっては、免責期間や支払い猶予期間と呼ばれることもあります。待機期間は、保険契約が成立してから90日間または3ヶ月間です。がん保険独特のしくみである待機期間について、一般的な生命保険などの保障期間の考え方と比較しながら解説します。

医療保険の保障期間開始日

がん保険とよく似た保険として、病気やケガの医療費に備える医療保険があります。医療保険には、待機期間がないため、保険契約が成立したらすぐに保障期間が始まります。なお、責任開始日と呼ばれる、保障期間が開始する日は「保険の告知や診査をした日」または「最初の保険料を払い込んだ日」のいずれか遅いほうです。責任開始日以降の病気やケガなどは保障対象となるため、正しく告知をした場合は、保険加入直後にわかった病気でも給付金などが受け取れます。

がん保険の保障期間開始日

待機期間があるがん保険の場合は、保険契約が成立してもすぐには保障を受けられません。保険契約後に待機期間として90日間または3ヶ月間経過してから、責任開始日を迎え、保障期間が始まります。待機期間中にがんが見つかっても、給付金などは受け取れません。しかし、保険契約は成立しているため、待機期間中も保険料の支払いは必要です。

待機期間中にがんが見つかったら保険料は返ってくる?

待機期間中も保険料を払う義務がありますが、がんが見つかっても保障は受けられません。そのため、保険料を払い損になるのではないかと考える人もいるかもしれませんね。実は、待機期間中にがんが見つかった場合、保険契約は無効となり、支払った保険料が戻ってくる可能性があります。しかし、保険料が戻ってくるのは、正しく告知をした場合のみです。つまり、がんだと本人や契約者が知らなかった場合は、保険料が戻ってくると期待できます。一方、がんと知りながら加入した場合は、告知義務違反として契約は解除となり、すでに支払った保険料も返還されません。

がん保険に待機期間がある理由

待機期間の目的は、がん保険に入ったばかりの人が給付金などを受け取るのを防ぐことです。しかし、医療保険などには待機期間がありません。がん保険にだけ待機期間が設定されている理由は、がんという病気の特性と保険のしくみにあります。

初期のがんは発見されにくい

がん保険に申し込む際、保険会社に自分の健康状態や既往歴などを告知する必要があります。そのため、申込日時点でがんにかかっていると分かっている人は、その旨を正直に伝えなければいけません。

ところが、がんは初期の段階では本人に自覚症状がないだけでなく、健康診断でも発見されないことがあります。そのため、本人もがんだと気が付かずにがん保険に加入申込しているケースがあるのです。待機期間はこのようなケースを除外するために設けられています。

加入者間の公平性を守るため

保険とは、多くの人がお金を出し合ってお互いを支え合う相互扶助で成り立っており、がん保険も例外ではありません。そのため、健康で保険料を払い続けている人もいるなかで、がん保険に入ったばかりの人が給付金を受け取るのは不公平だといえるでしょう。たとえば、診断給付金があるがん保険では、がんと診断された人に数十万円程度のまとまった給付金が支払われます。加入直後であまり保険料を払っていない人が、多額の給付金を受給すると、ほかの保険加入者に保険料値上げなどの形でしわ寄せがいくかもしれません。がん保険の待機期間は、ほかの契約者との公平性を保つためにも必要なのです。

待機期間のないがん保険もある

待機期間中にがんと診断されても保障が受けられないのが心配な人は、待機期間なしですぐに保障が受けられるがん保険を検討してみましょう。ただし、すでに解説した通り、がん保険の待機期間は保険加入者間の公平性を守るために必要なものです。それにもかかわらず、待機期間がないのには理由があります。

待機期間がないがん保険の場合、入院給付金のようにがん治療にかかる費用は保障されますが、がん診断給付金のような、がんと診断された際の給付金はありません。また、初期のがんともいえる上皮内新生物は保障範囲に含まれないため、上皮内新生物もカバーしたい場合は特約を付加する必要があります。ただし、待機期間がないがん保険は、がん診断給付金などがない分、保険料が割安という特徴があります。

がんの治療が始まる前に受け取れるがん診断給付金は、さまざまな用途に使えるため便利です。待機期間がないがん保険に入る際は、すぐに保障が受けられる・保険料が安いというメリットだけでなく、がん診断給付金がないデメリットも押さえておきましょう。

まとめ

がん保険には、免責期間や支払い猶予期間とも呼ばれる待機期間があります。待機期間中は、がんになっても保障を受けられません。がんの特性やがん保険加入者間の公平性を保つためにも待機期間は欠かせないしくみですが、最近ではがん診断給付金などがないという条件で、待機期間がないがん保険も登場しています。

がん治療のための医療費などをカバーできるがん保険は、もしもの時の心強い味方です。しかし、待機期間が設けられているため、加入してすぐに見つかったがんは保障が受けられません。いざという時に保障が受けられないことがないよう、待機期間がないがん保険を選ぶか、がん保険には早めに加入することを検討しましょう。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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